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2010.08.19

第25回 都留音楽祭 1日目

↓オープニングコンサートの一幕
Img_1062 年で25回目を迎える東西古楽の祭典、都留音楽祭がいよいよ始まりました。あの世界一のソプラノ歌手、エマ・カークビーさんも講師としていらっしゃっています!夢のようです。
 25年前のあの日、こんな日が訪れるとはそれこそ夢にも思いませんでした。
 今年は音楽祭の25回目を祝うとともに、自分自身の25年に及ぶ古楽生活を振り返りながら記事を書きたいと思います。
 四半世紀ですかあ。まあ、25回目ですから、周年で言えば24周年ということですね。ただ、私にとってはまさに25周年なんですよ。
 今から25年前の1985年。季節は覚えていません。あの日から私の「都留音楽祭」は始まったのでした。あの頃、私は都留文科大学の3年生でした。正直、この山の中の小さな大学には不本意入学でしたし、大学2年生までは、大好きな古楽(バロック音楽)を楽しむには程遠い生活をしていました。
 そんな私は何を思ったか(いや、単に下心があったのでしょうが)、なぜか東洋の古楽にいそしむため「箏曲愛好会」に入部して、美しい女性たちに囲まれながらお琴を弾いていたのでした。実は男性部員は二人いました。高校の弦楽合奏部の先輩が私のあとに入部してきまして、たった二人で女性独特のドロドロした世界に巻き込まれながらも、尊敬すべき先生にも助けれて、なんとか活動を続け、もっぱら荷物運びにいそしんでいました。
 その先輩とは、時々古楽のまねごとをして遊んでいました。ヴァイオリンとチェロでコレルリのソナタなんかを二人で演奏したことを思い出します。また、お琴でバッハなんてことも、もうその頃からやっていました。
 今思えば、その先輩との東西古楽生活がこの音楽祭の基礎になっているとも言える…なんてことはないか…いや、一概に否定できない部分もあるのです。
 で、その先輩とのある行動が、この音楽祭の音楽監督として四半世紀にわたって君臨し続ける(?)有村祐輔先生との出会いを生んだのでした。
 当時、まだ大学には現在のような立派な音楽棟はありませんでした。あったのは木造の、正直絵に描いたようなオンボロ校舎。歩けばかしこでギーギー、キューキュー、美しい(?)音楽が奏でられるような校舎です。
 私とその先輩(大学では後輩でしたが)は国文科でしたので、実はほとんど音楽棟に行ったことはありませんでした。しかし、ある日、初等教育学科の友人から、「音楽棟にハープシコードがある」とのウワサを聞きつけまして、その夢の楽器に一度も触れたことのなかった二人は、興奮して見に行くことにしたのでした。
Gedc0905 うわぁ!本当にあった!!ある教室の奥に、その幻の楽器は鎮座ましましていたのです。
 しかし、当然と言えば当然、その部屋の扉には鍵がかかっています。私たちは地団駄踏みました。それはそうです。そこにたしかに憧れのチェンバロが見えているのに、触れることも、いや近づくこともできない。
 ついに私たちはある強行手段に出ました。音楽科の先生に直談判に行った…のではなく、なんとなんと、そんな面倒な手順を踏むほど冷静ではなかった私たちは、そのオンボロ校舎がオンボロであるのをいいことに、いかにも年季の入って隙間だらけの引き戸を力づくで外しにかかったのです!
 たしか二枚の引き戸の中央に、あのネジ様の鍵をねじ込むタイプだったと思います。そのネジによって完全に連結された二枚のガラスの入った戸板をそのまま外してしまったと記憶しています(笑)。
 今思えば、あの校舎があのような木造校舎だったからこそ、そんな過激な潜入が可能になったのですね。今の校舎のようなフツーの堅固なドアと鍵だったら、そんな大胆な発想は出てきませんよね。まったく運命というのは不思議なものです。
 見事に潜入を成功させた私たちは、我先にとその幻の楽器に向かって走りました。そして今、目の前にその楽器が現実としてある!私たちの手は明らかに震えていました。
 どちらが先に手を触れたのでしょうか。いや、今思い出したぞ。鍵盤楽器が弾ける女の子を連れていったんだ!w その彼女が最初に弾いたのかなあ。とにかく、その全く調律されていないハープシコード(当時はそう呼んでいたような気がします)から、調子っぱずれの「インヴェンション第1番」が鳴り響いた記憶があります。それはそれは感動的な不協和音でありました。
 ひとしきり、憧れの相手との出会いと触れ合いを堪能した私たちは、背後に人の気配のあるのに気づきました。いや、気づかないほどに興じていたのかもしれません。突然声をかけられた私たちは思わず現実に引き戻されました。
 うわっ、大学の先生だ!怒られる!始末書ものだ…そう思った私たちは、ある意味我が耳と目を疑いました。
 「君たち、チェンバロに興味があるのかね?」
 そこに立つ男性は、ものすごく優しい目をしていらっしゃり、そしてなんとも言えない喜びの笑みを浮かべているように見えたからです(明日に続く)。

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