『なんだか人が恋しくて』 山田太一脚本作品 (1994年 NHKドラマ)
ごめんなさい、時間がないものでして、今日も思い出しネタです。
写真は、今日のニュースにあった「ミューズ」という熟女アイドルグループ。この中の石野真子さんに関する話題。しっかし、みんなキレイですなあ。まさにリアルタイムで彼女たちを共有した世代としては、こういう熟女の魅力もまた、正直「萌え」ですね(笑)。
で、石野真子さんを久々に見て思い出したのが、これ。いや、もう15年以上前のドラマですか、ここでも真子さん、人妻役でした。それがねえ、なんとも切ないんですよ〜。
この山田太一ドラマ、たった一度の放送しかなかった幻の名作です。そして、これもまた私、ビデオをなくしてしまいました。妙にまた観たくなっちゃった。
1994年の3月、土曜日の夜でしたかね、たまたまテレビをつけたら始まったのです。サブタイトルが「校則に厳格な女子高教師が旅先で…」(笑)。思わず観てしまったのです。
まあ、自分も高校教師でしたし(校則に厳格ではありませんでしたが)、ま、なんと言いますか、私もいちおう若い男性独身教師でしたから、こちらに赤裸々に書いたように、まあいろいろないことはなかったわけですよ(笑)。
1994年3月の私は、ええと29歳ですね!おお、ぎりぎり二十代!
まあ、そんな自分の状況でもありましたら、このドラマはある意味ひとごとではない問題作だったわけです。
このドラマ、現役の高校生どうしの不器用な恋愛に、その女子高生と敵対する生徒指導の先生の「過去」が見事に絡まっていって、そして最後は、それぞれお互いの立場を超えてヒューマニズムの次元でわかり合うという内容です。
この先生、平田満さんが演じていたんですが、その平田先生、今は人妻となっている石野真子さん演じる教え子が、まだ高校生として在学中、彼女と禁断の恋に落ちてしまっていたんです。しかし、二人は彼女の卒業とともに別々の道へ…。で、先生も今では普通に結婚して家庭を持っている。
しかし、ひょんなことから、その教え子か離婚したことを聞きつけて、そして我慢できず、学校をサボって会いに行ってしまうのです。まあ、今で言えばプチ不倫ですし、先生と生徒ということも含めれば、まさに禁断の恋。
そしてそして、運命のいたずらか、たまたま教え子である女子高生の「恋」、「初体験」に同行することになってしまうのです。すごい内容ですよねえ。
しかし、そこはさすがNHK、いやさすが山田太一。ある意味異様に純粋な「恋」模様が展開していきます。
うん、クライマックスでの、石野真子さんの涙はたまりませんねえ。そう、久しぶりに初恋の相手である先生に会った時、流れた涙。そして、こぼれた言葉…。切なすぎます。
いやあ、さすが山田太一さんですよ。なんで再放送しないのかなあ。たしかに、時代ということで、出だしからして「ポケベル」ですから。今放送したら笑ってしまうのかもしれませんね。
今考えてみますと、1994年の石野真子さん、再婚していた頃なんですよね。81年に長渕剛さんと電撃結婚、しかし83年離婚。その後90年に再婚。
このドラマでも、実は実生活と同じような役を演じていたのです。クライマックス、妙に屈強そうな新しい旦那さんが、先生の前に現れ、はかない「夢」を残酷に打ち砕く…いや、「純愛」は「純愛」のままで、「不倫」にならないですんだのです。
高校生の不器用な恋愛と並行することよって、大人の「純」と「不純」、「夢」と「現実」が浮き彫りにされるという、なかなか秀逸な脚本でありました。
う〜む、昨日の「この窓は君のもの」に続いて、妙に再見したくなりました。どこ行っちゃったのかなあ、両方とも。地下室探してみようかなあ…。
両作品ともぜひともDVD化してほしい。お願い!
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