ストーヴ稼働(いつもワガママで不満ばかりの私たち)
あれほど暑かったのに、いきなりこの寒さは…。
冷たい雨の中、家に帰ったら、なんとも懐かしいかをり…いやにほひが。この冬(!)初めてストーヴに火が灯りました。
ストーヴの前を占拠し、はだしの足を温めているのは上の娘。ストーヴにはだしというところが、いかにも夏から冬への季節の移り変わりという雰囲気を醸していますね(って秋はどこへ行った?w)。
ま、ここ富士山ではストーヴをつけないのは8月だけというのが普通ですから、そんなに驚くことではありません。
ちなみに2004年は、8月28日に初点火しております。そういう視点からも今年の異常な暑さが確認できますね。
ちなみに今日の室温は17度だったようです。この季節、だいたい20度を切ると「寒い」と感じるようですね。これが春先になりますと、室温17度あれば「あったかい」と言うに決まっています。
人間というのは本当にワガママな生き物ですね。暑いと言ったり寒いと言ったり。
時々思うんですよ。1年の中で、気温や湿度的に全く不快感を覚えない日って何日あるのかなって。暑くもなく寒くもない。ジメジメしていのでもなく、乾燥しすぎているわけでもない。案外そういう日ってないですよね。
それから、自分の体調もです。なんとなく頭が重いとか、おなかが痛いとか、肩が凝ってるとか、眠いとか、そういうのがあって、本当に体調万全、どこも何も不快感がないという日はないんじゃないかと。
もちろん、精神的なストレスもですよね。仕事がたまってるとか、あの人のあの言葉が気になっているとか、将来に対する漠然とした不安とか。
天候や社会状況のような外的な不満の要因と、体調や精神のような内的な不満の要因、全てが存在せず、結果として完璧に満足な日って、人生の中であるんでしょうかね。
赤ん坊の頃、母親の胸に抱かれている時とか、どうだったんでしょう。残念ながら覚えてないし。死ぬ時とかどうなんでしょう。死ぬ時そういう瞬間を味わえたら最高でしょうね。
ウチの猫とか、庭の草木とか、あるいはここにドカンと何万年も座っている富士山とかどうなんでしょう。みんな後悔とかないんでしょうか。なさそうですよね。
もしかして、人間だけが、こうして恒常的にワガママで、不満を抱えてばかりいるのかもしれません。
お釈迦様はそういうワガママや不満を克服する術を発見しました。「生老病死」などの「苦」を無視したり抑え込んだりするのではなく、まずはそれから逃げられないことを認めた上で、それを感じる、感じてしまう「自己」への執着を捨てることをすすめたのです。
もちろん私はそんな境地にはなれません。理屈では「なるほど!」と思うことが多いお釈迦様のお言葉ですけれど、実践するとなると、これはもうほとんど無理。わかっていながらできないという新たなる「不満」さえ生んでしまうから困ったものです(苦笑)。
いずれにせよ、こうしたワガママな不満を解消する、あるいは低減する方向に、私たちの文明は発達してきました。そうした不満の要因への耐性を強めるのではなく、対症療法的に緩和剤を開発し続けたとも言えるでしょう。その結果、一種のオーバードーズ状態になっているような気がします。薬がないと生きていけない、そしてもっと強い薬を求める…。
温暖化だどうだこうだと言い、灯油が高いだの、原油があと何年でなくなるとか不満や不安を語りつつ、こうしてすぐにストーヴのスイッチを入れてしまう私たちって。
おい、ストーヴ最初につけたの誰だ?
は〜い、私で〜す!
と元気よく答えたのは、やはりカミさんでした。
ちなみにこの人は毎日、不安と不満のない時間を体験しているとのことです。すなわち「寝ている時」。至福の時だそうな。いいなあ、人生の3分の1が満たされているということですか!?ww
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コメント
前略 薀恥庵御亭主 様
「深い眠り」は人間にとって
「最高の宝」であります。
仕事柄 様々な「御方々様」の
「御悩み」を拝聴致しましたが
「不眠」の苦しみが一番多かった
ように感じます。
重ねて申しますが「深い眠り」は
何よりの「御宝」であります。
愚僧は・・・
「安心」「安全」「安眠」
を人類の「三大家宝」と感じてお
ります。笑 合唱おじさん
投稿: 合唱おじさん | 2010.09.18 14:22
合唱おじさん様、こんにちは。
三大家宝、いいですねえ!
こんな単純なことが、なかなか手に入らない変な世の中です。
特に子どもにこの家宝を与えてあげたいですね。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.09.20 10:29