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2010.09.01

初代若乃花逝く…「命懸け」とは

鬼の目に泪
Mrt1009011928003p19 軍曹に続いて、土俵の鬼もこの世を去ってしまいました。また昭和は遠くなっていきます。
 もちろんしかたがないこととはいえ、やはり寂しいものです。
 両鬼、花田勝治さんと山本小鉄さんには共通点があります。それは「力道山にかわいがられた」ということです。もちろん、この場合の「かわいがられた」はダブルミーニング。鬼が鬼を生んだわけです。
 若乃花は二所ノ関部屋で先輩力士力道山に思いっきりかわいがられました。命の危険を感じるほどの猛烈な稽古をつけられたと言います。しかし、それがあの脅威の瞬発力や粘り腰を生んだわけで、後年、恐ろしすぎた鬼先輩に対して感謝の気持ちを表しています。
 そう、有名な逸話がありますね。力道山のあまりの厳しいかわいがりに、それこそ生命の危険を感じた若乃花は、思わず力道山のすねに噛みついてその場を逃げ出しました。その時の傷(歯形?)を隠すために、プロレスラー力道山は、あの黒のロングタイツを履いたそうです。まあ、世界最強の「すねかじり」ですな(笑)。
 一方、山本小鉄さんは、プロレスラー力道山の最後の弟子。アントニオ猪木さんに対する異常な「かわいがり」ほどではありませんが、充分に厳しく育てられたようです。それが、のちの新日本プロレスの道場の空気を作り出していったわけです。
 このように両者には力道山の「かわいがり」のゲノムが流れていたわけですね。そのお二人がほぼ同時にこの世を去ってしまい、その遺伝子がはたして正しく伝承されていくのか、相撲界、プロレス界ともに少々心配であります。
 まあ、なまぬるい人生を送っている私がそんなことを言う立場ではないこともわかりますが、こうした闘いの世界だけでなく、世の中全体から古き良き「無理」がなくなっているような気がするのも事実です。
 もちろん命は大切にしなければなりませんが、だからと言って、それを単なる壊れ物のように丁重に扱うだけでは、その命自身の価値も下がりこそすれ上がりはしないと思うのです。子育てや教育と一緒です。
 ある意味「命懸け」なこと、「生命の危険を感じる」ことのみが、その命自身を鍛え上げるとも言えそうです。人は命を懸けると「鬼」になるのです。

 上の「栃若時代」の映像を観てください。同じ大相撲とは思えないほどに激しく高度な戦いが展開されています。筋肉の付き方も違うし、肉体の動きや形(姿勢)も違います。これはもちろんプロレスにも言えることですね。
 このように目に見える部分だけでなく、私たちの「命」や「魂」という見えないものも、すっかりその形を変えてしまったのではないでしょうか。
 はたして今の自分は「命懸け」で生きているでしょうか。「命」を懸けないで「命」を生きているということは、卑近な言い方をすると、「お金を使わないでただ貯め込んでいる」のと同じ状態なのかもしれません。
 私もずいぶん命の貯蓄ができてしまいましたから、そろそろ真剣に世のため人のため自分のために使おうかと思っています。早く人を卒業して鬼になりたいものです。
 あらためて、両鬼、そしてその親鬼に敬意を表しつつ、ご冥福をお祈りしたいと思います。

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コメント

比較的ご近所の元二子山部屋の花田氏宅の前を通るたび、「花田勝治」という表札を見ただけで、なんだか緊張感が走ります。一度もお姿をお見かけるすることはありませんでしたが、古きよき時代の「阿佐ヶ谷勢」を思い出させる場所です。阿佐ヶ谷もいまは、放駒理事長の部屋しかありませんが。

これから近所のお寺で先に逝かれた元貴乃花関と兄弟仲良く過ごされるのでしょうか。

ご冥福をお祈りいたします。

投稿: AH | 2010.09.02 23:30

AHさん、おひさしぶりです。
なるほど〜、名前を見るだけで緊張感って分かりますねえ。
花田家は華やかですが、なんとなく陰もあるような気がしますね。
それも含めてちょっとこわいような…。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.09.04 12:37

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