「13歳のわたし」集会
涙、涙。
生徒の前で泣いたことのない私が、今日はたまらず号泣してしまいました。
今日、我が中学校で、保護者の皆さんに生徒たちの成長を見ていただく「13歳のわたし」集会が開かれました。これ、実は私の思いつきで急遽催されたものなんです。
なんと、実施を決めたのは3日前。生徒は2日間しか準備の期間がありませんでした。普通に考えれば、このような無計画な教育活動は許されざるものかもしれませんが、「機を見てアドリブで臨む」を座右の銘にしているワタクシとしては、逆に大きなチャンスだと確信していました。
それが、こういう形で、まさに大成功、大団円で終わるというのは、これはもう、わがままな教頭の突然の思いつきに「え〜!?」とも言わず、普通についてきてくれる、生徒、保護者、そして先生方のおかげですね。
それにしても、いったいどういう13歳、中学1年生なんだ!?こんな、ある意味メチャクチャな「事件」を実に楽しみながら準備していってしまう。そして、ほとんどいきなり本番。アドリブあり、ハプニングあり、機転あり、ユーモアありで、全く予想以上の成果をあげてしまう。
本人たちはそれほど意識していないかもしれませんが、正直、君たちはすごいよ!
1時間にわたり、クラス、クラブ、勉強、その他いろいろな成果を一つ一つ発表していきます。全員が主役です。もう途中から、保護者の方々も、我が子の成長ぶりにハンカチを手放せなくなっていました。和やかな笑いと感動の涙、両方がうまくミックスされた素晴らしい時間と空間でありました。
最後の合唱と応援では、その純粋な一生懸命な生徒の姿に、私もカメラを回しながら、ついつい涙腺から塩水が…。
いつもお世話になっている大ベテランの先生にも大感謝です。私のとんでもないタイミングでの思いつきに心から賛同してくれて、そして、ほとんど全てのプログラムをそれこそ瞬時に作ってくれました。それも、全ての生徒が主役になれるように。経験のなせるわざですね。
そのおじいちゃん先生もおっしゃっていました。公立で37年間熱い教育活動をしてきた方ですが、こんなすごい生徒や、こんな「いいかげん」な先生は見たことがないと(笑)。
よくその先生とも話すんです。最近の教育現場は、事前のリスクヘッジにばかりエネルギーを使っていて、臨機応変さに欠けると。相手は生き物ですから、予定通り、予想通りいかないのは当たり前なのに、生徒たちをとにかく枠にはめて、安心・安全にことを進めることばかりに専念すると。
今日、私も泣きながら生徒と保護者に話させていただきましたが、人間の成長には条件があると思うんですね。ベースに「安心」「喜び」「平和」があって、その上に「悩み」や「苦しみ」や「葛藤」や「衝突」があった時にのみ、人は成長できるのです。
13歳と言えば、肉体的にも最も成長をする時期です。そこには、当然「成長痛」や「筋肉痛」が伴うじゃないですか。それと一緒で、心、精神面においても、「成長痛」や「筋肉痛」が必要なのです。
しかし、世の中の大人、特に親は、そんな心の「成長痛」や「筋肉痛」にも、過度の心配や過度のケアをしてしまう。学校もそうした「痛み」が起きないようにリスクヘッジに奔走する。それはどこか間違っていますよね。
私たちの学校では、そこに対しては、ある意味かなり昔風な教育を施していると思います。生徒が「痛み」を感じている時こそ、チャンスだととらえています。極端な言い方をすれば、「よしよし、いいぞ、いいぞ、もっともっと悩め!そして乗り越えろ!」と、そう考えて、ある程度の距離からサポートするのです。
これは、親や自分たち教師においても同じなんですね。人生は常にそういうものでしょう。リスクをおかさねば新しい世界は開けません。虎穴に入らずんば虎児を得ず。
実は、今回の思いつき、ちょっと前に紹介しました、アルボムッレ スマナサーラ長老の『13歳へ〜よい親も、よい先生も、あなた次第』からヒントを得たものです。そう、そして結果として、13歳の生徒たちのおかげで、私たち親も先生もしっかり成長させていただきました。ありがとう。
まあ、それにしても、あの涙の連鎖をなんだったのでしょうね。特に、若い担任の先生の涙には、私も保護者も、そして生徒たちも驚いたのではないでしょうか。思わず「卒業式みたいじゃん!w」と言ってしまいました。それほど、「愛」をもって生徒たちに接しているということでしょうね。
私も、高校の担任をしていた時には、卒業式でも全く泣けなかった(キャラ的なものもあるかな?)のですが、今回はなぜか涙を抑えきれませんでした。ふむ、中学の先生のやりがいや楽しさを、まさに生徒たちに教えてもらった気がしますね。本当にありがとう!
また、来週から頑張ります。生徒に負けないように成長するぞ!
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コメント
素敵にな生徒さんであり、素敵な学校であるのに感激しました。私は10年間、中学と高校で講師をしてきましたが、どこも何もかも枠にはめてしまっていて、堅苦しく感じていました。理想と現実は違うものだなと思ってきました。でも、あったんですね、私の理想とする学校が、ここに。私もこのような学校で働きたいと切に願います。
投稿: ice blue norm | 2011.02.20 22:19