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2011.05.18

わくわく原子力ランド(?)

20110519_64615 日、ウチの中学では「タイヤ交換」の実習をしました。こんなことやるのはウチだけでしょう(笑)。女子もジャッキからトルクレンチまで、いろいろな道具を使って頑張っていました。
 ウチの学校では、私や名物おじいちゃん先生らの趣味…いや、教育方針でそういう実生活に即した実習を多く行なっています。本当の意味での「生きる力」を育てたいんですよね。
 ただタイヤが交換できればいいということではないんです。いろいろな「モノ」から得る感覚を体験してほしいんですね。昨年度末の模型飛行機製作&飛行大会もそうなんです。今の子どもたちは「モノ」から学ぶことが極端に少ないんで。
 実は今日の実習ではアクシデントもありまして、私の車のタイヤを固定するあのボルトが一本ねじ切れました(笑)。しかし、それもまたいい勉強です。こんなに太い金属でもこんなにきれいに切れちゃうんだということを実感したことでしょう(笑)。
 で、こちらはその対極にあるような話。ちょいと忙しくてあんまりとうとうと語れませんけど、とにかく日本の教育界、いや戦後日本を象徴するような「教材」なので、ぜひご覧ください。
 つまり、「原子力の素晴らしさ」と「原発の安全性」を小学生に叩き込むための副教材なんです。これが昨年の11月ごろ全小学校に配られました。
 あの事故があってから、文科省のホームページからはダウンロードできなくなっていますが、こちらにはまだ残っていたので紹介することとしました。こちらも近いうちに消える可能性大なので、今のうちに他のもの(中学生用とか)も含めてダウンロードしておきましょう。
 繰り返される「地震対策は万全である」みたいなくだり(特に教師用)には、もう怒りを越えて哀しみやおかしみさえもおぼえてしまいます。
 これでは、戦前戦中の教育と何ら変わりありませんね。国家的な洗脳です。そして、今も毎日のように政府や東電や安全・保安院や御用学者による「大本営発表」によって洗脳は続いています。
 私はもちろんこんな教材が送られてきても配布もせずゴミに出していましたが、問題は原発だけではありませんからね、本当に教師として教育者としていろいろと反省をしなければならないなと痛感しています。
 学校で教えていることを鵜呑みにするな、教科書を信じるな、オレも疑え、というのは勇気のいることですけれど、そういう言葉を発するのでなくとも、自分の中にそういう意識を持つことは非常に大切だと思います。
 教師はお山の大将になりがちですし、それ以前に世間に出たことのないボンボンや優等生が多いのが実際ですから。私は教師である以前に人間としての良心でそういう危険を回避したいと思います。
 いったい何が「わくわく原子力ランド」なんでしょう。今や「わなわな(ガクブル)原子力ランド日本」ですよね。
 しかし考えようによっては、これらの副読本たち、原子力の是非の判断以前に、原子力についての知識を得るためにはなかなか有用です。今回ニュースで初めて知ったような言葉がほとんど出てきていますね。特に中高生向けのものは大人が読んでちょうどいいくらいの詳しさです。
 ある意味これを使って原子力の危険性を教えていれば、このような世の中にはなっていなかったかもしれません。ただあの日以前には、私も「国の言うことは信用するな」とは言えませんでした。原子力に関しては正直無知、無関心でした。やはり人間はコトが起きてからでないと何も気づかない生き物なのですね。
 世の中にはほかにもこうした知らないコト、起きていないコトがたくさんあるのでしょう。私たちの日常や平和というものは、そういう危うさの上に成り立っている、まさに砂上の楼閣なのでした。
 では以下のリンクからごゆっくりどうぞ。

なるほど!原子力AtoZ パンフレット・副読本

 そうそう、このサイトの耐震安全性のページもぜひご覧ください。「安全」「万全」「想定」…今となっては虚しい言葉がたくさん羅列してあります。

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コメント

素晴らしい^^ドキュメントのご紹介、ありがとうございます。

>原子力についての知識を得るためにはなかなか有用です。
こういう概説は、原発がなくなったとしてもどこかにあってもいいですね。しかし、『わくわく…』は、放射線がどういうものであるかの説明は、いささか不足、のような…(よく読んでないのかも^^;ゞ)。

現今の「事象」と、マスメディアの報道、それとネット上の情報を付き合わせると、わが国の状態が決して北朝鮮やリビアを笑えるものではなかったことにゾッとします。

前の、両陛下被災地御訪問の貴記事には、同感も感じつつ違和感もそうとうありました。私たちは「モノガタリ」なしには生きられませんが、66年前まで、「欲シガリマセン、勝ツマデハ」の神風神話というモノガタリにどっぷり浸った挙句、1945年8月の核分裂の威力によって目を覚ましたのでした。「モノガタリ」の‘力’を知る、ということはその陥穽も十分に押えておくことが肝要です。
― 今般の被災地視察は、若い人たちに「行幸(みゆき)」なんていう‘古文単語’を知ってもらうのによい教材かと思っていますけれど。

反原発は当然ながら、反原発派を嘲弄する言説もネット上に跋扈していますが、今、そういったものを超えて、いちばん説得力があるのは、福島第一原発の核燃料です。
これはもう、与謝野氏ならずとも「神」と呼ぶほかありません。『続 猿の惑星』だったか、核の影響で超能力とケロイドとをさながら得た未来人は、終焉爆弾をご神体として礼拝していましたが、あの図を想起させます。

投稿: へうたむ | 2011.05.21 15:11

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