追悼 出崎統さん
日本のアニメの歴史を語るのに欠かせない存在であった出崎統さんが亡くなられたとのこと。非常に残念です。
鉄腕アトム、ムーミン、あしたのジョー、ルパン三世、国松さまのお通りだい、赤胴鈴之助、ど根性ガエル、ジャングル黒べえ、エースをねらえ!、空手バカ一代、侍ジャイアンツ、はじめ人間ギャートルズ、ガンバの冒険、元祖天才バカボン、まんが日本昔ばなし、まんが世界昔ばなし、ベルサイユのばら、あしたのジョー2…。
作画や監督・脚本・演出など関わった作品を挙げるだけでも、どれほど私(たち)の人生に影響を与えたか分かるでしょう。
今日はある意味私らしい彼への追悼動画をアップさせていただきます。
出崎さんを語る上で必ず登場する止め絵や静止画のパンニング。それを押井守さんが「うる星やつら」の中でパロったシーンです。
以前私も記事として紹介した「第66話 ニャオンの恐怖」です。
今日はそのクライマックス、野良猫のトラジマとあたるの決闘シーンをご覧いただきましょう。
上の記事にもありますように、この回は唯一押井さんが脚本、演出、絵コンテ三役全てを手がけた作品だそうです。それだけ出崎さんへの強い思い(どういう思いかはわかりませんが)があったのでしょう。
常に個性を求め、新しい技術に挑戦し続けた(続けている)お二人にしか分からない世界があるのかもしれません。その思いが作品化するとこういうことになってしまうというのをとくとご覧下さい。
それでは、こちらをクリックしてください(現在視聴不可能になっています。あとで調整します。すみません)。
二人の天才の技が合体し、とんでもなくダイナミックな表現を生んでいますね。今こういうアニメってあるでしょうか。変なところに手間かけてますよね(笑)。
出崎さんの本格的な作品として最後を飾ったのは、おそらく「源氏物語千年紀Genji」でしょう。私はこの作品全部は観ていません。源氏には特別の思い入れがあるので、こういう映像化には抵抗があるからです。しかし、そんな私情を抜きにすると、これはたしかに世界に誇るジャパニメーションの一つの極点でありましょう。止め絵とは対照的に、細部に亘ってある種のリアリズムを追究していますね。いや、これはフィクションを極めているのかもしれない。いやいや、両者は極点では一つになってしまうのでしょうか。
きっと彼はあの世でこんなような世界を実際に体験しているかもしれませんね。ご冥福をお祈りします。
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コメント
まだお若いのに非常に残念なことです。
個人的に出崎統さんらしさ炸裂! と思っている作品は、「ガンバの冒険」や「宝島」ですかね。(話はそれますが、両作とも主題歌がまたすばらしい。)緊迫したシーンでの劇画タッチの止め絵には毎回やられていました。特に年少期の私には「ガンバの冒険」の巨大な敵「ノロイ」の恐ろしさなど、ほとんどトラウマになったといえるほど。後から冷静になればただのイタチなんですけどね。(笑)そうそう、登場するキャラクターの「イカサマ」に憧れて、いつもサイコロを二つポケットに忍ばしているような小学生でありました。
はぁ、残念です。
投稿: LUKE | 2011.04.19 17:56