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2010.08.25

来たれ!中二病

51udd0qq0al_sl500_aa300_ 年までは、高校生担当でしたからね、生徒が貸してくれるCDやマンガというのも、まあそれなりのものが多かったわけです。このブログでもたくさんネタにさせてもらいました。
 しかし、そういう高校生たちは、実は高校生になってからそういうものに出会ったのではなく、たいがいが中学2年生くらいに目覚めているものなのですよね。
 ま、世間一般(?)で言われている「中二病」というやつの副産物であることが多いのです。自立、独立、自我の確立の過程で、「人と違うもの」や「クラスの友だちとは違う心の友」を求めるところから、それは生まれるのでしょうか。
 私も思えばそういう時期がありました。私の場合は少し早稲で、中一の頃だったような気もします。いや、やっぱり最も顕著に現れていたのは中二かな。
 「オタク用語の基礎知識」によると主な症例は次のようなものです。

・洋楽を聞き始める。
・うまくもないコーヒーを飲み始める。
・売れたバンドを「売れる前から知っている」とムキになる。
・やればできると思っている。
・母親に対して激昂して「プライバシーを尊重してくれ」などと言い出す。
・社会の勉強をある程度して、歴史に詳しくなると「アメリカって汚いよな」と急に言い出す。

 なかなか笑えますね。なにしろ身に覚えがありまくりですし、実は今でもこんな感じだからです(笑)。
 また、「中二病取扱説明書」によると、次のような三つのタイプがあるといいます。

・DQN系
反社会的な行動や不良を演じる。根はまじめだったり臆病だったりするので、本当の不良には成りきれない。喧嘩や犯罪行為に対する虚言が多い。
・サブカル系
流行に流されずマイナー路線を好み、他人とは違う特別な存在であろうとする。別にサブカルが好きなわけではなく、他人と違う趣味の自分は格好いいと思い込んでいる。
・邪気眼系
不思議な力に憧れ、自分には隠された力があると思い込み、そういった設定のキャラ作りをしている。別名、妄想系。

 ふむふむ、これも全部身に覚えがあるぞ。てか、サブカルと邪気眼は、まんま今のワタクシではあ〜りませんか!46歳にして中二病癒えず…笑。
 それで、今年から中学の担当になったじゃないですか。それも新設校ですから、今1年生しかいません。そして、いよいよそういう子が登場しつつあるわけですよ。全体にまだまだ小学生ですが、ほんの一部では、「大人」の胎動が始まっているのです。
 その一人がこれらを貸してくれました。RADWIMPSの最新シングル2枚。おお、ラッドか。なるほどラッドなんか、まさに中二病の象徴みたいなもんだな。いや、私が好んで聴いている現代の日本のロックもみんな「中二病」です。いやいや、ロックは中二病です。なぜなら、私が定義したように「ロック=さびしさ」なのですから!「ロック=僕を見て!」なんですから!
 そう、私がフジファブリックをはじめとする若者のロックを聴くのは、正直「中二病」を求めているからなのです。46歳の私の中の中二の私がそこにいるんですよね。そして、46歳の私は私の中の中二の私に憧れている…。
 だから、こうして着実に中二に向かっている少年たちを見ると、ちょっと懐かしく、うらやましく思うし、応援したくなるのです。
 明日、なんと始業式です。寒冷地ですから。夏休みの国語の宿題が楽しみです。ジャンルを問わず、自分のおススメについてのプレゼンテーションを作ってきてもらいます。ま、広告みたいなものですね。これで各生徒の「中二病度」が分かるのではないでしょうか(もちろん、それを知るのが目的ではありませんよ)。
31zrcvfvldl_sl500_aa300_ ところで、今回のラッドですが、声質と曲調、またいつも書いているJ-ROCKの特徴である「6指向」のため、どう聴いてもBUMP OF CHICKENにしか聞こえません。私はラッドとは距離のある人間ですから、別にいいのですが、ファンは落胆するでしょうね。そして、バンプのファンは怒るでしょう。
 レビューを見ると、特に「携帯電話」が「車輪の唄」にそっくりだという人が多い。しかし、これは全く当たっていません。音楽的な共通点は「カントリー」をベースにしている点だけです。ただ、あの「声」「歌い方」そして「カントリー」が揃えば、たしかに「そっくり」に聞こえるでしょうね。それは感覚としては当たっています。
 バンプこそ「中二病の権化」です。あそこまで徹底していれば、私は尊敬します。その点、ラッドは、つまり野田洋次郎は中途半端なのかもしれません。
 以前、「アルトコロニーの定理」のところに書いたように、野田さんの課題は「○○に似ている」からの脱却、すなわち、中二病の徹底、重篤化なのかもしれません。ロックは大変だ。ロッカーは一生中学2年生でいなければならないのですから。
 まあ、私も含めて、こうしてアーティストの作品を「ああでもない、こうでもない」言ってる大人たちも、充分に中二病ですね。
 そうそう、今日変な夢見ました。自分が山口組の組長に抜擢される夢です。夢の中で私はすっかりその気になっていました。やっぱり中二病が癒えていないようです(笑)。

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コメント

庵主様、その通りです。
「中二病」が治らないどころか、世間上「大人」であろうとするため、完治したかのように見せかけ(最近それすらしないけど)、実は年をとるにつれ、中二の時より症状は重く複雑で、完全に慢性病。
ロックを愛する大人の共通点では?
聴いてる側はそれだけですみますが、作る側は「中二」と「大人」の狭間で、大変な心の葛藤が日常的にあるのでしょう。
志村君、よくがんばったね。
特にフジファブリックの「花屋の娘」をこよなく愛する私たち、治療の余地はありません(o^-^o)

投稿: バンコクのジャックラッセル | 2010.08.26 09:44

こんばんはまだまだ暑いですね。
「お、今日はRADかぁ…」と思って読んでいたのですが、
>洋楽を聞き始める
この部分で笑ってしまいました。
はい、まさに。私が音楽好きを自認したのが
kaja goo gooの「too shy」を聴いたときで、
あれは中1でしたねぇ。
「たのきんトリオとは違うのよ」なんて思ってました。

今でも、好みの音楽に出会って「絡めとられるぅ~!」と感じる瞬間、体の中に爆発しそうな何かが生まれてやみくもに走り出したくなる(笑)先日41歳になりましたが、私の中の音楽に触れる部分は13歳のままですね。

投稿: くん太 | 2010.08.26 22:05

バンコクのジャックラッセルさん、くん太さん、おはようございます。
そうですね、結局大人はみんな中二のまんまなんでしょうか。
基本はあの頃と変わらないけれども、社会に無理矢理合わせて生きてきたような気がします。
アーティストの皆さんは本当にすごいエネルギーを使っているんですよね。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.08.27 08:41

庵主さん、こんにちは。う〜ん…RADの野田くんは、BUMPがお好きなようですし、こんな色合いの曲があっても不思議じゃないのかもしれませんね。

中ニ病のお話、笑ってしまいました。女子にはそれほど面白い中二病がないような気がします…。あえて言うなら「男子って馬鹿〜!」って白い目で見るのが、女子の中二病の大きな症状かな?笑

今は温かい目で見れます。むしろなくさないで欲しいものですよ。

余談ですが、今月、たぶん庵主さんとほぼ同時期に秋田の横手に行きました!あいにくのお天気で、ほんの数時間の滞在でしたが、憧れの秋田でした。笑

投稿: mio | 2010.08.27 23:28

mioさん、ニアミスでしたね(笑)。
そうそう、女子の中二病ってちょっと男子と違うんですよね。
中二病にかからない子もいますし。
でも、たとえばBUMPファンの女の子なんか、けっこう中二病重篤ですよね。
そういう子は高校生になっても独特のオーラを出しています(笑)。
ま、いずれにせよ、悪いものじゃないですね。
私も最近再発気味です。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.08.29 09:54

ご存知(?)中一なのに中二病の昌平です。
RADを聴きながらこの記事を読んでいました。
やっぱり、中二病ってすてきな病気ですね。(ちなみに僕はサブカル系ですね・・・・・)
フジファやRAD、そんなアーティストの芸術を聴きながら中二病生活を過ごしていきたいとおもいます。(って、勉強しろよ!)

投稿: 中二病の昌平 | 2010.10.08 15:02

サブカル系かあ。
一番危険だな(笑)。
勉強もそこそこに、しかし勉強以上に大切なこともあるのだ!
特にフジファブリックを聞き込むように。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.10.08 17:13

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