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2010.12.24

あなたが空しく生きた今日は、昨日死んでいった者があれほど生きたいと願った明日

Vlcsnap2010122508h36m01s197 2010年12月24日。クリスマス・イヴ。終業式。そして、志村正彦くんの一周忌。
 今日の富士山はちょっと荒れ模様でしたね。すごい西風。雲がすごいスピードで流れ、生まれ、消えてゆきます。あまりの風の強さに、東斜面では気流が逆流して、小さな雲や雪煙が頂上向かって登っていきます。また動画を録りましたので、目を凝らして観てみて下さい。こちらです。
 終業式で、校長先生がこの言葉を何度か繰り返しました。

「あなたが空しく生きた今日は、昨日死んでいった者が、あれほど生きたいと願った明日」

 韓国のベストセラー小説「カシコギ」の中にある一節です。たしかに心に残る言葉ですね。私も毎日を空しく生きています。刹那刹那を大切にしているかというと、決してそんなことはありません。なんとなく、生きていることを当たり前ととらえて、わがまま勝手に生きているのです。
 今日は、終業式のあと、ある方の法事に参列しました。読経を聴きながら、いろいろなことを考えました。
 仏教では、今日を、いや、「今」を一所懸命生きることを教えます。キリスト教では死後の永遠の命を語りますが、仏教では「今」という瞬間こそが永遠であると言います。
 過去や未来にとらわれるのは、自分にとらわれているということです。過去の思い出も未来の夢も、ある意味自分の煩悩でしかないというのですね。そこに苦しみが生まれると。
 しかし、私たちはなかなかそんな自分を捨てることができません。だから日々苦しく、そしてそれから逃げることによって、今日を空しく生きてしまうのです。
 フジファブリックの志村正彦くんは、まさに「今を一所懸命生きた」人でした。決して現実の厳しさや自分の弱さから逃げず、常に真っ向勝負した、男らしい男だったと思います。
 もちろん、彼の詩や音楽には、過去も未来もたくさん語られています。しかし、それは私たち凡人のように、ただ過去を懐かしがったり、過去に未練を感じたり、未来をただ夢見たり、妄想したりしているのとは少し違うような気がします。
 その刹那、その瞬間を大切に、真面目に生きたからこそ、過去は永遠の命を得て、常に彼の「今」に息づいていたのでしょう。だから、彼の歌は全て「今」だと感じるのです。そして、彼の「生」は、歌を通じて永遠の輝きを得て、私たちの心の中にずっと残り続けるのです。
 ブッダやイエスが言いたかったこととは、「今を一所懸命生きれば永遠の命を得られる」ということだったのかもしれませんね。
 さて、そんな志村くんに、今日はこの曲を捧げましょう。私からのクリスマスプレゼントです。
 彼の音楽のベースにはビートルズが存在しています。彼は、クリスマスになるとビートルズの「アクロス・ザ・ユニバース」を聴きたくなると言っていました。今日はそれをELOによるカバーで聴いてもらいましょう。彼、このバージョン知ってたかなあ。たぶん知らなかったのでは。
 彼の膨大なCDコレクションの中に、ビートルズの全てのアルバムがあったのはもちろんです。さらに私としてうれしかったのは、ビートルズとともに私の音楽人生の基礎を形成している、そして私の青春の風景と重なっているELO(エレクトリック・ライト・オーケストラ)の全アルバムがあったことです。
 奥田民生さんの影響を考えれば、まあ当然と言えば当然だったのかもしれませんが、こうして彼と同じ音楽を共有していたことに、私は感激しました。ずっと奥の方で、彼の音楽と共鳴していた、その理由の一つが分かったような気がしました。
 そんなELOのジェフ・リンは、もちろんビートルズ狂であり、また、5人目のメンバーと言ってもいい関わりを持っている人物です。そんな彼が、ライヴでジョン・レノンをトリビュートして歌ったのがこの音源です。ブートレグなので、志村くんも知らなかったのではないでしょうか。
 皆さんもぜひお聴き下さい。

 いかがでしたか?素晴らしいメドレーですね。ジェフやその他のメンバーの思い入れが伝わってきますね。
 さて、今日という特別の日、朝から一つ目標があったのですが、見事に失敗してしまいました。
 富士吉田の夕方5時のチャイムを記録して皆さんに聴いていただこうと思っていたのです。しかし、ちょうどその時間、受験生の指導で、東大の古文を必死に解いていたものですから、すっかり忘れてしまいました。ま、「今」に集中していたということでしょうか(笑)。
 気がついた時には、もうホントに最後の最後の音が鳴り響いていました。それでも、学校の玄関に飛んで出て記録しましたので、その余韻だけでも聴いてみてください。
 そう言えば、Perfumeの3人が「今年めっちゃ聴いた曲」として「若者のすべて」を挙げていたそうですね。「あの曲を聴かないとなれない感情があって、一年間楽屋でもあの曲ばかり聴いていた」のだとか…わかるなあ。
 ところで、今PVを観ていて思ったのですが、「5時」の「ご」、ものすごくきれいな「鼻濁音」ですね。山梨の人は鼻濁音が苦手なのですが、志村くんはきれいに発音していますね。
 では、リアル「夕方5時のチャイム」(の一部というかお尻だけ)をお聴き下さい。こちらです。今度は耳を凝らして、ボリュームを上げてお聴き下さい。
 このチャイム、志村くんも聴いていたことでしょう。

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コメント

山口先生こんにちは。
久しぶりのコメントですね。
僕は、日が合わず23日に行きました。
やっぱり同じように来てる人がいて、知り合いになった人もいます。
お墓にも花がいっぱいお供えされていました。
コーラなどの志村さんが好きだった物も置いてあったので嬉しかったです。
山口先生の学校の校長先生もフジファブリックが好きなんですね。
やっぱり地元の方が知ってる人が多いのですね。
僕は、12月24日に「茜色の夕日」のジャケットの高円寺陸橋に行きました。
ここにも、人がいました。嬉しいものですね、ファンが皆同じことを考えているというところが。
動画も見させてもらいました。
プレゼントにふさわしいと思います。
これからも見させてもらいます。

投稿: イシハル | 2010.12.25 10:01

先生こんにちは(^-^*)/
深い!深い言葉です。
実はワタシのブログの読者さんで 嫌なことがあり悩んでいるという内容のカキコミをご自身のブログにしていて、昨日遂に「志村さんのところに行きたい」と…!
すぐさま そんなことしたら一番悲しむのは志村くんだとコメントしました。
とんでもないことです。

この言葉を読んで 彼女につたえなければと思いました…。

今を生きて フジファブリックを聴き続けていく事こそが 残された私たちが志村くんにできる事だと思います。

投稿: さお | 2010.12.25 13:36

校長先生って、あの校長先生ですか!?

投稿: 紗耶香 | 2010.12.25 14:37

庵主さん、こんにちは。
過去も未来も、それに想いを廻らすのは「今」ですもんね。「永遠」と「今」という瞬間は表裏一体だからこそ、今できることを精一杯やってる人はかっこいいし素敵だと思います。できることを少しずつでいいから一歩一歩、、、それが僕の目標でもあります。
「若者のすべて」は何回聴いても、胸がぎゅーっとなってもやもやしてきて言葉にならない想いが詰まっているように感じます。。。

投稿: ニキータ | 2010.12.25 15:18

志村くんが聞いていた「五時のチャイム」を聞かせてくださってありがとうございました。
チャイムの響きがまるでカリヨンの音色のように聞こえました。薄暗い風景と溶け合って、
心があらわれるような気がしました。
沈みがちだったここ数日ですが、校長先生のお言葉と、チャイムの響き、これは志村くんか
らの贈り物、と勝手に解釈しました。
「今を生きる」のは簡単なようで難しいこと、志村くんはよくわかっていましたね、私も意
識して「今を生きよう」と思います。
このブログに、感謝!

投稿: kono | 2010.12.25 17:01

山口先生、こんにちは。
いつも楽しく拝見してます。

「アクロスザユニバース」
先日、息子がミニライブのおりに歌ったそうです。
自身のブログにも書いてますが、
有名アーティストの誰それが最近歌ったそうで、
それを意識して自分もセレクトしたのではないかと
思われると悔しい、その情報を知る前に
ライブでアクロス…を歌うと決めていた、そうです。
そして、その瞬間は、まさに今自分の歌なんだ、と
思ったくらい、満足に包まれて歌えたと言ってました。
ちょっとずうずうしいですね。

そして、今日先生のブログを見て、
日頃から勝手に息子に志村さんを重ねて見ている
私としては、なんだかプチ運命的なものを感じてしまうのです。
大げさで、しかも自己満足ですが…。

志村さんの歌を聴き、姿をDVDで見て
ホロリとしながら、静かにご冥福を祈りたいと思います。

投稿: HIROMI | 2010.12.25 21:56

夕方5時のチャイム,特別な思いで聴かせていただきました。
美しい音色で,涙がこぼれました。
志村くんには言葉では尽くせないほど感謝しています。
そして,山口先生にも・・・。
志村くんの歌は、本当にたくさんの人の心にに届き,支えとなっています。そして,これからも・・・。
それは,先生のおっしゃるように,彼の「生」が歌を通じてずっと輝き続けているからなのでしょうね。
『今を生きる』。 心に刻みます。

投稿: 松原恵子 | 2010.12.25 22:23

空しく生きた今日、、。
私は昨日、今日と志村さんのことが頭から離れず一年前の昨日さえなかったら、、と悶々としクリスマス気分で浮かれている家族に当たり散らしました。この言葉を今みて涙が出ました。飛行機雲を見て立ちつくしたり、金木犀の香りで動けなくなるくらいの私ですので、まだその境地にはたどりつけませんが、一年間考えて思ったのは、志村さんは自分には時間がないことを知っていて、そしてあんなに焦躁にかられて作曲されていたのでは、ということです。
 1日1日丁寧に生きなくてはいけませんね。

投稿: マキ | 2010.12.26 02:27

こんばんは。
一年間、長いようで短いですね。
志村くんの知らない、いろいろな事やものが増え続けている…複雑なよくわからない感情です。
富士山の様子、5時のチャイム…ありがとうございました。
何故か、富士山を見て泣いてしまいました。
自分でも、どうしてよいのかよくわからない感情です。
5時のチャイムは、自分の実家のほうではサイレンだったので、びっくりしました。
頭の中で勝手に一緒にしていましたが、チャイムとサイレンでは全く違いますよね。
「若者のすべて」のイメージが少し志村くんのイメージに近づけたようで嬉しいです。
24日は富士吉田の方角を向いて(合っていたか定かではないですが)、手を合わせました。

投稿: かえで | 2010.12.26 03:57

富士吉田へ家族で行かせていただきました。
午前4時過ぎの忠霊塔は何故かとてもきれいでした。三人で浮雲を聴きながら。
泣き埋もれてしまいました。

去年より今年になってから喪失感を強く感じます。

フジファブリックによって救われた命なのに、その矢先に志村君が逝ってしまったのは本当に悲しいです。

投稿: fabbox | 2010.12.26 18:18

先生こんばんは。

色々な気持ちで皆さん24日を迎えたと思います。そして先生はどんな気持ちで迎えたのか気になっていました。
私は…仕事で体調を崩して要検査になってしまい。結果はクリアーをして…
ホッとしてなんだか志村くんが見守ってくれたかな?って勝手に思ってしまいました笑

富士吉田までは行けず、志村くんを思い花を買い、同じフジファフリックファンの友達と精一杯祈りを捧げました。

先生の言葉…心に響きました。
私も今を生きることを本当に考えて、一日一日を大切にしていきます。
志村くんが大切に今を生き抜いたことを一生忘れません。
桜の季節が過ぎたらまた富士吉田に行きます。

大切な人に会いに行きます。
先生もお体大切に…無理なさらないようにして下さいね。

投稿: ミキ | 2010.12.26 20:26

先生こんばんは。
いつも富士山の写真載せて下さってありがとうございます。
なんだか富士山は浄化してくれるように感じます。
今年は1年がものすごい早さで過ぎていったように感じます。
志村君の年を追い越して30歳になってしまいました。
永遠に29歳か、ずるいななんて思います(笑)
今を生きる、その事をこの1年ずっと考えてきました。
さまざまな感情に押し潰されそうになりますが
今出来ることをやろうと、志村君を追いかけるように日々を送ってきたような気がします。
とても追い付けやしないですが(笑)それくらい彼は真剣に生きてきたんですよね。
志村君から貰ったコトやモノを大切に、前むいて生かされていきたいです。
そうして何年か経ったら、ちゃんと志村君に自慢できるような報告が出来たら良いなと思います。
今日は山梨は今年一番の冷え込みだそうですね!お体ご自愛下さい。

投稿: 花屋の娘 | 2010.12.27 01:03

たくさんの皆さん、本当にわざわざコメントありがとうございます。
きっと、志村くんにも皆さんの言葉が聞こえていると思います。
あっという間の1年でしたが、私は今まで以上に密度の濃い「今」を積み重ねることができたような気がします。
そして皆さんとの出会いがなんといってもうれしかった…志村正彦くんに感謝です。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.12.28 14:33

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