天皇皇后両陛下が福島で「鎮魂」と「地鎮」
昨日、あのようなことを書きましたが、なんとか無事に「11日」が過ぎそうです。
ワタクシの中の「物語」的に言えば、これは天皇皇后両陛下のおかげであります。
ご存知のように、今日両陛下が被災地福島をご訪問されました。昨日書いたことがあるので、私は内心心配していたのですが、それは全くの杞憂でした。
ご覧下さい。今日福島県内陸と福島県沖に地震が発生した時刻です。
0時13分
1時14分
3時9分
7時15分
11時0分
11時9分
17時20分
19時23分
21時57分
23時8分
ちょうど陛下が福島県内にいらした午前11時台から午後5時台まで、ぴたりと地震が止んでいるのがわかります。これは偶然なのでしょうか。
実は、天皇と艮(日本の東北方面)の地震とは、切っても切れない因縁があります。そう、私も3年前こちらに書きましたとおり、以前は天皇が東北入りすると大地震が起きるという不思議なジンクスがあったのです。
しかし、このたびはその逆のことが起こりました。私がある方面から聞いたウワサによりますと(あくまでウワサですが)、陛下は私の記事を読んで、宮中において東北の地霊を鎮める儀を行なってからの被災地訪問だったとのこと(ホントか?)。
ま、私の記事を読んだかどうかは?ですが、あの記事に書いた意味での「地鎮祭」を急遽行なったのは事実のようです。
この春は大相撲も八百長問題があって地鎮を怠りましたよね。それについてはたとえばこちらなどに書いてきました。ちょうど中止された春場所が行われているであろう日にあの大地震が発生したのです。もちろん相撲が本来地鎮の神事であったことは言うまでもありません。
このたびの被災3県のご訪問には、もちろん「鎮魂」という意味もありますね。亡くなった方々への鎮魂はもちろん、避難されている被災者の皆さんの心を鎮めるという意味も大きい。もちろん、首相が何度訪問しても、また東電の社長がいくら土下座しても、天皇陛下の一言にはかないません。
私、天皇の意味とか機能とかってこういうところにあると思っているんですね。決して「天皇陛下万歳」ではありませんが、しかし、その歴史的な存在を軽視する人のことは理解できません。
この機能は一見宗教に似ているようですが、実は全く違うと思います。もちろん科学でもありませんし政治でも思想でもありません。そういう「コト」世界ではなく、やはり「モノ」世界なのです。物語世界ですね。それをなぜ「ミコト」と呼ぶのか…それについては、またいつか書きましょう(というか、こちらの記事にけっこう書いてありましたね)。
今日のご訪問で、最も私の心を打ったのは、相馬市の沿岸部を視察された際、放射能を含んでいるであろう雨の降る中、自ら傘を閉じられて黙祷されたことですね。思わず涙が出てしまいました。言葉を介さずして、ここまでいろいろなメッセージを発信できるのは、やはり天皇皇后両陛下だけだなと痛感しました。
天災や人災を防ぎ、あるいはそこから立ち直るには、やはりこういう「物語」の力が必要なのです。
追伸 現地時間の11日、スペインで大きな地震があり死者も出たようです。お悔やみ申し上げます。
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コメント
ご掲載に感謝致します。
本記事の内容に深い感銘を受けました。
昨日11日は重要な1日と感じておりましたが、陛下の福
島ご滞在中には、確かに地震が起きていないですね。
「物語の力」が必要だということ、全く同感ですよ。
後世に語り継がれる、多くの新しい神話が産まれてくる
時を迎えていると思っています。
私が、その多くの「物語」と共に、どの時期までここに残し
ておいて頂けるのかは判りませんが。
投稿: むい | 2011.05.12 08:53
こんにちは。
質問です。
両陛下が、先日、確か宮古市の避難所で慰問されておられる最中に余震がありました。
皇后陛下が被災者の女性の手を握られたエピソードとともに、テレビのニュース番組でも何度も取り上げられていましたが、お二人のご訪問中も地震は発生していますけれども…?
投稿: ミチオ | 2011.05.12 09:28
むいさん、記事のご紹介ありがとうございます。
物語における私たち一人一人の役割はなんなのか考えたいですね。
ミチオさん、ご質問ありがとうございます。
そうですね。震度3でしたっけ。
記事にも書いたように、もともとは天皇が東北入りすると地震が起きることが多かったんですよね。
それが最後の福島でこういうことになったところに、私は物語を見るわけです。
そして、もちろん、もう一人の自分は「単なる偶然」だと思っています。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2011.05.12 10:10