追悼 ゲイリー・ムーア
驚きました。昨年本当に久しぶりに来日して、相変わらずのプレイを披露していただけに残念でなりません。
サラリーマンNEOの「セクスィー部長」のクライマックスに必ず流れるこのsexyなギターが、実はゲイリー・ムーアであったことを、皆さん御存知でしたか?
このライヴもすごいですね、「ため」が。ためすぎでしょう。セクスィー部長を演ずる沢村一樹さんのセリフ回しも当然この「ため」の影響を受けたものです。
この「パリの散歩道」での「泣き」や「ため」を受け止めているのが、言うまでもなく銘器ギブソン・レスポールです。上の映像は1959年製Standardでしょうか。ギターにはあんまり詳しくないので自信はありませんが。
レスポールと言えば、フジファブリックの志村くんもレスポールを愛用していました。ロック・ギタリストはみんなそうですが、楽器へのこだわりというのは、ある意味クラシックの演奏家以上のものがありますね。
私も志村くんのギターに触れる機会がありましたけれど、なんというか、むやみに触ってはいけないというか、触らせないというか、ギター自身からそういうオーラが出ていましたね。特に、私はギタリストではないので、そういう理由もあるのかもしれません。あれってなんなんでしょうね。私も、たとえ安物ヴァイオリンであっても、全く弾けない人にはあまり触ってほしくない。道具というのはなんでもそうか…。
ところで、レス・ポールさん自身も2009年の8月に亡くなっているので、今頃、三人で、いやもっとたくさんのミュージシャンが集ってギター談義でもしているかもしれませんね。それはそれで楽しそうです。
それにしても、こういう演奏を聴きますと、エレキギターの発明というものが、音楽史においてピアノの発明以上に大きな意味を持っていることを感じずにはいられません。ピアノは鍵盤という縛りのために、どうしてもデジタル的な表現しかできません。音程一つとっても。その点、エレキギターは、非常に近代的な工業製品でありながら、前近代的な、すなわちクラシック音楽以前の様々な表現の可能性を復権させました。エレクトリック・ギターがなかったら、いったい現代の音楽界はどうなっていたでしょう。
「泣き」一つとっても、たとえばヴァイオリンなんかより、ずっと表現力があるんです。心に訴えかける何かがある。私は生まれかわったらギターを弾きたい。いつもこう言ってきました。今でもその気持ちは変わりません。なんでヴァイオリンにしちゃったのかなあ…(笑)。
と、そんな魅力的なエレキギターの、その新たなる可能性を発見、発明したゲイリー・ムーアさんの功績にあらためて敬意を表し、そしてご冥福をお祈りしたいと思います。
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