カミさんが修斗に行ってきました〜「囃す」
↓メインでKO勝ちしたダレン・ウエノヤマ選手と
私は忙しすぎの上に片頭痛に襲われ(天候のせいかな)、一日ヒーヒー言いながら過ごしましたが、カミさんは東京でフィーバーしてきたようです。
格闘技の殿堂後楽園ホールから夜中帰ってきたカミさんはいまだ興奮のご様子。そうとう面白かったらしい。うむ、ちょっとうらやましい。プロフェッショナル修斗公式戦「The Way of SHOOTO 05~Like a Tiger, Like a Dragon~」の観戦です。カミさんは初修斗。
実は私、3年前に「修斗」という記事を書いているんですよね。やっぱりそんな感じだったようです。私もあれからもサムライTVでは何度か観戦して、やはり面白いなと思っていました。生観戦はカミさんに先を越された形になりました。
やっぱり後楽園ホールでのお客さんの盛り上がり、会場の一体感は格別だったようです。
あさってはDREAM16がありますね。ウチの夫婦注目の「桜庭vsメイヘム」は楽しみですが、やはり興行全体としては今一つな感じがします。正直大会場でのバラマキ多数の興行は、客が冷めてるんですよね。あるいは理解していない。共感していない。これはもう格闘技興行としては致命的なことです。誰も感動していないコンサートみたいなものです。
プロレスの会場も同様です。最近ではDDTやアイスリボンや大日本のような団体の会場は非常にいい雰囲気です。逆にメジャーである新日本、全日本、そしてノアの会場の空気はさみしい。昭和の興奮を知っている私たちからしますと、実に残念な状況です。特にノア。
やはり興行はあくまで興行ですから、リング上と客席が互いに刺激し合い、いわば祭における舞手とお囃子みたいな関係にならないといかんと思うのですよ。
いつも書いているように、相撲やプロレスやボクシング、その他の格闘技全ては、現代における「神事」としての機能があると思うんです。球技などのスポーツとは一線を画す部分です。
その機能を果たすためには、ぜったいに「参加者」の共鳴が必要です。そしてそのためにはフィジカルなゲーム性だけでなく、スピリチュアルな聖性が不可欠なんですよね。
それこそが、たとえば修斗における「極め」にこだわる姿勢であったり、「流れ」の中でスイングする心であったりするのだと思います。
単純に勝ち負けにこだわり(すなわち勝つことより負けないことに専念する)ところからは、そういう「魂」の部分は出てきませんし、実際伝わってきません。
今回カミさんは「魂」を体感してきたようです。目の肥えたお客さんの想像力を超える技術と精神力の攻防の前では、我々凡人はただ自然に「囃す」ことしかできないものです。
「囃す」の語源は「栄やす」「映やす」です。主役を光らせることです。つまり、自然に囃すことしかできない状態というのは、たとえば格闘技で言えば、リング上の神の威光を受けて興奮状態になり、たくさんの観客がその光を反射して神に返し、集光してさらに神を輝かせるという、実に高度なコミュニケーションの状態なのです。
というわけで、まあ理屈はいいとして、そういう凡人としては最も高度な幸福を味わってきたカミさんがとってもうらやましいのであります(笑)。
私はあさってIGFの興行GENOME13に行こうかと思っていたのですが、どうも仕事の進捗状況からしてかなり難しい状況なのです。ううむ、いいなあ専業主婦は(笑)。
たまにはそういう非日常を味わいたいですねえ。なんて、考えてみれば、キャンプ場プロレスに参加したり、この前の御更衣祭みたいに、本当の神事のお囃子をやってるか。
それに仕事自体、子どもたちとそういうコミュニケーションしてるわけですし。もっと子どもたちを囃して輝かせてやらなきゃ、ですね。
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