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2010.11.14

モーリス・ラヴェル 『ピアノ協奏曲 ト長調』 (バーンスタイン)

 日は珍しく下の娘と二人でお出かけ。秋まっ盛りの清里方面に行ってきました。
 まずはバスケの応援、そして、やまねミュージアム、清泉寮のソフトクリーム、えほんミュージアムをはしごしまして、なかなか充実の一日を送らせていただきました。
 清里を旅するのも久しぶり。同じ山梨県内の森の中(標高も同じくらい)とは言え、富士山付近とはかなり違った感じで、ちょっとした異国情緒(?)を味わえます。今度は家族全員で美術館巡りなどしてみよう。
 この写真は、清泉寮からの富士山と南アルプスです。
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 帰宅してテレビをつけますと、私の親戚が椅子にふんぞりかえって座っています。筧利夫さんです。あの番組ですね。ご覧になったことがありますか、「クラシックミステリー 名曲探偵アマデウス」。
 根っからのクラシック・ファンには、ちょっとおふざけが過ぎるかもしれませんが、私くらいの浅く冷めたファンには、なかなか面白い、そして勉強になる番組です。
 で、今日はラヴェルのピアノ協奏曲ト長調を素材に、くだらないミステリーが展開されておりました(笑)。
 それでも、やはり勉強になりましたよ。この曲、昔から嫌いではなかったのですが、それこそそんなに深く聞き込んだことがなかったので。
 数年前にガーシュウィンについて音大のジャズ科を目指す生徒と勉強してから、俄然ラヴェルにも興味が出てきてはいました。
 去年の今ごろには、左手を紹介しましたね。今日は、その「左手」に対する「両手」というわけです。考えてみると「両手」という言い方も妙なものですが(笑)。
 ううむ、結局「クラシック」は「ラヴェル」でようやく「普通の音楽」に追いついたということでしょうかね。こういう言い方すると怒る人も多いと思いますけど。
 私のように、クラシックだけ抜けてて、古楽やジャズや歌謡曲やロックを愛好していると、やっぱりどうしてもクラシックだけ不自然に感じてしまうんですよね。いつも書いているように、あまりに特殊な音楽であって、決して「高級」ではないと。どちらかというと…。
 いつかも思いっきり失礼なこと言いましたよね。モーツァルトを聴かせると騒いでいた子どもが静かになるとか、牛の乳が出るとか、それって子どもや動物でも分かる音楽ってことじゃん!って。お腹の赤ちゃんに聴かせるのがクラシックというのもうなずけますね(笑)。
 それはいかにもワタクシらしい極端なイヤミといたしましても、まあ実際のところ20世紀に入って、ようやくラヴェルらフランスの作曲家たちによって、ある意味正常な状態に戻ったとも言えます。
 美術界の印象派が日本の「低級・下等・未開」な浮世絵などに出会って正常に戻ったのと一緒ですね。
 しかし、彼らの努力が報われない部分もあります。一度かかった病気を完治するのは難しかったのです。
 今日の番組でも紹介されていましたが、ラヴェルは、この原初的な音楽をあくまで「理性」で作曲したのです。それも命懸けで。
 決して自然ではなかったのです。頭で体の音楽を作った。結局「コト」の呪縛から離れられなかったのです。ま、所詮フランス人ですし(失礼)。あの頃フランスってどの分野もねえ、結局頭でっかちなんだよなあ。
 しかし、近代ピアノという、それこそ工業製品のような、あるいは兵器のような、とんでもなく規格化され、制限の多い楽器をもって、よくここまで頑張りましたね。
 左手が長調、右手が短調で分散和音を弾いたり、トリルで音程の縛りから解放させようとしたり、リズムを数学的に分割したり、まあ、たしかに考え得る「変なコト」をし尽くして頑張っている感じですね。
 それでも結果としてなかなか魅力的な作品になったのは、ラヴェルの人柄のなせるわざであると、ワタクシは思うのですが。
 このコンチェルトについて、ガーシュウィンはどのような感想を持ったことでしょう。心から共感したのか。それとも…。
 あるいは古賀政男さんはどう感じたか。私にはやっぱりガーシュウィンや古賀さんの方に余裕があるように思いますが。
 では、バーンスタインによる名演をどうぞ。バーンスタインってすごいわ。

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コメント

こんばんは。
楽器は何も習っていませんが、メジャーなクラシックの
楽曲がら私は音楽好きになった気がします。
それは親がメジャーな曲のメジャーな部分のみを鼻歌で歌っていたからだと思います(笑)

その後吹奏楽部に入り、色々な曲に触れたはずなのに
今ではすっかり遠い記憶となり、聴く機会もありません。その遠い記憶の中に、ある楽曲を指揮者別で聴き、
感想を書く授業があった事を思い出し、バーンスタインの名前も思い出しました!

先日は「図書館」にいるようだと書かせて頂きましたが
何だかプチ講義のようでホントに楽しく読ませて頂いてます。

今日の東京かなり寒いです。そちらはもっと寒いのでしょうね。お身体に気をつけてください。

投稿: さつき | 2010.11.15 19:56

 私も清里に絵本美術館巡りに行ったんですが、同じ山梨でも富士吉田とは雰囲気が違いました。以前先生がおっしゃっていたように、富士吉田は趣があってとっても濃かったです(*^_^*)
山梨には素敵なところがいっぱいあって、綺麗な富士山がいつもそこにあって、憧れがますます強くなりました(*^_^*)

 四季折々のきれいな富士山、富士吉田の景色を見れて、とても嬉しいです。
いつも素敵な写真をありがとうございます。

P.S
 筧利夫さんの舞台を観にいったことがあります。つかこうへいさん演出の「幕末純情伝、飛龍伝」という舞台でした。つかさんの舞台はこれが最初で最後でした。
筧さんの舞台もまた観にいきたいです(*^_^*)

投稿: ひこうき雲 | 2010.11.16 20:59

さつきさん、どうもです。
いやあ、今日の吉田は寒い寒い。
まだこれから10度、いや15度以上寒くなるんですけどね。
あやしい「講義」ですが、今後ともよろしくお願いします。
ただし、疑ってかかった方がいいですよ(笑)。


ひこうき雲さん、いつもありがとうございます。
そうなんですよね、山梨って小さいけれどいろんな表情があります。
季節感も濃厚だし、私はけっこう好きですね。
筧利夫さんはけっこう近い親戚ですが、実は一度も舞台を観に行ってません!ww
そろそろ行かねば。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.11.17 16:08

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