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2010.05.08

「継続した」芸は身を助く

92477495_2 日は6月の横浜でのコンサートへ向けて初練習。こんな名曲たちをこのようなメンバーで演奏できるようになるなどと、ヴァイオリンを始めた頃(30年前)の私は想像したでしょうか。絶対していませんでしたね。本当に「継続は力なり」、そして「縁は異なもの味なもの」、「芸は身を助く」です。
 本年度スタートした我が中学校では、私の夢でもあった「弦楽合奏部」を創立させていただきました。今、30年前の私がしたように、楽器の持ち方やボウイングの基礎を練習しています。彼ら彼女らの30年後はいったいどんなふうになっているのでしょうね。
 私のようにぜひとも細々とでも(いや、けっこう派手にかな?)音楽を続け、そしてそこから縁を広げていただきたいものです。音楽は人と人をつなぐ最高のメディアです。
 さて、今日は練習が終わってから、もう一つの「芸」のスタートを見守ることとなりました。
 今年の春、副担任として送り出したクラスのある女の子が、タレント(女優)を目指すということで、ある事務所で勉強をしています。彼女は高校在学当時から学業とタレントの修行を両立させていたのですが、卒業にあたって、普通に大学に行くか、そっちの道に行くか迷った末、自分の可能性にかけてみるということで、合格した大学を蹴ってそちらに進むことにしました。
 今日はそんな彼女の初舞台を観に行ったのです。高校時代もテレビドラマ(私の親戚にもあたる筧利夫さん主演の作品)にちょい役で出演してたので、彼女の演技は初めてではなかったのですが、やはり舞台は全然別物、実力が如実に現れてしまいますからね、私もなんとなく緊張気味に会場に向かいました。
 考えてみると、こうして「小屋」で芝居を観るのは何年ぶりでしょう。自分自身もいちおう大学時代に劇団の公演に出たりしていましたし、姉もそっちの世界の人間だったので、以前はけっこう舞台を観に行く機会が多かったのですが、最近は音楽やプロレスの方が忙しく、テレビ観劇が圧倒的に多くなっていましたからね。
 劇団Jeep第4回公演『また逢おうと竜馬は言った』。いやあ、やっぱりライヴはいいですねえ。役者の息遣いや観客のノリも含めた「空気」こそが芝居の醍醐味ですからね。教え子も初舞台としては大健闘していたと思います。
 「また逢おう…」は説明するまでもなく、あの劇団キャラメルボックスの名舞台の一つですよね。成井豊さんの名作舞台です。上川隆也さん主演の1995年公演は最近DVDとして発売され大人気です。
 まあ、そんな名作にあえて挑戦するところが、まずすごいと思いましたよ。なかなか勇気のいることではないでしょうか。私はキャラメルボックスの公演も観ていないので、あまり偉そうなことは言えないのですが、小さな小屋でありながら、その機能性を活かしたなかなか上手な演出だったと思います。また、役者の皆さんの若々しさ、あるいはそれゆえのたどたどしさをも、エネルギーに変えたリズムの良い演出であったと思います。動で静をカバーしたという感もありますが。
 脚本は、オリジナルがオリジナルですから、それは面白いに決まっています。ストーリーやセリフを楽しむだけでなく、「男の人生とはなんぞや」ということを考えさせてもらいました(笑)。上質の戯曲の条件ですね、それって。
09_10_11_14_3 帰りに熱演した彼女と話をしました。ついでに記念撮影も(笑)。彼女はまだまだ「芸」の入り口に立ったばかりです。勉強、勉強、そして経験。そういう意味では、こうしてある程度無理矢理にでも現場に立たせてしまう事務所の姿勢は、それはそれなりに評価できると思います。事務所の標榜する「100回のレッスンより1回の本番」という考えも一つの方法です。私もどちらかというとそういう生き方をしてきましたから。
 芝居の道、芸能の道は険しく厳しいものです。結局「継続」した者が勝つ世界です。というか、「継続」できることこそが「成功」です。そのためには、最終的には「人間性」ですからね。可愛がられてなんぼの世界です。そういう意味でも彼女にはどんどん勉強していってもらいたいものです。応援をしていきたいと思います。

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コメント

前略     薀恥庵御亭主 様

筧利夫様は・・・「博多座」の
「ミス・サイゴン」で
名演を 観劇させて頂きました。

すばらしい 演技でありました。

本当に「継続は力なり」ですね。

愚僧など・・・ さして「芸」が
ないので「 継続して生きる」事
を目標に致しております。  笑

長生きおじさん       拝

投稿: 合唱おじさん | 2010.05.09 22:14

合唱おじさん様、コメントありがとうございます。
筧さんをおほめいただきありがとうございます。
「継続して生きる」ことこそ,最高の「芸」じゃありませんか。
それも合唱おじさんのように、味わい深く生きるのは、それこそ「生きた芸」ですよ。
ぜひこれからも末永く「芸」に生きて下さい!

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.05.11 21:36

こんばんわ!

うわー!!!すっごくかわいい方ですね!
庵主さん、うれしそうにみえるのは
私だけでしょうか(* ̄ー ̄*)

投稿: タラ | 2010.05.14 00:06

タラさん、どうもです。
えっ?私うれしそうですか?
ばれましたか…笑。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.05.15 10:42

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