『スエヒロガリ∞』 富士学苑中学高等学校ジャズバンド部 第8回リサイタル
今や我が校の看板クラブとなったジャズバンド部「Moon Inlet Sounds Orchestra(MISO)」の定期演奏会に行って参りました。
昨年末には、最も権威あるジャズコンテストの一つである「浅草ジャズ・コンテスト」で、プロを含む並みいる強豪をおさえて見事グランプリを獲った脅威の高校生バンドです。いやいや、今年からは私の勤務する新設中学校の生徒二人も入りましたから、中学・高校生バンドとなりましたね。そういう意味でも今回のリサイタルは歴史的な演奏会だったと言えるでしょう。
まず、このリサイタルで引退となる3年生7人、お疲れさまでした。たくさんの感動と興奮をありがとう!今日も君たちらしくさわやかな演奏を聴かせてくれました。
昨年の浅草グランプリによって、さらに全国に名を轟かせることになり、毎週末演奏のために遠征するというような、実にタイトなスケジュールをこなしてきた彼ら。しかし、その経験の全てが勉強、鍛練の場となったのでしょう、今日のこの集大成のステージは、今まででも最高の出来になっていたと思います。お客様もさぞ満足だったことでしょう。
もうアンサンブルはプロ顔負けのレベルです。特に今回はサックス・セクションの一体感と柔らかい音色にしびれました。素晴らしい。
ほかのセクションも安定した演奏でしたね。今年は決して華やかではないのですが、とてもしっとりとした織物のようなアンサンブルだったと思います。
相変わらずリズム・セクションも高校生としては充分にうまいと思います。ただ、私のような通奏低音生活(?)をしている者からすると、やはりリズムがもっとどんどん音楽を作っていってほしいとも思いましたね。これは毎年思うことですし、大学生バンドなんか聴いていてもちょっと物足りなく思うところです。
ま、それができたらプロ中のプロですからね。これからいろいろと勉強してもらいましょう。
そんな中でリサイタル・デビューした中学生二人、なかなか堂々とした演奏でしたよ。トランペットの彼女は緊張している様子も含めて、中学生らしい可愛らしさがありました。それでも4月から比べると音色が格段に良くなっているのがわかりました。これから5年、いったいどこまで成長するのでしょうか。
ピアノの彼女は、ちょっと落ち着きすぎ(笑)。終演後にもそんな話をしました。本番ならではの緊張感が良い方向に働くのが理想ですからね。緊張と興奮は紙一重であり、表裏一体なんです。技術はもうすでに結構ありますから、あとは音楽の中身の問題ですね。期待しています。
今日は我が弦楽合奏部の部長と一緒に鑑賞していたんです。で、冗談で来年はこのステージに上がるぞ!なんて言って笑ってたら、最後校長先生がまじでステージからそんなこと言い出してしまって、超ビックリ。さすがにそれは無理ですし、せっかくの素晴らしい演奏を汚すことになるのでやめときます(苦笑)。
もちろん、それは夢でもあります。ビッグバンドにストリングスが入ることもありますからね。古き良き時代の理想的でゴージャスなサウンドになりますよね。歌の伴奏なんか、みんなそういう感じでしたから。なんとか3年後くらいには1曲くらい絡めるようになりたいなあ…。
終演後、OBやOGと話をしました。音楽の道でプロを目指す者、教員を目指す者、音楽を通じた別の夢を実現しようとしてい者…それらもまた楽しみですね。学校、バンド、一つの音楽を卒業していって、そして新たなる世界を切り開いていく。その成果を私たちも楽しむことができそうです。今のうちサインでももらっておこうかな(笑)。
私も中学、高校で始めた楽器と音楽のおかげで、今の自分ができています。今の仕事も音楽が導く縁によるものでした。私の人生のほとんど90%くらいは音楽が種になってできています。そういう体験をしている私からのメッセージはいつも同じです。
「ぜったいに一生音楽を、楽器を続けてくれ!」
最後に顧問の大森先生の言葉を引用させてください。これが事実であることは確かですが、なかなかこういう言葉では表現できないものです。やっぱり指導者がすごい…これがまず最初にありきだと思います。
『毎年違うメンバーで一定レベルの演奏を…あちらこちらで多くの人からよく聞かれます。「毎年、メンバーに恵まれているだけです!」とハッキリ言います。良い指導者で、良い環境で。当たり前のことですが、それだけでは思うような活動、結果は出せません。やはり生徒、メンバーの質です。MISOのメンバーは楽器の練習はもちろん、勉強や生活、いろいろな努力をどこの学校の生徒よりもしています…』
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