人格者タイガー・ジェット・シン登場!ちょっと感動。
夜、中学校の来年度生徒募集の説明会を行ないました。今年最後の説明会です。やや苦戦が続いておりますが、志を持ってやっていけば、時間はかかれども地域の理解を得られるものと信じています。
なにごともそう簡単には結果は出ないものです。最低10年単位で考えなければならない業界ですから。
そういう意味では、この、アントニオ猪木デビュー50周年の興行というのは、いろいろな歴史を感じさせるものでしたね。プロレス界の栄枯盛衰のど真ん中にいた猪木。あらためて彼の業績を見ると、功の部分のみならず、罪の部分も、しっかり意味のあったことだったのかもしれないと、今さらながらに感じ入るのでありました。
まあ、そのような歴史的な意義、あるいは単純にアントニオ猪木さん個人のアニバーサリーだということを抜きにしても、今回の大会は実に面白かった。今までのIGFの興行の中では断トツに楽しめました。興奮しました。
最近のIGFは、どうも半数近くがしょっぱい試合になる傾向があったのですが、今回しょっぱかったのは…1試合だけでしょうか(笑)。その他はそれぞれのレスラーの力量、魅力が発揮された好試合、それも変化に富んだ好試合が続きました。
ちょっと時間がないので、全試合の簡単な感想を書いて記事とさせていただきます。
佐藤光留 vs 定アキラ
最近私が高く評価している佐藤光留選手。少し前までDDTのKOD王者だった彼が、第1試合でガチガチの試合をやるだけでも大興奮。まあホントにいろいろできる、いろいろ経験している努力家ですよ、彼は。メイド服から総合から掣圏道まで、ここまで幅広いレスラーはいませんよ。もちろん、スネークピットの大器アキラくんの頑張りにも期待していました。試合は予想以上に激しく高度な内容。勝ち負けは抜きにして、闘魂はしっかり表現されていたと思います。
鈴木秀樹 vs マーク・コールマン
最近特に応援し期待している鈴木秀樹選手。彼の持っているポテンシャルは無限大。今日はビル・ロビンソンのキャッチ・レスリング対UFCという構図で観ましたが、まあコールマンも連敗は許されなかったからでしょう、いつも以上に気合いが入っていましたね。もう少し秀樹のレスリングも観たかった気がしますが、まあ短い中にも見どころの多い、濃い試合でしたね。しかし、前回のコールマンはなんだったのか。体調不良(二日酔い?)というのもプロとしては失格ですよね。
ケンドー・カシン vs カリート
唯一のしょっぱい試合(笑)。途中まで面白かったんだけどなあ…。ま、1試合くらいこういうのがないとIGFらしくない?…なんて言うと怒られそうですね。カシン選手は本当につかみどころがない。永遠に謎のレスラーであります。カリートもいい選手と見えましたが、本領発揮する前にキツネにつままれた?
エリック・ハマー、タカ・クノウ vs モハメド・ヨネ、青木篤志
ウチの家族、この試合が圧倒的に盛り上がりました。ノアも長く応援している私たちにとっては、まさに夢の対決。ノア流のタッグ・ワーク、受けの強さも存分に感じられましたが、最後はエリック・ハマーの圧倒的な強さが光りましたね。彼にはもっといろいろな団体で活躍してほしいですね。これを機にノアに参戦するとか、ないですかね。
アレクサンダー大塚 vs アレクサンダー・ティモノフ
秒殺。ある意味戦慄。興行全体の中では、こういう試合もありかな。前の試合とは好対照。このティモノフという選手、逮捕歴19回、懲役400年(笑)、ヒョードルからの刺客という触れ込みでしたが、いったいどういう格闘技歴があるのか、戦いっぷりを観ても、全くわかりませんでした。パンチ一発でKOという形でしたが、あれはパンチだったのか?でも、こういうロシアの謎の怪人みたいなのは、もう存在だけでゾクゾクしますから、また来てほしいですね。
藤波辰爾、紅白仮面 vs 初代タイガーマスク、ウルティモ・ドラゴン
Xは紅白仮面。いったい彼の正体は…動きから推察しようと思いましたけれど、結局わからず仕舞いでした。そこそこの実力者と見ましたが。でも会場の盛り上がりという面では、こういうキャラもなんか懐かしく好感を持ちました。その他ベテランはいつも通り、しっかり見せるところは見せてお客さんを満足させていました。これまた、他の試合では感じられない空気があって良し。いやあ、変化に富んだいい興行だ。
ザ・プレデター vs キース・ハンソン
いつも書いているように、こういうデッカイ化け物同士の対決がプロレスの醍醐味です。結果は意外と言えば意外でしたが、短い時間の中で、大きな会場のお客さんをこれだけ興奮させれば充分でしょう。大きくて動ける選手は絵になる。非日常空間を現出させてGJ!
澤田敦士 vs 潮崎豪
注目の試合。潮崎がIGFに上がるなんて…そこで卍固めを繰り出すなんて…まさに夢のような光景。しかし、内容は予想通りの展開。潮崎余裕の勝利、澤田玉砕。ちょっと格が違いましたね。でも、澤田選手も悪くないんですよ。いつも書いているとおり、もっと経験を積ませてあげたい。ノアも少し考えてあげてもいいんじゃないでしょうか。それにしてもIGFの中での、あのノア的(馬場的とも言えるか)リズム、受けのプロレスは、なんか新鮮でしたね。宮戸さんや猪木(旧新日)信者はきっと嫌がるでしょうけれど。でも、プロレスって本当に奥が深くて、そして広いんですよ。これもまた立派なプロレスだと思います。
佐々木健介、中嶋勝彦 vs ボビー・ラシュリー、ハリケーン
これまた名勝負。私はこういうの好きだなあ。予定調和と言われてもいいんです。昨日の秋吉敏子さんじゃないけれど、名人たちのセッションは、やっぱりすごいんです。基礎と経験がしっかりしているから、やっぱりそれがセッション、アンサンブルであっても「凄み」があるんですよねえ。WWEって本当にすごいですよ。基礎、経験、本当の実力がないと、世界を獲れませんよ。エンターテインメントだと言っても、やっぱりあのレベルになると、とても常人のなせる技ではない。そこにまた、味のある経験を積んでいる健介オフィスが絡んで、ものすごくいい試合になったと思います。子どもたちも興奮していました。
鈴川真一 vs モンターニャ・シウバ
さて、そしてメイン。後半のこれまでの試合とは全く違う緊張感。これもまたプロレス。いい試合だったと思います。殴り合い蹴り合いの中に見える両者の闘魂と技術。鈴川選手の試合後の四股もいいんじゃないですか。両国に帰ってきて、しっかり生まれかわったところを見せられたのでは。実際、相撲の頃よりずっと稽古してると思いますし。そういう人生の重みを感じさせる好試合でした。ぐっと来ましたね。でも、鈴川選手はこれからですよ。まさにプロレスという大海に漕ぎ出したばかりですから。このままの戦いっぷりでは、勝ち続けてたとしても、お客さんを満足させられません。たとえば、今日リングに上がった全ての選手とシングルで闘ってもらいたい。プロレスリングの基礎が出来てきたら、ぜひ「プロレス」も勉強してほしいですね。
というわけで、本当にいろいろなタイプのプロレスを堪能しました。ま、分かりやすく言えば二種類ですかね。すなわち、和田レフェリーが裁いた試合と、田山レフェリーが裁いた試合。この両方を観られるIGFというリングは実に面白い。それはまさにアントニオ猪木のプロレス史そのものだとも言えます。あるいは日本のプロレス史そのもの。私は本当にその全てが好きなんだなあと再確認しました。
次回はゼッタイ会場で観戦します。蝶野選手と宮戸さんのタッグにも期待しています。来年はIGFがプロレス復興の先頭を走ることでしょう。
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