バッハ vs みのるちゃん(その2)
さあ、バッハとみのるちゃんの対決(?)、どっちが勝ったのでしょうか。
皆さんは全く理解できないかもしれませんが、このブログにも時々書いているように、私にとって「音楽とプロレス」は全く同じものです。寸分も違わないと言ってもいいでしょう。少なくとも私がそれらを鑑賞する際、脳ミソの全く同じ部分を使っているのは事実なのです。それを前提に「鈴木みのる選手」について書いていこうかと思います。
で、昨日は何があったのかと言いますとですね、そうです、半恒例のプロレスリングの勉強会「スネークピット・キャラバン・サイエンス」が、鈴木みのる選手を講師に迎えて行われたのです!
スネークピット・キャラバンと言えば、我が家では桜庭和志選手の時を皮切りに、ウチの夫婦は高山善廣選手、木戸修さん、そして藤波辰爾さんと、夢のような講師陣の回に参加。それぞれの講師に十数人の生徒という、めちゃくちゃ贅沢な勉強会です。特に「サイエンス」はトークだけでなく、技の実演(セミナー)もあり、もうマニアなら卒倒しそうなくらいの魅力的な催しなのです。
今回は、現三冠チャンピオンである鈴木みのる選手が講師ということで、私は行きたくて死にそうだった(?)わけですが、さすがに自分の試合…じゃなくてコンサート(いや、やっぱり試合だな)があり、それも教え子たちが観戦…いや鑑賞しにくるとなれば、さすがに断念せざるを得ません。しかし、そこはプロレス好き最強タッグチームの我が家、私を除く3人がしっかり私の分まで勉強してきてくれました(ま、娘たちは端っこでお絵描きとかしてたみたいですが…笑)。
そして、彼女たちからさっそく伝え聞いたところによりますと、やっぱり「鈴木みのる」は私の思った通りのプロレスラーだったようです。カミさんはじめ生徒の皆さん、スネークピット所属のレスラーの皆さん、そしてスネークピット・ジャパンのボス宮戸さんも、改めていろいな発見があり感動したようです。
サイエンスでは、プロレスリング研究家、那嵯涼介さんが司会進行を務めてくださいます。私が家内に託したみのるちゃんへの質問もしっかり聞いてくださりました。那嵯さん自身も得るところの多い勉強会だったようですね。ああ、行きたかったなあ…。
私、このブログでは鈴木みのる選手のことを一度しか書いていないんですよね。こちらの記事です。ノアでの秋山戦。そこにも書いてありますが、それまで実はあんまり好きじゃなかったんですよ。でも、あの試合から突然大ファンになってしまった。あっ、この人はプロレスを本当に理解している!と感じたのです。あっ動画がありました!
うわぁ!今見直して泣いてしまった…。負けてかっこいいみのるちゃん。しっかし、すごいプロレスですね。総合格闘技、MMAとは全く違う「モノ」があります。
繰り出された技は、秋山選手のエクスプロイダー以外はほとんど古典的な技ばかり。張り手(ビンタ)に至っては「技」以前の原始的な動きです。それでこれだけ人を感動させられるんですからね。プロレス道ここに極まれり、ですよ。
サイエンスでの発言内容はここには書けませんが(オフレコです)、とにかくみのるちゃんは、頭が良くて、しっかりプロレスの歴史も現状も、あるいは自分の立つべき位置もわかっていて、その上で自分のスタイルを貫いていることが理解できました。
なんていうのかなあ、やたらと大技を連発したり、ロープワークやコーナーポストを使ったり、飛んだり跳ねたりするのではなく、きっちり基本的な動きの中で相手を支配し、試合を支配し、会場を支配していく…本来あるべきスタイルではないでしょうか。
音楽でも、たとえば古楽なんか、どんどん曲芸みたいな演奏が増えてるんですよ。やたらハイスパートで、アクロバティックな演奏。そういうのも面白いと思った時もありましたし、そういう音楽のあり方、特にライヴな音楽のあり方というのも認めますが、やっぱり最近飽きてきてしまった。もっと、「心」のある演奏を聴きたいし、演奏をしたいと思うようになりました。
みのるちゃん(あえて敬意を表してこう呼ばせていただきます…笑)は、日本人では数少ないカール・ゴッチの本当の弟子です。私生活まで含めて、彼はゴッチ先生とある意味対等につきあって、そのスピリットの部分をしっかり受け継いでいるレスラーです。
音楽で言えば、古楽の伝統(それはテクニックだけではなくスピリットも含めてですよ)をしっかり体得して、現代に自分のスタイルとして継承している演奏者ということです。ブレない、その人にしかできない音楽を持っている奏者です。実は音楽会にも、そういう人なかなかいません。やたら上手な若手は増えましたが…。どこも同じような状況ですね。
というわけで、私は改めて鈴木みのる選手の偉大さを知り、そのスピリットを自分の仕事や趣味に活かしていきたいと心から思いました。臨済禅でいう「請務其本」です。枝葉末節に心を奪われず、しっかりその「本」…「根本」、「本質」、「本流」を見極めて行きたいものです。
今週末には鈴木選手が地元にやってきます。もちろん観戦しに行きます。そして、できたら私も話をしてみたいなあ…。
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