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2011.02.20

珍しく地上波を観ました…が

20elp 日は久々に一日家にいまして、珍しく地上波の番組をいくつか観ました。
 相変わらず地デジ化には大反対なワタクシ…というか、基本うるさい民放地上波はほとんど観ないので、結果としてまあどうでもいいという感じになっているんですが…娘たちも最近ポケモン熱が下がってきましたしね。
 ところが、今日はどういうわけか朝から東京のアナログ波にチャンネルが合わされていまして、普段見ない番組をつくか見ることになって、それで結構感動したり、腹が立ったりいろいろしたわけです(笑)。
 まず、本当に久々に「題名のない音楽会」を観て聴きました。これが、なかなか良かった。感動すらしてしまった。
 今日のテーマは「クラシックmeetsロック~新作!プログレ交響組曲」。EL&Pの「タルカス」を吉松隆さんがオーケストラ用に編曲したものを、佐渡裕さんの指揮で東京フィルハーモニー交響楽団が演奏。吉松さんの苦労のあとが痛々しいほどにわかる名演でありました(笑)。
 うむ、山田五郎さんも佐渡さんもプログレ・ファンだったんですね。私もそういう世代ですし、今まさにロックとクラシック両方に興味を持ち、両方演奏しているのは、たしかにあの時代のプログレのおかげであります。
 ですから、こういうロックをクラシック風にというか、オーケストラ用に編曲するというのは、案外私たちにとっては古典的なチャレンジであって、特に目新しいことではないんですよ。どちらかというと、その無理さ加減をよく知っているので、ちょっと気恥ずかしいくらいなんです。ですから、それ自体はそれほど感動ではありませんでした。もちろん悪くなかったし、生で聴いてみたいとは思いましたが。
20110220_203450 それよりですね、そう、元メガデスのマーティ・フリードマンのエレキギターによるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番第3楽章が良かった!素晴らしい!これこそ生で全曲聴きたいですねえ。
 これはかっこいいというより、結構納得でしたよ。ラフマニノフは19世紀から20世紀をまたぐロシアの作曲家です。彼の作風はもちろん西欧ロマン派のそれを逸脱するものではありませんが、一聴してわかるとおり、非ヨーロッパ的な独特のメロディー感覚を持っているのは事実です。それが、やはり非近代ヨーロッパ的な要素を内包する、つまり中世的とも言えるヘヴィメタと、実にすんなりとマッチしてしまったのですね。これは私にとって、実に大きな発見でありました。なるほどねえ。しかしまあ、マーティうまいわ。ギターも日本語も(笑)。
 そして夕飯時、ちょうどカミさんと英語教育論議をしているところでした。とんでもない番組が始まり、びっくり仰天、とういか呆れて開いた口が…。
 今日カミさんが教育評論家の尾木直樹さんの講演を聴いてきて、そしてちょっとした、というか、いつもの違和感を持って帰ってきたところだったんです。すなわち、とにかく日本人は英語をちゃんとやらなきゃダメだという話に対する違和感であります。
 子どものための英語教室をやっているカミさんは、世の英語(英会話)幻想と闘うためにあえて英語教室をやっているとも言えるのです。私も独特の英語教育観を持っており、それを中学校の教育方針の根幹の一つにしています。先日も学校を訪れたZ会の方に何時間もお説教しちゃいました(笑)。まあ、そのあたりについては、今までも何度も書いてきましたし、また近いうちに書くことになるでしょうから、今日は割愛。ま、とにかく、英語(外国語)なんか必要であればそれなりに必要なだけ身につくという簡単な理論です。
 逆に言えば、「英語」ができれば、国際人になれて、世界的に活躍できるなんていうウソに惑わされないでもらいたいという考えです。英語ができる…なら、全てのイギリス人やアメリカ人やオーストラリア人は素晴らしい国際人で世界的に活躍できることになってしまうということですよ。そんな簡単なことも分からなくなっている日本人はいったい…。
20110220_210616_2 そんなことを熱く語っていたら、ちょうどTBSで「夢の扉〜日本の未来を救う英語教育」が始まったんですよ。だものだから、それこそ噴飯してしまいました(カレーが噴出)。
 紹介されていたのは、地元富士河口湖町のマ○ア国際幼稚園。地元の同業者ですから、まあ裏や表や、いいところ悪いところ、いろいろ言いたいことはありますが、今日はただ一言だけ。これが全てを表しているでしょう。
 代表、インタビューで「選択肢」を「せんたくわざ」って言いましたね!!それも2回も!!おいおい、英語うんぬんより、まずは日本語をしっかりしなさい…ってか、小学生の娘でさえも呆れる教養のなさ。こんなところに我が子の教育をまかせらまれすか?私にはそんな勇気ありません。日本を救うですと?TBSさんもしっかり編集した方がいいですよ。はずかしいし、なんだか可哀想でした。
 この番組を観ていた静岡の両親からも嘆きの電話がかかってきました。「英語が公用語の国際教育村(英語漬けの国際村)」を作るなんて、まるでオ○ムやヤ○ギシ会みたいなことにならなきゃいいんですが…。まあ、山梨の困った公教育事情を考えれば、同じ私学として協力し合う必要があるとも思いますけど、これじゃあとりあえず無理ですね。
 おっともう一つ。「カリキュラムも時間割もない」って…あなた、認可取り消しますよ。それをやりたければ、私塾としてやってください!!
20110220_210701 そのすぐあと、興奮さめやらないうちになんだか変なバラエティー番組が始まったぞ。そして…おお!こちらには素晴らしい教育者が!ww
 「気合いだ!」を918回連続叫んだアニマル浜口先生。英語なんかより、こっちの方がずっと大切です。こういう「魂」を学んでもらいたいですね(なんて、これはこれでかなり偏ってるか…笑)。
 いや、冗談でなく、折れない心や義侠心、そして馬鹿になれる(純粋に一生懸命になれる、なりきる)こと、またユーモアこそ、国際人として必要なものではないでしょうか。
 ところでところで、この番組観ていて一つ面白かったことがあったので書いておきます。
 なんだか「このものまね芸人は実在するかしないか」みたいな、くだらない(面白い)コーナーがあったんですけど、そこで、「どんなときも槇原」という架空の芸人さんが「登場」した時(つまり、幕が開いたら誰もいなかったわけですが)、司会のロンブー淳が「いらっしゃいません!」と言ったんですね。
 おお、そうかぁ、実在しない「人物」に対しても「敬語(尊敬語)」を使うのか、日本人は!ww
 面白いですねえ。この感覚は英語にはないだろうなあ。日本語は面白い、日本人は面白い。つくづくそう思いましたね。
 たまには、こうして民放地上波を観ていろいろ考えるのも楽しいものです。しかし、あと数ヶ月後には、ウチでは、フジテレビ系、テレビ朝日系、テレビ東京系は観られなくなります。今のうち、たっぷり観ておこうかな…いや、もういいや。総務省と戦うのもちょっと疲れました(苦笑)。みんな逃げ回っていて、まともに話してくれないものでして。

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コメント

選択わざですか!!凄い離れ技!!深夜に爆笑してしまった…二階の大家さんに聞こえたかも。

投稿: 能楽師(見習) | 2011.02.21 01:07

夢の扉はわたしも観ていて、まさにヤマギシ想像しましたね。子供達の英語もカタコトだったし。
気持ち悪くなってチャンネル変えましたが、そんなに日本語が不自由な人なんですね。怖いですね。

投稿: チエ | 2011.02.21 01:33

先生お久しぶりです!(毎日読んでます)
英語…中学時代の先生は貿易会社出身の「生きた英語」の使い手で、授業中も「こんな挨拶普通しないよ(笑)」と、教科書批判(?)してました。
英語は好きじゃないけど 先生の授業は好きでしたね〜。
英語 喋れたら良かったのに〜って思ったこと…ないですねf^_^;
ピアノやっときゃ良かったとはしょっちゅう思ってます。

投稿: さお | 2011.02.23 13:38

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