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2010.08.28

弦楽合奏部デビュー!

20100828_221943 ぅ、たった3分だったのですが、妙に疲れたぁ。でも、とりあえず良かった〜。
 いつも出ているコンサートは、基本自分の心配だけしていればいい。しかし、今日は全然違う状況。運動部の監督の気持ちが少し分かったような…。
 この春、中学校を開校しまして、そちらで私の夢だった「弦楽合奏部」を創らせていただきました。本日、その初めてのお披露目の機会があったのです。場所は、地域で一番大きなショッピングセンターのレジ横のスペース。弦楽器にとっては、非常に不利なシチュエーションではありましたが、まあ無事に拍手をいただきまして、ワタクシどものデビュー戦は見事成功裡に終了いたしました…かな(?)。
 私は高校時代にその名も弦楽合奏部に所属していました。そして、その時の経験が基礎となって今の私が形作られているという実感から、どうしてもいつか創りたかったのがこのクラブです。ようやく夢がかないました。
 本当に私の人生はヴァイオリンによって形成されたと言っても過言ではありません。音楽や楽器が、世界、特に人脈を広げてくれまして、単なる趣味の領域にとどまらず、私生活から仕事に至るまで、本当に大きな影響を与えてくれました。
 そうした音楽や楽器、そして人々への恩をこういう形で返すことができるようになったことは、本当にうれしいことです。自分が得た幸せを次世代にも体験させたい。これも一つの「報恩」の形だと思うのです。
 いつも書いていますが、私たちは「恩に報いる」というと、その恩人(または、たとえば音楽自体や楽器自体)にお礼をしたり、お返しをしたりすることだと思いがちです。しかし、実際の「報恩」とは、そういうことではないと思います。
 たとえば、親の恩にはなかなか報いることができないじゃないですか。分かっていても大概は「墓にふとんは着せられぬ」なのです。しかし、その代わりに、その気持ちをもとに、今度は自分の子どもに愛情を注ぐわけじゃないですか。それで、自分の子どもが全然その気持ちに応えてくれなくても我慢できるわけですよね。そうして、「恩」は天下の回りものになっているのです。
 私も、今ちょっと思い出すだけでも、特別に恩を感じる方が両手では全然足りないくらい挙がります。しかし、そのうちもう既に亡くなってしまった方が半分くらい。いつかお礼を、いつか恩返しを、と思っているうちにこんなことになってしまいました。
 たしかに世間の常識的には、私は不義理な人間かもしれない。でも、先ほど言ったように、恩というものは、その人自身に返さねばならないものではないと考えれば、気持ちも楽になりますし、また、実はその方が正しい生き方なのではないかとも思われてくるのです。
 つまり、ただその人との関係においてギブ&テイク的に、すなわち貨幣経済的に利益が交換されても、それはそれで完結してしまい、なんの発展性もありません。もちろん、そういう現世的な利益も私たちには必要ですが、それ以上に大切なのは、自らが感得した「恩」に基づき、自らの行動を変えて行くことなのではないでしょうか。
 たとえば、私なんか職業柄、感謝されたり、ま、場合によっては物品をいただくこともあるわけですよ。それもそれで意味のあることですが、どちらかというと、そうしていただくより、その教え子がその経験をもとに、社会人になって自らの仕事を通じてでもなんでもいいので、誰かの幸せのために貢献してくれれば、それで満足なのです。それこそが、私にとっては最もありがたい「報恩」の形なのです(なんて、ちょっと恩着せがましい感じですけど…)。
 私、お釈迦様が語る「縁」と「恩」ってそういうものだと思うんですよね…と、話がだいぶそれてしまいましたが、つまりそういう考え方に基づいて、今回弦楽合奏部を創らせていただいたのです。
 その初代部員たち9名が今日演奏したわけです。演奏曲目はパッヒェルベルのカノン。初心者が4ヶ月でこの曲を演奏するのは非常に難しいことだと思います。もちろん、それが可能になったのには、ちょっとしたカラクリ(編曲やらなにやら)があるわけですが、それにしても子どもたちはよく頑張ってくれたと思います。
 夏休み前の段階では、これはショッピングセンターでのテロ行為ではないか、買い物客がバッタバッタと倒れるのではないかなどと、半分冗談にならない冗談を言うほどの不協和音の連続だったのですが、まあ、なんとか皆さんの気分を害さない程度の出来にはなったかと思います。ふぅ、安心した。
 しかし、生徒たちの研鑽の旅、私の報恩の旅は始ったばかりです。勝負はまさにこれから。6年間でどこまで引き上げられるか。そして、どれだけ、一生楽器や音楽を友として生きて行ける生徒を育てられるか。頑張ります。
 今日はほかにも、日本一のジャズバンド部、昨年この場で関わった能楽部、若さはじけるダンス部、ちょっとマニアックな自然科学部、地味ながら実は最もグローバルな外国語会話部などが発表しました。浴衣姿の茶道部による接待も魅力的でした。スポーツ系のクラブが脚光を浴びがちな中、こうして文化部が一堂に会してアピールする場があるというのは、実にいいことですね。それぞれが輝いて見えました。

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コメント

先生こんにちは(゚▽゚)/

このショッピングセンターはまさしくワタシが富士吉田の帰りに食料調達するあのショッピングセンターです!

お目にかかりたかったです〜!

なにかの機会に是非!

M-ONでフジフジ見ました。

やはり花火が電波通すと何となく違うようなのと似た感じ…

あの神聖な空気と喪失感やら満足感やら達成感やら、16000人とフジファブリックの三人と縁の深いアーティストたち、親戚縁者の方々の様々な想いでなんともいえない雰囲気だったあの感じは

電波通した感が拭えず…

つくづく あの日 あの場所にいることが出来たことに感謝しています。

長々すみませんでした。

投稿: さお | 2010.08.30 14:06

さおさん、こんにちは。
そうです。あそこで初ライヴ(?)でした。
またぜひ富士北麓にいらしてください。
その時はご連絡くださいね。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.08.31 16:49

わあ!!!ありがとうございます!!!
とりあえずは10月24日のケアマネ試験終わるまでは吉田に行くのは我慢(お墓参りは行きたい・・・)
今まで月2~3回行っていたので非常に辛いです・・・。

先日、月江寺駅に車で行き、突き当たってしまい、わき道に入ってウロウロ、さらに突き当たった駐車場でUターン。
したときに学校があったような???
先生の学校だったんでしょうか?

では先生に会えるように、志村くんに富士山から見守ってもらいながらがんばります!

投稿: さお | 2010.09.01 00:37

そうですね、月江寺の駅のあたりから少し奥まったところに高校があります。
中学はちょっと離れているんですが。
志村くんが遊んだ池のすぐ横です。
お越しの際にはご連絡ください。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.09.01 14:27

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