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2011.04.16

春霞(栗林酒造店)

おくれゐてわれはや恋む春霞 たなびく山を君が越えいなば(萬葉集) 久方の天の芳山この夕 霞たなびく春立つらしも(万葉集) 春のきる霞の衣ぬきをうすみ 山風にこそみだるべらなり(在原行平) 春霞たなびく山の桜花 うつろはむとや色かはりゆく(詠人不知) くれてゆく春の残りをながむれば 霞のそこに有明の月(式子内親王)  春のこし朝の原の八重霞 日をかさねてぞ立まさりける(相模) 春霞たなびきにけり久方の 月の桂も花や咲くらむ(紀貫之)

 は空気の透明度が下がります。今日もなんとなくボンヤリ白い空でしたね。空気中の微粒子が多い状態です。
 この春霞、実は何が原因なのかはっきりとは分かっていません。要因が複合的だからです。
 微粒子と一言で表現してしまいましたが、実際には水蒸気、各種イオン、黄砂、花粉などいろいろなものが空気中に充満しているということですね。
 水蒸気が増える原理も複合的です。冬季に雪や氷という形で地上に固定されていた水分が気温の上昇とともに空気中に発散されるとか、植物の蒸散活動が活発になるとか、いろいろな原因があるようです。
 黄砂は昔から飛んできていたようですね。しかし、スギ花粉やヒノキ花粉は戦後の植林政策によるものでしょう。
 今年は特に春霞が顕著なような気がしますね。気のせいかもしれませんが。あのような大きな地震が起きたので、地殻に無数の目に見えない亀裂ができ、地中に封じ込められていた物質が噴出している可能性もあります。地震雲はそうした物質が作るエアロゾルによって発生すると言われています。
 今日も飛行機雲がたくさん発生していましたね。空気中のエアロゾルが多い状態なのでしょう。空鳴り…主に航空機の飛行音の反響…も発生していました。空全体で音が拡散せずにこもった感じになる現象です。
 ちなみに地中には自然の放射性物質もたくさん閉じこめられています。たとえばウラン。このたびの地震によってそれらが大地から漏れ出ているということもあります。計測値に影響を与える程度なのかは私には分かりませんが、そういう事実もあるということも知っているべきでしょう。
009b さてさて、今日の本題は実はこちらです。
 昨日呑んだお酒。秋田の「春霞」です。秋田の中でも特に酒造が盛んだという(つまりいいお米といい水に恵まれている)仙北市にある栗林酒造店の日本酒です。
 昨日いただいたのは、純米吟醸青ラベルでした。秋田のお酒にしては甘味が強くなく非常にスムーズに舌の上を通過していきます。お刺し身と絶妙にマッチしていましたね。ついつい呑みすぎてしまいました。
 日本酒はその味わいによって、呑む人の気分を大きく左右します。楽しいお酒、幸せなお酒、しんみりするお酒…いろいろあります。この春霞はずばり楽しいお酒でした。
 ところで、栗林さんのホームページにもあるように、「霞」という言葉は「酒」そのものを表す場合があります。15世紀の文書に「霞を飲む」という表現があります。当時の酒はいわゆる濁り酒ですから、白く濁った感じが「霞」のようだったのでしょうね。澄んだ水に対する濁った酒ということです。
 仙人のような浮世離れした生活のことを「霞を食う(喰らう)」と表現しますが、これももしかすると本来は「酒を飲む」という意味かもしれません。
 私もいずれリタイアしたら「霞を喰らう」生活をしたいものです。とりあえず、日本酒大国(?)秋田のお酒を頑張って飲み尽くしてみたいなあ。

栗林酒造店
 
春霞 純米吟醸『青ラベル』1800ml[日本酒/醸造元:栗林酒造店/銘柄:春霞]1117PUP10

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コメント

☆^^☆先生、こんにちは♪いつもありがとうございます。
きちんと自己責任で行動しています。
万葉集 大好きです。

♪ 日本中 人の心は 春霞 ♪こんな感じでしょうか。

なんとなく、先が見えなく霞んだ状況のココロもちの人がおおいですね。
でも、日本酒「春霞」を飲んで一瞬でも 人の心が明るく元気になるといいですね!
国語の先生~採点はしないでくださいね(笑)(*^^)v

投稿: 山中湖 | 2011.04.17 11:45

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