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2011.05.02

「ジラゴンノ」にてリゾート

Img_2110 年のゴールデンウィークは「ジラゴンノ」で過ごしました。本来なら昨年同様秋田に行く予定だったのですが、いろいろな事情から今年は断念いたしました。
 しかし、せっかくの連休です。少しは非日常を味わいたいと思い、静岡の両親と一緒にジラゴンノでリゾートとシャレてみました。
 いやあ、素晴らしい非日常でした。ホテルの特別室でゆったり。おいしいお食事とお酒とお風呂。最高ですね。
 ところで、ジラゴンノ…いったいどこの国でしょう。皆さんどこだと思いますか?ヨーロッパではないような…アジアかな?
 ハハハ、なんとジラゴンノは日本なのです。それも我が山梨県。そして我が鳴沢村なのでした(笑)。
 そう、今年のゴールデンウィークは村内でのリゾートなのです。まあ、村内と言ってもですね、富士山頂も我が鳴沢村ですからね。思いっきり観光地であるとも言えます。
 普通なら都会からこうした観光地に渋滞に巻き込まれながら何時間もかけていらっしゃるわけですよね。そういう方にはなんか申し訳ないのですが、ウチからホテルまで山道を行って約6分(笑)。信号は一つもありません。もちろん渋滞なんていうものはない。車とすれ違うことすらない(笑)。ストレスレスです。
 ところで、「ジラゴンノ」ってすごい地名でしょう。日本の珍地名の中でもけっこう上位に入りそうです。
 正式にもカタカナです。鳴沢村字ジラゴンノ。道の駅なるさわの周辺が古くからジラゴンノと呼ばれているのです。
 まるで恐竜かなんかが出てきそうな地名ですよね。ジラゴ…という文字の並びから、どうしても「ゴジラ」を想起してしまいますよね。
 この地名の由来についてはいろいろな説がありますが、いちおう日本語を専門に研究している私としてはですね、以下の説をとりたいと思います。
 「ゴンノ」はこの周辺に散在する「権野」や「根野」で間違いありません。溶岩流の荒れ野、草木のあまり生えていない土地を指す言葉です。実際このジラゴンノのあたりも溶岩だらけです。
Narusawa そうそう、この溶岩流はいわゆる青木ヶ原溶岩流。すなわち、こちらでも紹介した貞観の噴火の産物です。このたびの震災とよく似た貞観三陸地震&津波の5年前の噴火ですね。そういう意味ではちょっと複雑な心境にもなりました。
 写真はジラゴンノにある溶岩スパイラクル(溶岩水蒸気噴気孔)群です。世界的にも実に珍しい自然の造型です。ほかにも溶岩樹型も無数にあります。こういったものを見ますと、噴火や溶岩のスケールの大きさと恐ろしさを体感できますね。そして、1000年かけてまたこうした樹海が形成されるという、自然の生命力、復元力も感じます。まあある意味たしかに非日常的空間ですね。
 さて、「ジラ」はなんなのか。全国の方言として、つまり古い日本語の遺物として残っている「ジラ」は「盗賊」「盗っ人」、そこから転じて「嘘」「ふまじめな者」などの意味を持っています。
 もともとその「ジラ」は盗っ人を表す「白波」から来たと想像されますので、一部で言われているように「ジラゴンノ」とは「白っぽい荒れ地」を表すとも考えられます。たしかに溶岩流は波打っていますしね。
 しかし、私はもっと積極的に「盗賊」「盗っ人」の意味を取りたいと思います。以前紹介した奇書「富士霊異記」などを読みますと、この土地には戦後になっても近代化の波がなかなか押し寄せてこず、様々な「伝説的」な人々が住んでいたことが分かります。この伝説的の意味は、記憶に残るという意味でなく、本当に現実離れしているという意味です。
 そんな中、実際に街道から少し入ったところに「山賊」が住んでいたようですし、あるいは人をかどわかす妖怪(実際にはそれが「伝説的」な人間なのでしょう)が棲みついていたようです。
 ですから、「ジラゴンノ」とは、非常に直接的な意味で「山賊(盗賊)のいる荒れ野」という意味なのではないかと思うのです。
 もちろん近代化の波とともに、そうした「人間」は社会に取り込まれ、あるいは社会に疎外され消えていきました。そして「ジラゴンノ」の語源も忘れられていったと。そういうことではないかと思うのです。
 江戸の文書には「蛇野」と書いて「ジラゴンノ」とルビが振ってあるので、「ジラ」が「蛇」を表すのではないかという説もあります。実際あのあたりにはマムシやヤマカガシが多数いたと言います。しかし、「ジラ」が「蛇」を指したという記録も記憶もないようなので、ちょっと説としては無理があると感じます。まさか「蛇(じゃ)等(ら)」ではないと思いますが…。
 太郎を「タラ」と読むので、「ジラ」は次郎で「次郎権野」だという説にも無理があります。「太郎=タラ」の例は全国にいくらでもありますけれど、私は「次郎=ジラ」の例を寡聞にして知りません。開拓者の名前をつけるのはよくあることですが…。
 というわけで、今年のゴールデンウィークは富士の裾野、貞観の溶岩流上の「盗っ人の棲む荒れ野」でリゾートとシャレてみたわけです(笑)。
Img_2119 実際に宿泊したのは昨夏オープンしたばかりの「じらごんの森の館」でした(さすがにひらがな表記だな)。GW、特別室という一番高級な(?)お部屋の割にはお安い宿泊料金設定で、料理も充分満足、総部屋数が少ないので全体に落ち着いた空気に包まれている結構なお宿でした。
 皆さんもぜひ富士山観光の際にはこちらにお泊まり下さい。湖畔の宿もいいけれども、樹海の宿もなかなかヲツなものですよ。
 富士山は眺めるだけでなく、その懐に入り込んで初めて本当の魅力がわかるというものです。溶岩流から地球のパワーをもらっちゃいましょう。ついでに山賊のパワーも(笑)。

じらごんの森の館公式

参考 ジラゴンノの意味は?(鳴沢村公式ホームページより)


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コメント

私も宿泊した「じらごんの森の館」、主人と二人で「じらごん?」と?マークのまま宿泊したので、とてもいい勉強になりました!!ありがとうございますhappy01

投稿: ヤマ | 2011.05.05 19:39

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