プロレスリング・ノア 『~ジョー樋口 追悼興行~ Winter Navig.2010』
今日はスカパー開放デーなので、夕方から夜にかけてゆっくりノアを観戦しようと思っていたら、急きょ山梨県民文化ホールに行くことに。
レミオロメンの凱旋2daysの1日目に運転手として(笑)同行しました。今日はカミさんが参戦、明日は私という予定だったのですが、いろいろな仲間、御坂の方々、メンバーのご家族の方々とお会いするために、私も会場までは一緒に行くことになったのです。
いいなあ御坂は。なんか温かい雰囲気。とにかくみんなで応援しているという感じ。「愛」があふれてるなあ…。明日が楽しみです。富士吉田の方の人間からしますと、なんかうらやましいし、おい富士吉田しっかりしろ!愚痴や悪口ばっかり言ってるな!と、ついつい思ってしまいます(苦笑)。やっぱり風土なのかなあ…。
さてさて、ある人たちを取り囲む「愛」ということで言えば、このプロレスリング・ノアのファンもまた温かい、あるいは熱いものがありますね。
昨年の三沢さんの急逝、その後のけが人続出、リストラ…いろいろと不安なことが続いた中、最近、まさに馬場さん、あるいは力道山先生の遺志を継ぐ御大ジョー樋口さんが亡くなられました。本当に続く時には続くものです。
そのような、ある意味団体の危機の中でのこの武道館興行。前回の武道館大会が不入りだったこともありますしね、ずっと応援してきた者としては、気になる興行でした。
結論。結果としては感動を呼ぶ内容だったと思います。しかし、どこか後味の悪さも残る…なんなんだろう、この違和感。
ファンの「愛」や、レスラーのファンへの「愛」もよく分かる内容だったと思うのですが、なんとも言えない「不快感」が残ったのも事実。「不快」なんていうと失礼なくらい高度な技の応酬、気持ちのぶつかり合いがあったのは事実です。しかし、なぜか観ていて辛かった。涙が出たけれど、なんかちょっと哀しい涙だったような…。
特にメインの杉浦貴 vs 森嶋猛の「危なさ」に私はちょっと引いてしまいました。カミさんも途中から目を逸らして、もうやめてという感じに。
カミさんの言葉が全てを表しているような気がします。「これが本当のデスマッチ」。
たしかに命懸けの攻防は感動に値しますが、実際昨年、受け身の天才三沢さんがリング上で亡くなっているんです。そしてたくさんの選手の欠場…。
頭や首への攻撃ばかりを観ていると辛くなってきます。たとえ今日死ななくても、ダメージが蓄積していく。そういうふうに見えるようになってしまった。丸藤の復帰戦もそう。痛々しくて早く負けてほしかった…そんな感情、やはり正常ではないですよねえ。
結局、四天王プロレスなんですよね。あの頃は、「レスラーは鍛えているから大丈夫なんだ」と、心から信じていました。しかし、今、私は全く違った気持ちで彼らの攻防を見返しています。「彼らも人間なんだ」。
興行全体も、どうしても単調になりがちです。基本的に団体の中での日常的反復の様相を呈していました。これもまた、ある意味では皮肉なことです。三沢さんが目指した「プロレスの競技化、スポーツ化」の結果とも言えるからです。
その点、一昨日のIGFは変化に富んでいて面白かった。それはUWF的、あるいはキャッチ・アズ・キャッチ・キャン的な「強さの表現」の中に、レジェンドやノアや健介オフィスがうまく混入されていたからでしょう。それもまた皮肉と言えば皮肉なことですけれど、結果としては「いろいろ楽しめて飽きが来なかった」。
難しいですね。ノアの今後が心配です。私としては、IGFともっと絡んで、そう、ちょうどUが新日や全日に刺激を与えた頃のような、ああいう展開を期待します。お互いのためにいいと思うのですが。プロレスには、やはり絶対正しいというものがないんです。深く広い世界。その多様性を見せるのが、プロレスの試合、そして興行であってほしいのです。
結局は、「馬場と猪木」っていうことになってしまうのかなあ。こういう時代になりましたから、ぜひその垣根をもっと思いっきり取っ払って、互いに活かし合ってほしいと思います。ファンももっといろいろな団体を観て、選手に刺激を与えてほしい。
「愛」が強すぎるあまり、まわりが見えなくなったり、他を認めない姿勢になったりするのは、やっぱり正しい「愛」のあり方ではないと思います。
頑張れ、ノア。頑張れ、プロレス。(そして、頑張れ、富士吉田)
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