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2010.07.07

たなばた

X2_1da38dc 日は七夕。本校でも、生徒それぞれがそれぞれの願い事を短冊に書いて竹に飾り付けました。
 男女とも「身長が伸びますように」というのが一番多かったのは意外。そういうお年頃なのですね。なんとなく懐かしいような。
 今日は昼間ずっと雨がしとしと、いやじとじと降っていたのですが、ここ富士山では夜遅くなって突然晴れ渡りました。寝室の窓から天の川がはっきりと見えます。今ごろ二人は逢引きしてるのでしょうか(笑)。
 そうそう、この「たなばた」ですが、もちろん中国の乞巧奠が日本の宮中に伝来したものです。中国では織姫さんが牽牛くんの方へ出かけていくということになっていますが、日本では「通い婚」の影響で、牽牛くんが織姫さんのところへ夜這いに行くという設定になっているんですよね。国風化です。
 生徒たちは「身長が…」みたいなことを書きましたけれど、本来は「芸事」特に「女性の習い事」特に「裁縫」の上達を願う行事でした。
 「棚機」という字からも分かる通り、もともと日本で「たなばた」というと「棚機女(たなばたつめ)」を思い起こしていました。それは実は7月7日とはなんの関係もありません。ただ単に、神依せの儀式が女性によって機屋で行なわれたことを起源としています。
 その「機」と中国の「織女」のイメージがいつのまにか習合したのでしょうね。またお盆の行事とも重なったりして、現在の形になったと。年に1回会える、というのもお盆と重なっていますからね。
 なんで笹の葉さらさらなのかとか、短冊の意味とか、その他各地方独特の七夕行事の作法などとなると、もう本当にメチャクチャな複合文化の説明を長々としなければならないので、今日は割愛します。
 当地方、富士北麓地域は昔から織物業がさかんでした。今ではすっかり低迷してしまっていますが、以前は世界的に有名な絹織物の産地でありました。ですから、当然「棚機」の行事も今とは違った意味をもって盛大に、いや厳かに行われていたようです。
 なにしろ、富士吉田の織物の起源は、あの秦の時代の徐福だと言われていますからね。徐福直伝の養蚕および織機の技術が伝承されていたと。考えてみればものすごいことです。「たなばた」の由来にも、当然秦氏が関わっていますでしょう。実際当地方にはたくさん「羽田氏」がいますから、ここに伝わっていた「たなばた」の行事は、民俗学的、歴史学的にも貴重なものなのではないでしょうか。
 今は外国産の安い繊維や化学繊維などに押されて、当地方の織物業者は苦戦を強いられています。そんな中、フジファブリックの命名の由来となった「富士ファブリック」さんは頑張っていると思います。ぜひこれからも頑張ってもらいたいですね。
 ただ、なんと言いますかね、この「たなばた」の行事を新暦で行なうようになってから、また少し違った意味というか、雰囲気が漂い始めているような気もするんですよね。なにしろ、梅雨が明けていませんからね。今年なんか特別ですよ。こうして天の川が拝めるのはめったにないことです。
 つまり、年に1回の逢引きさえもかなり危うくなっていて、現実には10年に1回くらいしか二人は会えないということですよ。五月雨で天の川の流れが早すぎて、さすがの牽牛くんも泳いで渡れないということです。
 てか今の時代、男は草食系ばっかりですからね、女は川岸で待っているばかりではダメです。中国みたいにこっちから渡っていかなきゃ(笑)。はっきり言って、女性の方が積極的でアクティブ、いわば肉食系ですからね、増水した川なんかものともせず、安珍清姫伝説の清姫みたいに、「なんで来てくれないんだよ〜!」とか怒りながら(つまり大蛇となって)織姫が増水した川を渡ってくるかもしれません。
 さすがに今日は来ないだろうと思って、ワールドカップでも観るために早めに寝るかと思っていた牽牛くん、突然の大蛇織女の来訪に思わずたじろいでしまう…とか(笑)。
 昔のように旧暦でお祭りしていれば、けっこう晴天率高い頃ですし、天の川もアルタイルもヴェガも天頂付近まで高く昇っていますし、また、ちょうどペルセウス座流星群の頃ですから、いわゆる「よばい星(流星)」もたくさん流れたりして、古来のアクティブな男らしいシチュエーションになるんですけどね。
 こんなところにも(天界にも)、男性の草食化の波が押し寄せているんでしょうか(苦笑)。

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