『みんな、絵本から』 柳田邦男(文)・石井麻木(写真) (講談社)
某研修会1日目。700人以上が集まっているわけですから、なかなか大規模な研修ですよね。参加するのは5回目。うち3回は発表という、はっきり言って何かの陰謀としか思えない状況です(笑)。一生のうちに1回当たればかなり不運と言われるのに、この研修で10年で3回というのはたぶん世界記録だと思います。
まずは基調講演を拝聴しました。ノンフィクション作家の柳田邦男さんの講演「ケータイ・ネット社会と子どもの心〜絵本・読書の新しい意味〜」。
なかなか興味深かった。内容的にはそのタイトルから想像されるとおり、ケータイやゲームやパソコンやiPadなんかより、絵本や読書、特に絵本がいい、子どもにとっても大人にとっても、というお話でした。発想としては特に目新しいものではないと思います。しかし、実際の絵本をスライドで示しながらのご講演でしたので、その作品世界に私も感動してしまいました。
最近の「大人も絵本」ブームの牽引役でもある柳田さん。特に「読み聞かせ」による親子の対話や触れ合いの重要性を訴えておられました。たしかに、読むだけでなく読み聞かせることによる大人への効用もありますね。私も父親による読み聞かせグループに入っていますが、たしかに子どもにだけでなく、父親側にも発見がたくさんありますよ。
絵本とは、子どもにとっても大人にとっても「モノガタリ」世界であるわけです。日常の「コト」から一気に「モノ」世界へ飛翔する機会を与えるメディアです。たしかに最もシンプルな媒体であるかもしれまはんね。大人は語り部になることによって、子どもたちと一緒にそうした「モノ」世界に向かうことができるわけです。大人が絵本を読んで涙する時、そこには懐かしい「モノ」世界が広がっているのですね。
そんな柳田先生の講演を聞いて、以前図書館で読んだ(見た)この本を思い出しましたので紹介させていただきます。今日の講演内容はほとんどこの本とかぶっていると思います。興味を持たれた方はぜひこの本をお読み下さい。
また、資料として配られた柳田先生おススメの絵本リストを期間限定で置いておきます。ぜひ参考にしてみてください。
リスト(pdf)
さて、基調講演が終わって、いよいよ自分の発表です。3回目ともなると、もう緊張もしませんし、逆に楽しみなくらいです。ちなみに今日私のあとに発表された先生は、6年前、伊勢で私と一緒に発表された方でして、つまり2回目。二人で「いったいなんなんでしょうね」と慰め合いました(笑)。
今日は実は自分の発表の前にも一仕事ありました。助言講師の某大学教授との対談。内容は「宮澤賢治」でした。私、いつかも書いたとおり、あまりにも自分と重なることの多い賢治に対して、微妙な距離を保ってきていまして、実はあんまり詳しくありません。
そこで急場しのぎのためにカミさんに助け舟を頼みました。昨夜、東北弁から見た賢治の有名作品の新解釈を伝授してもらったのです。これは面白かった。いつかここにも書こうと思いますが、けっこう革命的な発見だと思います。とりあえず、教授をはじめ、会場にいた人たちにはかなり新鮮(衝撃的)だったようです。
今回の我が部会の研究主題は「地域に根ざした国語教育」でした。ちなみにこれは私が決めたものです。いろいろな思いをこめて(自分の趣味で)決めさせていただきました。対談での、賢治と山梨、賢治と岩手、賢治と方言というのも、そこからの発想です。
私の発表は「方言を活用した古典文法指導」。このブログで書いてきたことのまとめみたいなものですね。それなりに面白かったのでは。ある意味私の発表は奇を衒ったようなもの(ま、今まで誰も気づかなかったこととも言えるかな)が多いので、皆さんドン引きしちゃうのか、だいたい質問や意見が出ないんですよねえ(苦笑)。
どちらかいうと、本題から少しはずれた「センター古文が異様に難しい件」と「活用表を覚えない古典文法勉強法」の方に興味を持たれた先生方が多かったのでは。それらについては4回目の発表で!ww
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