冨士山下宮 小室浅間神社 『御更衣祭』
こちら『冨士山下宮小室浅間神社(下浅間)』という記事でも紹介いたしました、60年に1回という神秘の稀祭、神様の御召し替え神事である「御更衣大祭」に行って参りました。
実際には19日未明の祭事でありましたが、18日から寝ずに迎えましたので、18日づけの記事として紹介いたします。
東京で11月のコンサートの練習を終えまして、たまたま連絡のあったマニアックな教え子を連れて富士吉田に帰ってきたのが夜の10時頃。そこから深夜の2時までブラブラと夜の下吉田、西裏界隈で時間をつぶしました。
まさに丑三つ時にクライマックスを迎える神事、この時間帯によってなんともその神秘さがいや増しますね。神事が始まる頃には100人以上の人たちが集まっていたのではないでしょうか。外国人の姿もチラホラ見られます。
本来「劣化・老化」のキャラクターとも言えるコノハナサクヤヒメは、このお召し替えによって若返るとのこと。その時間軸をも自由に行き来する神威の恩恵を、私たちもいただこうというわけですね。
それこそ私なんか60年後は絶対にこの世にいませんから(最近はやりのミイラになっているかも)、とりあえず人間界でこの神秘の祭に参加できるのは、今回が最初で最後ということになるでしょう。おそらく今日この祭に立ち合った人々皆そうだと思います。いや、子どもさんも何人かいましたね。彼ら彼女らは一生で2回体験できるかもしれません。
冒頭に示した記事やこちらの私のインタビューからも分かる通り、私とコノハナサクヤヒメの因縁(?)は浅からぬものがあります。本当に不思議なご縁を頂戴しておりますから、こうした珍しい神事に立ち会えることにも、実にありがたい何かを感じずにはいられません。
さあ、深夜2時、神事は太鼓を合図に始まりました。修祓、大祓詞奏上、その他の祝詞奏上、献饌などは一般的な祭祀と同じでしょうか。三管(笙・龍笛・篳篥)も生で演奏されていました。
一つ興味深かったのは、神殿の開扉と閉扉の際の「オー」という声ですね。「オの言霊」は大地や万物の根源を表すと記憶しております。やはり、コノハナサクヤヒメは、山の神、国つ神であるオオヤマツミの娘
ですからね、下に向かう言霊でお迎えするのでしょう(たぶん)。
さて、このお祭りのクライマックスである「お召し替え」ですが、結論から申しますと、この目では全く拝見することができませんでした。
まあ、それはそうでしょうね。うら若き女性のお着替えなわけですから、そんな人前で堂々と裸にしてしまうわけにはいきません。この時間帯というのも、やはり「闇」を意識してのものでしょう。実際、神事は基本的に闇の中で行われました。
そんな闇の中で、いよいよお召し替えという時、神職の方々が専用の「目隠し」を用意した時には、なんとも不思議な心地となりました。
その時の様子を動画で撮影してまいりましたので、フラッシュムービーにて特別公開いたします。
コノハナサクヤヒメさんごめんなさい。多少見えやすくするために明度などの調整をいたしました。肉眼でもこんな感じでかすかに見えていました。雰囲気だけでも伝われば。
白いうすぎぬの幕が掲げられたわけですが、中の灯明に照らされてなんとなくボンヤリと中の様子が見えるような見えないような…。ある意味エロティックな時間と空間ではありました。日本の神事の本質的な部分を垣間見たような気もいたしました。聖なるモノの前にたたずむ俗なる我。このコントラストがぐるっと回って結合するところに、日本の「ムスビ」のパワーがあるとも言えますね。
途中、神威にあてられたか、クライマックスのあたりで、どなたか参拝者の方がお倒れになって救急車で運ばれたり、その他の方々も何人か転んだり、しゃがみこんだりしてしまったりして、やはり特別な空気に包まれていたような感じでしたね。
私も正直2時間にわたって直立しているのは非常にきつかった。眠気と疲労と緊張で何度か気を失いかけました。
終了後、近所の知り合いや別の教え子にも声をかけられました。その教え子もこのためだけに東京からわざわざ来たのだとか。ふむ、私の教え子にはマニアックなヤツが多いな。変な影響与えちゃったかな(苦笑)。でも、こういうことを理解し、体験できるということはいいことだと思いますよ、純粋に。日本人として、人間として。
フジファブリックのファンとおぼしき方もいらっしゃったような…。志村正彦くんもきっとこの稀祭を見に来ていたことでしょう。なんとなく闇の中で彼の姿を見たような気がしたのですが…。
終了後教え子と話していたら、なぜか、NHKのテレビの取材も受けてしまいました。あやしい風貌に引きつけられたのでしょうか(笑)。ニュースか何かで放映されるのでしょうかね。頭がボーッとしていて、日本語が変になってしまった…恥ずかしい。
いずれにせよ、一生で一度の貴重な体験でした。何か不思議な感覚が私の体と心の中にも残っています。私の「天命」にはコノハナサクヤヒメが強く関わっているようです。それが何なのか、この余韻が残っているうちにしっかり考えてみようと思っています。
| 固定リンク
「音楽」カテゴリの記事
- グレン・グールドの『バッハ フーガの技法』(2023.12.06)
- バッハ『フーガの技法』を見る(2023.12.04)
- 福岡のパワーの源は…(2023.12.01)
- 濱田あや 『デュフリのガヴォットとシャコンヌ』(2023.11.30)
- NHK「音楽の広場」タモリとスポーツテーマ曲(2023.11.25)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- グレン・グールドの『バッハ フーガの技法』(2023.12.06)
- 『首』 北野武 脚本・監督・編集作品(2023.12.05)
- バッハ『フーガの技法』を見る(2023.12.04)
- 濱田あや 『デュフリのガヴォットとシャコンヌ』(2023.11.30)
- 不動明王の愛の荒魂(2023.11.28)
「旅行・地域」カテゴリの記事
- グレン・グールドの『バッハ フーガの技法』(2023.12.06)
- 香椎宮にて(2023.12.03)
- 『MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』 竹林亮 監督作品(2023.12.02)
- 福岡のパワーの源は…(2023.12.01)
- 濱田あや 『デュフリのガヴォットとシャコンヌ』(2023.11.30)
「歴史・宗教」カテゴリの記事
- グレン・グールドの『バッハ フーガの技法』(2023.12.06)
- 『首』 北野武 脚本・監督・編集作品(2023.12.05)
- バッハ『フーガの技法』を見る(2023.12.04)
- 香椎宮にて(2023.12.03)
- 福岡のパワーの源は…(2023.12.01)
「モノ・コト論」カテゴリの記事
- Re:Hackshun【目せまゆき&成田山幽輔】安倍さんは、あの解散をどう考える?(チョコレートプラネット チャンネル)(2023.11.21)
- 在原業平の墓(滋賀県高島市マキノ町在原)(2023.11.18)
- 廣松渉の「世界の共同主観的存在構造」(2023.10.25)
- 映画『君たちはどう生きるか』 宮崎 駿 監督作品(2023.08.22)
- 『顕神の夢〜霊性の表現者 超越的なもののおとずれ』 足利市立美術館(2023.08.15)
コメント
山口先生ありがとうございます。
山口先生、二時間も立ちっぱなしで大丈夫ですか?
本当に御苦労様です。
神秘的な雰囲気が暗闇の中から伝わってきました。
いつか、先生と会いたいです。
投稿: イシハル | 2010.09.19 19:47
イシハルさん、とっても厳粛で幻想的な雰囲気でしたよ。
今度おいでの際にはぜひご連絡ください。
楽しみにしています。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.09.20 10:30
庵主 さま
マニアックな生徒さん方とご一緒でしたか。
お近くにいらしたようですのに、大変失礼を致しまし
た。
本日記のご紹介をさせて頂きたいのですが、宜しいでし
ょうか?
投稿: む い | 2010.09.20 20:31
先生こんばんは。
17日から4日間、富士吉田へ旅行に行ってきました。
虫の音、空、空気、におい、電灯、街並み、雰囲気・・・
街を見て、たくさんのフジファブリックのうたの景色と重なりました。
『御更衣祭』にも参加させていただきました。
今回は一人旅だったので、深夜に街を歩くのは少し不安だったのですが、商店街のお母さんが「一緒に行きましょう」と言ってくださり連れていっていただきました。
このお母さん以外にも、買い物をしているとぶどうをごちそうしてくれたり、車で送っていただいたり、素敵なプレゼントをいただいたり・・・
出会う方々みなさんが優しく温かい方達ばかりで、とても感動しました。
街を愛しているから、よそからきた観光客にもこんなに親切にあたたかく迎えてくださるんだなと感じました。
初めて行ったのに、懐かしくほっとする街でした。
志村さんは、こんなに素敵な街で過ごされたんですね。
志村さん、フジファブリックのおかげで、大好きな街と思い出がまたひとつふえました。
これからもフジファブリックのうたとともに、大切な思い出がたくさんふえていくと思います。
とても楽しい4日間でした(*^_^*)
P.S
『御更衣祭』で先生をお見かけしたかもしれません。
帽子をかぶられていたでしょうか?
長文失礼しました。
投稿: ひこうき雲 | 2010.09.20 21:24
先生レポありがとうございます!
結局二日間 野球に追われて 今やっと見れました〜!
早く家のパソコンで動画を拝見したいです〜!
でも今日は和太鼓の稽古があるので…
うちの和太鼓の団体もちかくに小さいながらも浅間神社があるので名前も浅間を拝しています。
そこはやはり富士登山のために修行するかたたちが穴に篭って修行したところのようです。
今はどちらかというと 怖いスポットとして有名なようですが…。
富士山と浅間神社…神秘に満ちたところなんですね〜。
近すぎて馴染みすぎて特別なところという感覚が正直薄かったです…
あとの日記もこれから拝見させていただきます(^O^)/
投稿: さお | 2010.09.21 13:25
むいさん、こちらこそ失礼いたしました。
記事の紹介よろしくお願いします。
ひこうき雲さん、どうもです。
そうですか!?いらっしゃったんですね。
そう、私は祭礼中もヘーキで帽子かぶってました。
茶色のハンチングでした。
ご連絡いただければお話できましたのに。
次いらっしゃった際にはよろしくお願いします。
さおさん、もしかして「人穴」ですか?
あそこにはいろいろな思い出があります。
洞窟マニアとしてもですが、オウムに追いかけられて生徒と逃げ込んだりもしましたっけ(笑)。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.09.21 18:22
正に・・・です( ´艸`)
あの穴は鎌倉までつながってるとか。
毎年祭典の際には太鼓の演奏の奉納があり神社を訪れていますが・・・
入ったことはありません。
動画拝見しました!
あの静寂の中2時間・・・倒れてもおかしくないですね。
ワタシも動画なのに息を潜めてしまっていたらしくちょっと苦しくなってしまいました。
まさに神秘です。
ありがとうございました。
投稿: さお | 2010.09.22 00:07
さおさん、やっぱりそうですか。
奥に即身仏(ミイラ)がいますよ!
ぜひ一度どうぞ(笑)。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.09.23 18:42
先生
茶色のハンチングをかぶられていたのは、先生だったんですね。
もしまた山梨のどこかでお見かけすることができたら、ご挨拶させていただけたら嬉しいです(*^_^*)
お願いします。
先生のブログに出会えたおかげで、富士吉田を楽しく満喫できました。
本当にありがとうございました(*^_^*)
投稿: ひこうき雲 | 2010.09.27 19:26
ひこうき雲さん、こんにちは。
素晴らしいお祭りでしたね。
またこちらにいらっしゃる機会がありましたらご連絡下さい。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.09.28 17:16