『1ミリ先の未来~ドキュメントAKB48~』 (岩井俊二制作総指揮 NHK)
八百万の神。日本的偶像。神仏習合。和光同塵。
今日は家族で浅間神社めぐり。まずは年賀状を撮影した北口本宮冨士浅間神社(上浅間)を参拝。参拝客が列をなしていたので、いつも参拝している我らは、順路を逆に回って本殿の周囲の神様に新年のご挨拶。
国つ神から天つ神、はては人間から動物まで、まあいろいろな神様がいらっしゃいますね。まさに八百万の神です。
いちおう浅間神社の御祭神の中心におられるのは、いつも書いているように女神であるコノハナサクヤヒメさんですね。
最近の女性が強くなったのは、女性神の復権の象徴かもしれませんね。我が家でも3:1で女の方が強い(笑)。女性神が強くなる時代は「変革の時代」です。
富士山の祭神も太古は男性神だった可能性があります。それが、かぐや姫、富士浅間大菩薩、大日如来(天照大神)を経て、木花咲耶姫に変遷してきました。
そして今、何が起きようとしているのか、研究中であります。分かり次第、報告いたします。
写真は、本殿真裏の恵毘壽社で恵比須顔をするウチの山の神とその娘神たちであります。後に見える神像は、大国主神(だいこくさま)と事代主神(えびすさま)です。「ゑびす」は、実に不思議な神様ですよね。ここでは事代主様になっていますが、ほかにもいろいろ比定される神様がいます。ま、ありがたければなんでも良かったのでしょう(笑)。そういうキャラですし。
そのあと我々はおみくじを引いたり、甘酒を飲んだりして、ここ北口本宮をあとにしました。さあ、ここからは富士山の真裏の浅間神社に参ります。
北口本宮の真裏、富士山頂を挟んで反対側は、富士宮の富士山本宮浅間大社(大宮浅間)ではありません。私たちは、実は大宮浅間にはほとんど行かないんですよ。そのかわり、村山浅間神社、すなわち冨士根本宮に参拝するんです。
ここは最強ですよ。神道、修験道、密教なんでもありなのもすごいのですが、その神気というか、異様なまでの霊力はすさまじいものがあります。一見地味ですが、実は静かに最強の神社なのであります。私は昔から好きで、時々訪れております。
ここについては3年半くらい前に記事にしていました。こちらをご覧下さい。
さてさて、神様の気をたくさん浴びて元気になった私たちが帰宅して観たのが、この番組。昨日の深夜というか、今日の0時から放映されたのを録画しておきました。
これぞ、現代の「女神」たちですね。
宗教的に言えば、まさに八百万の女神。80年代までの、比較的一神教的なカリスマ・アイドルの時代から、おニャン子という身近な神、そしてモーニング娘。などを経て、ついに国風文化のメッカ秋葉原から、こういうある意味庶民的な八百万アイドルが誕生しました。
面白いですね。私、はっきり言って一人も名前が分かりませんでした。AKBで知っているのは、今やAV女優となってしまった、いや行方不明の(?)中西里菜ちゃんだけです(笑)。いや、それは冗談ではなくて、彼女が出たNHKの「一期一会」、けっこう好きだったんですよ。録画して生徒にもよく見せていました。あんなに頑張って夢を追いかけていたのに、いったい何があったんでしょうね。
あの頃はまだ48人いなかったんじゃないかな。今や、派生グループの研究生まで含めれば200人を超えているとか。まさに八百万状態です。で、分かる人には、どれが誰か分かる、しかし、我々凡人には、まあどれも同じように見えて、まあなんだか可愛ければそれでいいという状態。まさに、これは私たちが神様に対する意識と同じですよね。かなりのマニアでなければ、神様の見分けなんかできませんよね。
それでいいんです。私はそれでいいと思います。一神教的でない、こういう緩い、しかし一方でマニアックな(オタク的な)、偶像と大衆との関係。平和の鍵だと思います。
AKBを象徴する漢字が「神」いやいや「ネ申」だというのも面白いですね。ストレートに「神」とすると、ちょっと近寄りがたくなってしまう。それを意図的に解体して記号化してしまうというのは、実は日本人の得意とする技なんです。
それにしてもですね、一種の大衆化がここまで進むと、逆に心配にもなりますね。だって、このドキュメンタリー、ずっとみんな泣いてるんだもの。なんというか、学芸会というか、女子校の学園祭というか、そういうあまりにベタな世俗性が感じられたんですよね。
いわば「青春」なんですよ。青春自体が偶像化してしまっている。これは実に憂慮すべきことだと思いました。
こうした芸能やスポーツの「学芸会化」は、ある面では、大衆の活性化につながりますが、行き過ぎると、「神」の権威逓減を招きます。プロレス界なんかそうでしょう。シロウトばっかりになってしまって、本物の闘いがなくなってしまった。
そういう意味では、最近のK-POPなんか、大衆化しつつ、個々のプロ意識が高いため、また、国家的な戦略があるために、非常に健全な形で布教できていると思います。このままでは、またまた外来の神に侵略されちゃいますよ。頑張れ、現代の国つ神。
というわけで、なんか話がでかくなっちゃいましたけど、まあ、変わり者の私にとっては、神社もAKBも全く同じ世界に見えるのです。変ですかね(笑)。武道館で歓声(怒号?)をあげる、普段は静かであろう男たちを見ると、もう全く「宗教」という感じがしますよ。そうでしょう?
ところで、このドキュメンタリー、岩井俊二さんの制作にしては、あまり個性が感じられませんでしたね。映画の方はそれなりになるんでしょうか。ちょっと興味があります。
ps 今晩から、NHKBS2で、あの神アニメ「かみちゅ!」の放映が始まります。あれこそ、今日のテーマそのものですね。先日ちょうど紹介した大林宣彦監督の「さびしんぼう」にもつながる昭和の(?)尾道で、女子中学生が突然「神」になってしまうお話。八百万の神満載の内容。楽しみですね。
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コメント
「お詫び~」の記事を読んでさっそく(笑)。
「一期一会」中学生の時、国語で習って好きになった
言葉ですし。(それと「以心伝心」も好きでした。)
初詣、私も上浅間、下浅間と出かけました。
お参りしておみくじひいて・・・
私って、「当たり」の人なんです。
「逆」の。
どういう事というと・・・・
おみくじの運勢(?)は家族の中でいつも悪く、
数さえ買えば当たりそうなお菓子、
アイスのくじも当たらない。
(あまりにもなんで、業務用スーパーでくじ付き10円
ガムを1パック購入しました。必ず当たり入ってますし。
そしたらすべて家族が知らぬ間に当たりくじのガムを
引き当ててしまう始末)
先日は、県民文化ホールに演奏会を4人で聴きに行き、
始まる前にと、トイレに同時に行き、入る・・・。
私の個室だけ不都合が(笑)。
新宿からの高速バスで隣の方がリバースし、
お気に入りのワンピースに×××。
こんな事が日々繰り返され、私の周りは楽しそうです。
・・・でもでも。
私は本当に「当たり」いや「当たって」みたいんです。
もちろん、恵まれている事も自覚しています。
子供の時、大人によく言われた
「世界には食べるものもなく・・・」のくだりとか
言われた時などに。
先生が「キラキラ」して見えるっすよ。
(10代の男の子風な発音です。)
やはり、パワースポット巡りなんでしょうか?
私はさしずめ、パワー「ズボット」と落ちるような
事をしているのでしょうか?
・・・って、ふざけている所がいけないんでしょうけれど。
長くなりました、ごめんなさい。
投稿: yuzuki | 2011.01.10 10:16
先生初めまして。
甲府に住んでいる高3の者です。
以前からブログを拝見させて頂いていましたが、なかなかコメントはできず…。
今回は思い切ってさせて頂きます。
この前ふと富士吉田に行きたくなり、いつもの丘や月江寺周辺をぶらぶらしていました。そして何気なく、小室浅間神社へ立ち寄ったんです。そしたら御更衣祭で召し替えたお着物を見せてくれるという事で、本殿へ上がらせて頂きました。
入った途端、その神聖な雰囲気に、身が引き締まる思いでした。俗なる自分がこの空間を汚してしまうのではないかと、もの凄く怖かったです。
実際にお着物を拝見させて頂いたら、60年、120年前のものなのに、凄くきれいで感動しました。そして小さくて可愛かったです。木花開耶姫様は小柄なんですね(^-^)
私事ではありますが、4月から大学で神道を学ぼうと思っています。
その自分にとって、かけがえのない体験をさせて頂きました。この場所へ導いてくれた先生、志村さんに本当に感謝です。吉田の冬は大変だと思いますが、先生もお体に気をつけてお仕事頑張ってください。
投稿: 弓 | 2011.01.10 12:27