考えよう一人一人・がんばろう一人一人
今日も福島や茨城、千葉、長野などで大きな地震が相次ぎました。
地震の活動にはいろいろなスケールでの周期性があります。くしくも11日から大きな地震が連続しましたね。このように大地震が発生してちょうど1ヶ月後に再び地震活動が活発化することもよくあることです。おそらくは月と地球の位置関係、すなわち潮汐力が関係しているものと思われます。
気象庁や専門家は今頃になって「まだ数ヶ月、いや1年以上続く」と言い始めましたが、そんなことはとっくの昔に分かっていたことです。ことが起きてから遡って言及するようでは遅い。原発のレベル7なんかもそうです。全て後手後手。正直呆れてモノも言えません。
昨日も書いたとおり1000年に一度あるかないかの大変革が起きたのです。私たちはそれをもっとちゃんと認識しなければいけません。その影響は日本列島全体に及びます。
今日はそれをヴィジュアル的に確認したいと思います。
3月11日の地震のスケールの大きさを実感していただくために次のアニメーションをご覧ください。これは全国1000箇所に設置された強震観測装置のデータをヴィジュアル化したものです。赤が最も強い揺れを、青が安静な状態を表しています。
上の画像はその一枚、地震発生から2分後、まさに地の振動が広がりつつある瞬間をとらえたものです。これを地震発生から、九州まで地震波が伝わるまでをアニメーション化したものがありますので、ご覧いただきたいと思います。時間を10倍速にしてあります。こちらをクリックすると見られると思います。
いかがでしょうか。このたびの巨大地震がいかにとんでもないスケールのもので、そして、とんでもないエネルギーを持ったものであったかが実感できるのではないでしょうか。まさに日本列島全てが震えました。
続きまして、次の画像をご覧下さい。クリックすると大きくなります。
これは巨大地震後の地殻変動を表したものです。もちろん矢印の長さは極端にスケールアップされたものですが、こうして見ると、日本列島にどんな力が働いて、日本列島がどのように動き、歪められたかがよく分かると思います。
ものすごいスケールでとんでもないことが起きたのだと気づかされますね。
このようなことの上に現在の地震や原発事故が起きており、今なお進行中なのです。そして私たちはその大地の上にこうして危うい文明生活を送っているわけです。
何度も書くように、必要以上の心配やマイナス思考を促しているわけではありません。こういうスケールでの感覚を取り戻してほしいのです。
本来私たち人間をはじめとする生物には、こうした「モノ」スケールでの感覚や発想が備わっていたです。しかし、近代化とともに、私たちはそうした自分の中の大切な「モノ」を失ってしまいました。
科学や学問や教育や社会や貨幣経済や、そういった「コト」世界で、大地や自らをコーティングしてしまっていたのです。今回、大地からはそれらが一気にはがされてしまいました。それを修復しようとすることももちろん必要ですが、そこに立ち現れた「本質」にも目を向けなければならないと感じます。そして、身ぐるみはがされた自分たちの内側も見つめ直さねばならないでしょう。
どうも最近の日本人はそういうことが苦手なようです。たとえば東京一つとっても、ここ100年ほどの間に関東大震災、東京大空襲と、二度その薄皮をはがされた経験を持つにも関わらず、その後も本来の都市計画などほとんど行われずに、ただただ復興復興のかけ声の下、再び危うい都市を築き上げてしまいました。
今回はいろいろな意味で私たちが本来の「モノ=自然」との関わり方を考え直さなければなりませんね。被災者の方々のことを考えた上で、これを一つ大切な「きっかけ」にしなければならないと強く思います。
「がんばろう日本」と言うのも結構です。「一つになろう日本」とかけ声をかけるのも結構です。しかし、それぞれの言葉に先立って「考えよう日本」がないと、また同じ轍を踏むことになりかねません。
このたびの大震災、大人災を後世に生かすには、「考えよう一人一人」、「がんばろう一人一人」なのかもしれません。
PS 原発の現状について。こちらもとんでもないことが起きているという認識を。
京都大学原子炉実験所小出裕章さんの解説
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コメント
はじめまして、先日富士山の地震についてネットを徘徊していたらこちらに辿り着くことができた甲府市民です。
多方面に渡る記事が興味深く時々お邪魔させていただいてます。
考えよう日本、いいスローガンですね。
私はがんばろうという言葉が、どうも気になっていて…日本人の気質には「がんばろう」より「負けない!」のほうが合ってるんじゃないかとか、CM観るたびに感じていました。
そして地震や原発の事故をきっかけに、エネルギー問題に天気、小さい子供がいるので特に被曝が気になり、小学校ぶりにキュリー夫人の伝記まで図書館で貸りて読んでみたり…
*ただしすべて小中学生向けの本です(^o^;
ウラン燃料さえ半世紀で尽きるということを知りショックを覚えました。
再利用したくなる流れだけなら理解はできます。
使い終わってから50年も冷やし続けなくてはならないほどのものを、人間がこの先うまく制御していけるのか気になるところです。
ということで主さんの考えよう日本に一票!
ながなが失礼しました。
投稿: もち | 2011.04.14 01:55
今回の東北関東の大震災でお亡くなりになられた方と そのご家族のみなさんに心からお悔やみ申し上げます。災害に遭われた東北の各都市は、今度こそ世界の人が目を見張る、立派な防災都市に生まれ変わる必要があります。さすれば、観光の名所にもなるでしょう。世界遺産にもなるでしょう。はたして、この国には、この目的を成し遂げるためにふさわしい有能な政治家と、計画都市の設計者はいるのであろうか。壊滅状態にある地方都市に、世界観とマスタープランを堅持した有能な政治家は育っているのであろうか。我が国民は、防災に弱い家を建てる大ブタか、中ブタか、それとも、強い小ブタであろうかが判明するときであります。国民は、自分の体に見合ったサイズの政治家を選ぶものでしょう。我々は、ひ弱な花ではなくて、偉大な国民になろう。今回の大震災を好機ととらえて (復旧ではない) 復興に邁進しよう。
http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812
子供の時から思い込みが強いほうで、損ばかりしている。
子供のころは、「日本は必ず勝つ」という軍国主義の神話を教えられ、それを固く信じていた。
この軍国主義は、原爆であえなく崩れ去った。
戦後は、「平和利用の原発は絶対に安全である」という原発主義の神話を教えられ、それを信じていた。
この原発主義の神話は、今回の東日本大震災であえなく崩れ去った。
何せ、我々は、丸暗記と受け売りの学校教育しか受けていないので、問題の解決能力はない。
だが、事態を台無しにする力を持っている。だから、世の中は難しい。
この無軌道が我が国を迷走させる原因となっていて、自分自身にとって危険なものになっている。
投稿: noga | 2011.04.15 21:22