宝永の大噴火から303年目
皆さんもニュース等でご存知のとおり、神奈川県に謎の砂状物質が降りました。これがどうも富士山の砂だったらしい。
ニュースなどではほとんど触れられていませんでしたが、私はこのタイミングにとってもビックリしました。
そう、実は今から303年前の1707年の12月16日から12月31日にかけて、富士山の南東斜面から大噴火が起き、今の神奈川県や東京都は大変なことになったんですよね。
その時は、近くでは火山弾や軽石、スコリアが数メートルの厚さで堆積しました。まあ、今で言えば御殿場市や小山町は壊滅ですね。
そして、軽い灰や砂状の物質は西風に乗って神奈川県全体や東京都まで飛んでいきました。
江戸でも数センチの降灰が数年にわたって続いたようで、当時の江戸の町民は呼吸器や気管支の疾患にずいぶん悩まされたようです。
こんな狂歌が残っています。
これやこの 行も帰るも 風ひきて
知るも知らぬも おほかたは咳
笑えない状況…いや、もう笑っちゃうしかなかったのでしょう。てか、この狂歌うまいですね(笑)。もちろん百人一首にもある蝉丸の和歌のパロディーです。
あの新井白石の折たく柴の記にも、こういう記述があります。
今回は強風による砂の巻き上げが原因だったようですから、もちろん噴出物量8億立方メートルと言われる大噴火とは規模が違いすぎますが、それでもこんなに騒ぎになるんですからね。再び富士山が噴火したら、これは大変なことになります。
以前、そんな現代の富士山噴火をシミュレーションした小説「昼は雲の柱」を紹介しましたね。あれはなかなかリアルな作品でした。
実は富士山は、その宝永の大噴火以来、噴火していません。次は、今日来てもおかしくない状況です。そして、宝永以上の規模になる可能性も指摘されています。
順番から言いますと、次は北西斜面になるんですけれど(つまりウチのすぐ上…笑えねえ!)、エネルギー充填の具合から言って、山体崩壊を起こす全山噴火になる可能性すらあります。
ま、そうなったら、ウチは一瞬で壊滅…いや、それどころではなく、東京は壊滅ですね。車もダメ、コンピューターもダメ、人もダメ。そうしたら、遷都でしょう。再び西に都が遷ることになるやも。
考えてみると、有名な関東ローム層って、古富士と箱根山の噴出物が堆積したものですよね。厚さ10メートルを越えるところもありますから、シャレになりません。富士山をなめるなよ!ということです。
ま、そんな富士山の懐に住んでいるワタクシが、一番なめてると言えばなめてますか(苦笑)。
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