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2010.06.04

ことたま…政治における「言葉」とは

20100605_63545 首相誕生。すなわち民主党分裂の序章。全てはシナリオ通り…?。
 カリスマのいない集団は必ずこういう形になります。今やどこにもカリスマはいません。カリスマとは壮大なる「物語」の語り部のことです。
 政治は「まつりごと」。大衆の気分をまとめあげて、高次のパワーを現出させるのが、まつりごとのカリスマの仕事です。そうしたコトを為すには、「言葉」の力、すなわち「言霊」がなければなりません。
 「ことたま」という言葉、私は自らの研究(?)に基づき、一般的な解釈(江戸時代に生まれた新しい解釈)とは一線を画して理解しております。古い文献には「事霊」と書かれることが多くあることに注目して、素直に「事」の「エネルギー」と解しているわけです。
 では、「事(コト)」とは何かと申しますと、これは「物(モノ)」の対義語でありまして、ものすごく簡単に言ってしまうと、「実現」「現実化」ということです。「モノ」が「夢」や「妄想」だとすると、それを現実化して「コト」にするエネルギーが「事霊」です。
 その「コト化」の方法、手段、メディアとして「コトの葉」が発明されました。言葉の起源です。ですから、「事霊」と「言霊」とは重なることが多くなり、いつか混同されるようになり、さらに江戸時代の国学者たちによって「誤読」されていきます。そして今に至る。
 日本は「ことたまさきはふ国」でした。優れた「言葉」によって「まつりごと」が為され、そして、理想がどんどん現実化していく、そういうエネルギーに満ちた国でした。それがこんな骨抜きなつまらない国家になってしまった。残念ですね。
 私はそういう意味において、けっこう保守派です。昨日の記事も、そういう意味での「物語」や「言霊」や「事霊」の復活を願う内容でしたね。
 さてさて、今日のプライムニュースは、「緊急特集!新内閣発足 西部邁が新政権を斬る」。ある意味私好みの論客である西部邁さんが、思いっきり西部節を炸裂させてくれまして、実に面白かった。民主党の松井孝治前官房副長官や新進気鋭の評論家宇野常寛さんを向こうに回して、実に「懐かしい」言霊で「保守的な」物語を語ってくれました。
 ああ、なんか安心するなあ。こういう人。バカ田大学の教授って感じでしょうか。一般人に理解できるかどうかは別として、確固たる「筋の通った」物語を語れる人って、今減ってしまいましたからね。
 10日間はこちらで観られます(聴けます)ので、ぜひご覧(お聴き)ください。
 「汝みずからを知れ」「日本国民は黙れ」「一知半解の者が口数が多すぎる」「民意なんて気分」「革命や維新は温故知新」「過去の英知を現在に巡り来たらす」「ブルシット」「人間リテラシー」
 西部さん、結局、大衆批判、知識人批判という昔から変わらない語り口だったと思いますが、ここまで来れば、もう立派な「芸」ですよ。言葉に力がある。そして、面白い。微笑ましい。
 正しいか、正しくないかではなくて、やっぱりその人の脳内ビジョンというのは、「まつりごと」にとって非常に重要だと思いました。ピジョン(鳩)のビジョンは正直理想論すぎて、そして、それを表現する言葉があまりに稚拙すぎて、「民意=気分」という「大衆愚」を「事霊」にまで昇華できなかった。その点、なんだかんだ言って小泉さんはカリスマだったと思いますよ。
 結局、私たちはそういうビジョン(物語、言葉)のもとに集まるピジョンみたいな存在なのですね。ピジョンにはピジョンを束ねる力がなかったということですか(笑)。

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コメント

前略  薀恥庵御亭主  様

「言葉」は 基本的に・・・
「本音」と「建前」の
バランスだと感じています。

愚僧など・・・
99㌫は「建前」です。 笑

「本音」で書けば・・・
「山上龍彦」様
「横山ホットブラザーズ」様

「建前」で書けば・・・
「大乗伝通要録」
「声明の源流」。   大笑

小津映画の「麦秋」で子供達
が放った「馬鹿」「大嫌い」
そして・・・「うんこ」。

これが本物の「言魂」ですね。

建前おじさん      拝

投稿: 合唱おじさん | 2010.06.05 21:51

合唱おじさん様、こんにちは。
私も「麦秋」の「うんこ」大好きです!
そういう意味では「お早う」の「音魂」もいいですよね(笑)。
私も普段はタテマエで生きていますが、
この草紙ではけっこうホンネを書いちゃってます。
ストレス解消してるのかもしれませんね。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.06.08 18:29

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