『「中国・韓国の歴史教科書」に書かれた日本』 別冊宝島編集部編 (宝島社)
今年ほど本を読まない年はありません。本当に読むヒマがありません。よってこのブログでも書籍の紹介がほとんどありませんよね。自分としてはとても残念です。というか、よく昨年度まではあんなに読むヒマがあったよなあ…。ま、私はいわゆる「即読(速読ではない)」なので、1冊1時間半くらいで読んでしまうので、今でも読もうと思えば読めるのでしょうが、気持ちの余裕がないのでしょうか。
余裕のないワタクシなんかワタクシではない!と思います。でも、実際余裕がないんでしょうね。ハッタリ人生、ギリギリ人生の集大成みたいな毎日を送っていますので。
さて、そんな中、久々に読んだ本がコレっていうのもどうかと(笑)。でも、とっても面白かったので紹介します。
先に言っておきますが、腰巻きに「これが『反日教育』の現実だ!!」とありますけれど、もしこれが「反日教育の現実」だとすれば、正直「!!」をつけるほどのことはないと感じました。ある意味期待外れ(?)。
たとえば、冒頭にも書かれているとおり、私たちが異常に気にしている「従軍慰安婦」や「七三一部隊」などは、ほとんど登場しません。肩透かしをくらった感じです。
「南京大虐殺」や「日帝支配」についても、私が知っている、20年くらい前の両国の教科書に比べると、ずいぶんとおとなしくなっているように感じました。
高校で最後に持ったギャルクラスには、旧満州からやってきた朝鮮族の中国人がいたり、お母さんが韓国人だったりする生徒がいたりしましたので、いろいろとぶっちゃけ話を聞いてみんなでワイワイ楽しんだりしましたけれど、なんか、いわゆる報道されているほどの「反日感情」を持っておらず…というか、それもあるんだけれども、それ以上に「経済」や「文化」の面で日本に好印象を持っている、というのが実情のような気がしました。
あっ、そうだ。ここで書いておこう。この問題を記事にすると、必ず「まじめな」人がKYなコメントをくれるんですけど(特にこの季節は多い)、私は議論する気はありませんから、もし書いていただいても、今回は一切お返事しませんのであしからず。敵前逃亡宣言しておきます。ただし、書かれたものは全て教材として使わせていただきます。それを承知の上書き込んでください。
まあ、とにかく、ワタクシに言わせれば、「歴史」は全て「言葉」によって記述された(語られた・騙られた)フィクション、すなわち「コト」であって、「マコト」ではないということです。あるいは、人間界には「マコト」なんていうのは存在しないと言っていいと思います。歴史的な事実なんていう言葉自体がすで矛盾をはらんだものです。どんな言語も、必ず個別の脳ミソを通過しているわけですから、絶対に普遍的、絶対的ではありえません。
ですから、私がこの問題に関して誰かや何かを批判するとすれば、それは、そうした「マコト(真実)」は存在しないという「マコト(真実)」を無視して、自らの脳ミソという狭い世界(コト世界)に自己洗脳されている、その姿勢だけです。まあ、それを「仕事(シゴト)」にしている方もおられるわけで、営業妨害はできませんけれど。
というわけで、今日もあまり時間がないのでこのへんで終わりにしてしまいます。とにかく、この本を一読されることをおススメします。この本ももちろん脳ミソの編集を経た「コト」でありますが、ある種の人たちの「自己洗脳」を解く一つの良薬になる可能性はあると思います。
そしてまた、別の方には、日本の教科書問題が何に根ざしたものかが、多少は解るのではないでしょうか。
やはり、幅広い勉強は大切ですね。
Amazon 「中国・韓国の歴史教科書」に書かれた日本
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