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2011.02.17

フジファブリック 『Stockholm』

Gedc0209

 がようやく積もりまして、冬景色になったと思ったら、今日の夜から大雨の予報。やはり温暖化でしょうかね。本当にこの極寒地は住みやすくなりました。まったく温暖化万歳!であります(笑)。
 しかし、こうして真っ白い街並みと「濃い白」をかぶった富士山を見ますと、なんとも特別な感情が湧いてくるものです。
 痛いような、それこそ凍てついた空気や、人の歩みを妨げる雪が、人間的な温かさや活気をコーティングしてしまうからでしょうか。あるいは、人間の醜い部分や汚い部分をも覆い隠してくれるからでしょうか。どこかピュアな気持ちになるのも事実です。
 フジファブリックの印象的なアルバム『CHRONICLE』は、北欧スウェーデンのストックホルムでレコーディングされました。
 どのような理由があって、その地が選ばれたのか、詳しいことは分かりませんが、やはりこのアルバムにふさわしい場所であったと、今になると実感できます。
 音楽家にとって演奏する「場」「土地」「空気」というのは、非常に重要なものです。録音においては、その意味はさらに大きくなるというのも事実でしょう。
 このアルバムの独特の透明感に満ちた音は、間違いなくストックホルムの空気が作ったものであり、それは、ある意味ストレートすぎるほどの痛々しさに溢れた志村正彦くんの詩の世界と、絶妙にマッチしていたと言えるでしょう。
 ストックホルムと富士吉田。実際に両者には深い部分での共通点があるように思えます。体は北欧にあっても、心は富士吉田に帰ってきていたのかもしれません。
 彼の生まれ育った富士吉田の冬は、まさに彼の心の表面の部分を覆い、そして核心の部分をえぐり出すものだったのかもしれません。ここに住む者として、ここの冬の独特の厳しさと暗さ(実際には晴れて明るいのですが)と、不思議な純粋さについては、私も充分に理解しているつもりです。
 ストックホルムで志村くんが作った、シンプルでピュアな詩と曲『Stockholm』。この曲を聴くたび、私は、ストックホルムの冬景色ではなく、ここ富士吉田の冬景色と空気と気持ちを追体験するのでした。
 ニコ動に歌詞付きの動画がありましたので、どうぞ。

 静かな街角  辺りは真っ白    雪が積もる 街で今日も  君の事を想う

 誰かが作った
 雪だるまを見る

 雪が積もる 街で今日も
 君の事を想う

 私はこの曲のタイトルを勝手に「Fujiyoshida」に変えさせてもらいます。あまりにすんなりこの風景に溶け込む詩と曲だからです。
 そにれしてもですね、いちおう音楽や文学をやっている者として、このシンプルさは恐ろしくさえありますね。これをこのある種重厚なアルバムの最後に持ってくるあたりに、彼の究極の気持ち…それはたぶん「やりきれないほどの懐かしさ」であると思うのですが…を感じずにはいられません。
 帰ってきたかったのかなあ…。


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コメント

クロニクルツア-は、意外に
この曲からスタ-トしてるんですよね。
DVD化してほしいなぁ~( ̄○ ̄;)

この曲を聴くたび、すごく気持ちが引き締まります。

投稿: なじゅ | 2011.02.18 14:44

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