ジェイソン・ヴィーオ 『イメージズ・オブ・メセニー』
Jason Vieaux 『Images of Metheny』
これは本当に素晴らしいアルバム!隠れた名作。ぜったい買いです。
昨日も「カバー」のお話でした。カバーが成功して、オリジナルのファンが絶賛するというのは、あまりないことです。オリジナル自身が絶賛するのは普通ですが(笑)。
このアルバムは、そのオリジナルであるパット・メセニー自身はもちろん、多くのメセニーファンも絶賛している名カバー集です。
パット・メセニーの名曲たちをクラシック・ギター用に編曲し演奏しているのは、ジェイソン・ヴィーオ。現代アメリカを代表する若手ギタリストです。
彼はバッハからラテン、そしてメセニーまで、ある意味なんでもこなす演奏家でして、そのいずれもが比較的オーソドックスな解釈で安心して聴くことができます。卓越したテクニックだけでなく、音色の美しさも彼の特徴ではないでしょうか。
まず彼のバッハを聴いてみましょうか。
なかなかいい演奏ですね。バッハの音楽の本質がスマートに表現されています。
彼はバッハなどバロックのレパートリーも得意としているようです。その影響か、今日紹介するアルバムにも、メセニーの楽曲を自らバロック組曲風に編曲しているものがあります。それもなかなかいい。バロック舞曲&パット・メセニーファンの私のツボに入りまくりました。
こういうのを聴きますと、クラシック・ギターっていいなあ…と思ってしまいますね。意外に思われるかもしれませんが、私、実はアコースティック・ギターに憧れているんですよ。ある意味ギターに挫折してヴァイオリンに行ってしまったとも言えます。
発音の瞬間にかける感覚と、減衰の中での色付けに魅力を感じます。それが可能なのはギターとクラヴィコードですね。生まれかわったらそのどちらかを弾きたいと思っています。ヴァイオリンはもういいや(笑)。
では、このアルバムから1曲聴いてみましょうか。メセニー節の中でも特に有名な『Letter From Home』です。
う〜ん、いいなあ。涙が出そう。美しい。こうしてクラシック、いや現代音楽として聴くとですね、パット・メセニーがいかにすぐれた「作曲家(コンポーザー)」であるか分かります。彼の特徴を一言で言うなら、「単純と複雜の織りなす妙なる綾」なんですよね(全然一言じゃないか)。
シンプルさと複雑さの交錯は、これはすなわち「自然界」のあり方であって、言うなれば「musica mundana」なのです。これは「天上の音楽」と訳されることが多いのですが、それよりも「自然界の音楽」と言った方が私たちには分かりやすいかもしれません。
そう考えると、先日紹介した「オーケストリオン」は、それと「musica humana(人間の音楽)」、「musica instrumentalis(道具の音楽)」のハイレベルな融合なのかもしれませんね。おそるべし、パット・メセニー。音楽界を全制覇か…。
原曲も聴いておきましょうか。やっぱりこちらも美しすぎる…。
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