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2010.10.18

『デジカメに1000万画素はいらない』 たくき よしみつ (講談社現代新書)

06287963 日格安(しかし必要十分な)デジカメを紹介しましたが、私の周辺にも「画素数自慢」する方がいらっしゃいましたので(笑)、この本を紹介しておきました。
 もっと専門的な本の方がよりいいのですが、この問題についてのまとまった1冊の本がこれ以外ないのでしかたありません。
 タイトルからしてズバリですよね。「デジカメに1000万画素はいらない」。
 実は私はこの本を読んでいません。本屋さんでペラペラしただけです。書いてあることは想像できます。後半は撮影テクニックの話になっているようですが、画素数に関してはおそらく私の知っていることが書いてあることでしょう。
20101019_72209 そうそう、この本、タイトルもストレートですが、1ページ目にも、ある意味露骨な写真が掲載されています。ものすごく画質が悪いけれど(笑)、アマゾンのなか見!検索をキャプチャーした画像を掲載させていただきます。
 1000万画素と600万画素…どっちがきれいに見えますか?ということですね。ま、こんなキャプチャー画像でもその差は歴然。
 小さなCCDにたくさんの受光体(フォトダイオード)を詰め込むとなると、その一つ一つの受光体はどんどん小さくなっていき、結果として、一つ一つの受光体の受ける絶対的な光量は減少します。
 この状況をワタクシ流にたとえて説明いたしますとこんな感じになります。
 畑に野菜を植えるとしましょう。その際、欲をかいて、やたらたくさん種をまいてギューギューに詰め込めばいいというものではありません。ある程度の適切な最高密度というものがあります。
 ギューギューに詰め込めば、もしかすると収量は上がるかもしれませんが、一つ一つの野菜の品質は下がります。日光が当たらなくなったりしてね。
 そんなふうに、現在の超小型高画素数CCDやCMOSでは、品質の良くない野菜がやたらと生産されているという状況なのです。そして、それらを保存するためにとっても大きな倉庫も必要になってしまっている。やたらとデータ量が増えてしまい、保存も大変だし、運搬も大変、処理も時間がかかるという事態になっているのです。さらに品質の悪さをごまかすために、いろいろあとから細工する必要が出てくる。それが結果としてノイズを生み出したりしています。
 フルハイビジョンの規格でも、それを画素数に換算しますと約200万画素。ディスプレイで見ている限りは残りの800万画素分は無駄に終わっています。
 プリントする時も同様です。A4プリントすることなんてそうそうありませんが、もししたとしても400万画素あれば十分です。
 私が300万画素にこだわる理由はそのへんにあります。データサイズも1MB以下に抑えられます。ブログへのアップロードのことなどを考えると、やはり1枚1MB未満、すなわち「KB」という懐かしい(?)単位で表せる大きさ(小ささ)にしたいものです。
 昨日紹介したデジカメでも、私は記録サイズを300万画素にスペックダウンして使っています。もちろん、これは疑似的なスペックダウンであり、一つ一つの野菜の株…いや受光体の大きさ(小ささ)は1000万画素のフルスペック時と変らないわけですから、根本的な解決にはなっていません。しかし、サイズが小さくなるというだけでもそうする意味はあるのです。
 この本の著者は「200万画素時代の幸せ」と書いていましたけれど、たしかに私にとっても「デジカメ最幸福時代」はあの200万画素名機SANYOのMZ3を使っている時でしたね。あれは素晴らしかった。
 今となっては古き良き時代。今やサンヨーはデジカメ事業から撤退しただけでなく、サンヨーという社名自体も消えようとしています。ああ諸行無常。
 ちなみに「デジカメ」と名称、三洋電機の登録商標なんですよね。なんという皮肉なことなのでしょう。死して名を残す…か。

Amazon デジカメに1000万画素はいらない

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コメント

>「デジカメに1000万画素はいらない」。

正しくは、「コンデジに1000万画素はいらない。」
でしょうね。一眼タイプのようにセンサーサイズが大きい場合、高詳細であることにはそれなりに意味が有りますので。著書を読んでいませんが、そこをあえて伏せて言っているのであれば、単なる低画素信仰であり、高画素信仰を笑えないと思います。
そうそう、バッテリーに関しても庵主様は乾電池タイプをお好みでしたね。私はと言いますと、コンデジであるなら、専用バッテリーと二択の場合、必ず専用をチョイスし、コンパクトであることを優先いたします。だってコンデジだもん!

投稿: LUKE | 2010.10.21 04:42

最近、Canonの最高級コンデジは、画素数を落としてきていますね。技術的には画素数を上げることは可能なので、画素数優先ではなく、ほかの事を優先した結果なのでしょう。コンデジで撮った写真を大引き延ばしするわけでもないでしょうし、コンデジのレベルのレンズでは、画素数を増やす意味がどれだけあるのかも疑問です。

ちなみに、私はフルサイズ2100万画素の一眼レフを使っていますが、画素数より暗いところに強いだとか、画像の質感だとか、そういうほうに価値を感じて使っています。ブログで使うような写真は、画素数最低ただしRAWで撮影して、あとで画像処理ソフトで加工して、ブログに載せるときはサイズも落としています。あとでトリミング拡大する場合とか、よほどの風景でもない限り、最高画質にはしません。

投稿: AH | 2010.10.22 00:35

前略  薀恥庵御亭主 様

今は「携帯電話」のカメラ
を使っています。笑

25年ぐらい前・・・
「インド」へ行ったときに
「オリンパスPEN EE」
を持参致しました。
枚数も沢山撮れて重宝
致しました。

「プロ」でないので・・・
「カメラ」は写れば
何でもいいです。笑

ただ「一つ」・・・
「老眼」が酷いので
取説の「字」の倍率だけは
上げて欲しいと念じてます。

合唱おじさん     拝

投稿: 合唱おじさん | 2010.10.22 06:11

皆さん、コメントありがとうございます!
そうですね、コンデジって書かないと正確じゃないですよね。
本当の写真愛好者に失礼な書き方になってしまいました。
どうも業界の姿勢が許せなくて…。
一時期の車のように馬力競争してもねえ。
あれはせめてトルク競争くらいにしてほしかった。
デジカメの世界も正常化してくれることを祈ります。
ただ、私たちユーザーも多少は賢くならないといけませんね。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.10.22 16:46

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