阪神淡路大震災から16年
今日は中学生に「最後の弾丸」を見せました。「将来の夢」に関わる授業の一環です。
感想を書いてもらって驚いたのは、「戦争がどういうものか初めて分かった」とか「戦争の映像を見るのは初めてだった」ということです。
先日作文してもらった「将来の夢」には、さんざん「戦争のない世の中」のようなことを書いていたのに、その「戦争」に関する知識やイメージがほとんど全くないのには驚きました。つまり、彼らにとっての「戦争反対」は、大人に押しつけられたお題目にすぎなかったのです。
こういう時代ですから、そういうことも想定はしていましたが、その程度のひどいのに正直驚きました。小学校では、あるいは家庭では、そういう勉強をしてこないのでしょうか。
しかし考えてみると、たとえば彼らは1995年に起きた、この阪神淡路大震災もオウム真理教による地下鉄サリン事件も知らないのですよね。だから、70年前のことをほとんど知らなくてもしかたないのかもしれません。
これだけ情報が溢れる時代になったのにもかかわらず、こういう大切なことが語り継がれないのはどういうことなのでしょうか。私は学校教育の責任も大きいと思いますよ。教科書という、まさに「お題目」だけしか教えていない学校、そして教師も多いのではないでしょうか。
平和教育、反戦教育もどこか空々しい偽善や悲話や美談に成り下がっているように感じます。生理的な恐怖、嫌悪感も大事であり、それこそがベースになっていいとは思いますけれど、そこで終わってしまうのではなく、「なぜ」と「自分たちにもそういう可能性がある」ということを認識しなければいけません。
これは戦争に関することだけでなく、環境問題や道徳(人道)教育にも感じられる傾向ですし、たとえば阪神淡路大震災やオウム事件に関してもそうです。今日のマスコミの報道のあり方にも大いに疑問を感じました。
…と言いつつ、今日はまたある意味トンデモない視点からのお話になります。まあ、ここは教育現場ではないのでいいでしょう。現場ではこんな話はしませんからね(笑)。
皆さん、「富士と鳴門の仕組」というのを御存知ですか。知っていたらかなりマニアックですよ。
出口王仁三郎の霊界物語や岡本天明の日月神示に何度も現れる言葉です。詳しく説明すると大変なことになるので、軽く申しますと、まあ世の中の大転換が起きる時に必要な、「陰陽合一」「エネルギーの出入り」などを象徴する言葉です。
1995年は、ある意味、その「富士と鳴門」で大きな動きがあったわけですね。鳴門付近で大地震が起き、富士山麓にオウムが鳴いたわけでして。
この年を境に日本は大きな変化を遂げたと感じます。ある意味正しい経綸のピンチだったわけですから。しかし、それらのピンチをなんとかしのぎ、再び平和と繁栄が当地に戻ったのも事実ですね。それぞれの事実は大変辛く厳しく悲しいことでありましたが、そこで失われた尊い命の数々のためにも、やはりそれらの試練は私たち日本人、いや地球全体にとって必要なことであったと思いたいものです。
出口王仁三郎の霊界物語には、この両悲劇を予言したような箇所があります。
オウム真理教については、同物語の中で悪神教団として登場する「バラモン教」がそれそのものという感じがしますね。霊界物語には、バラモン教は「霊主体従の本義を誤解し、肉体を軽視し、霊魂を尊重すること最もはなはだしき教へなり」とあります。具体的には異常なほどの戒律主義、原理主義の傾向を持ち、また、自らの主義のためには暴力も辞さない集団です。そして、聖地たる天教山(富士山)を狙って侵攻したりしますから、まんまオウム真理教のようですね。
そして、阪神淡路大震災については、霊界物語69巻に次のような部分があります。前後もいろいろあるのですが、ポイントだけ。この歌を読んでみてください。
東路の地のさはぎを余所にして静かに浮ぶ淡路島山
この歌は大正12年、王仁三郎が神戸から四国に向かう途中読まれたものです。大正12年と言えば関東大震災ですね。その3ヶ月後くらいです。ですから、「東路の地のさわぎ」とは関東大震災のことです。
それだけなら、全く予知歌ではないのですが、出口汪さんのお父様出口和明さんらの研究によると、この歌を作った大正12年旧暦12月12日は新暦に直すと1月17日だそうで、その72年後に阪神淡路大震災が起きたということなんです。
霊界での出来事が我々の現実に移写されるというのが、王仁三郎の、そして大本の基本的な考え方(ひな型理論)です。もしそれが本当だとしたら、霊界物語が的中率100%の予言書であるというのも当然と言えば当然。ま、あくまでファンタジーの世界ですがね。私は趣味として、これからもっとちゃんと読んでいこうと思っています。
また、いちおう正統の日本の神話の世界でも、淡路島はとても重要な場所ですね。日本列島発祥の地です。そういうところであのような惨事が起きたこと、また、ある意味全く逆の形で神話からオミットされている富士山であのような事件が起きたことの意味を、再びよく考えてみる必要がありそうです。
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コメント
富士と鳴門の仕組、興味深いお話です。
鳴門は私の故郷ですので、なおさらです。
阪神淡路大震災、忘れられません。その直後に神戸に入った私が一番驚いたのは、倒壊したビルや家の下にまだ救出を待つ人がいる、公園で野宿する被災者がいる一方で、被害の少なかった大阪のデパートでバーゲンセールが催されていたことでした。ましてや関東に住む人々にとってはニュースの中の出来事だったのではないかと思います。
語り継ぐことの難しさ、それは共感する心を持たない人が増えてきたことと関係するように思います。私たち大人の責任ですね。「お題目」ではだめですね。
投稿: kono | 2011.01.19 09:19