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2010.04.17

レミオロメン 『花鳥風月』

4988064360321 っとこのアルバムを紹介できます。春になり、桜が咲き、うぐいすが鳴き、暖かい風が雪を溶かし、そして今日とってもきれいな三日月が出ていました。ここ富士北麓にも、ようやく「花鳥風月」の季節到来です。
 3月3日に発売され、もう1ヶ月以上経っているのですが、正直ほとんど聴いてこなかったのです。レミオロメンの届けてくれた新しい曲をしばらく聴かないということは、私にとってはかなり特殊なことですが、今回は魂レベルで彼らの言葉と音楽を拒否してしまっていました。こんなことってあるんですね。
 その理由はこちらにも書いたとおりです。昨年のクリスマス、フジファブリックの志村正彦くんの突然の訃報以来、生きていることの喜び、不思議、そして明日を輝かせるための命というものを、素直に受け入れられなくなっていました。特に同郷(とは言っても対照的な土地柄ですが)、同世代のレミオロメンの姿を直視できない日々が続きました。ま、単純にどんより暗く寒い日々が続きすぎたというのもありましたがね。
 実は今日、朝起きたらなんと20センチ近い雪が積もっていたんです。おかげで中学は休校になりました。出勤するのも大変なくらいの大雪だったのですが、お昼前からは暖かい陽射しが戻り、どんどん雪は流れる水となり、土にしみ込み、蒸気になって天に戻っていきました。太陽の力、太陽の愛のようなものを強く感じました。春だなあ。雪をかぶってこうべを下げていた満開の桜たちも生き返ったぞ。おっ、そうだ、レミオロメンを聴こう!
 もう一つ、今日このアルバムを紹介する理由があります。今日、ある大切な友人の結婚式があったのです。私は仕事のために出席できなかったのですが、カミさんが大雪の中、早朝に東京へ向けて出発しました。
 その女性と私たち夫婦は、本当に不思議なご縁で出会い、お互いにいろいろな奇跡を与え合う深い仲になりました。そのきっかけを与えてくれたのが、レミオロメンの3人だったのです。全くの他人であり、出会う可能性など微塵もなかった方と、ここまで大切な関係になるなんて、まさに奇跡です。レミオロメンに感謝。
 私たち夫婦は常にその方の人間性に触れながら、彼女の幸せを願っていました。そして、今日、いろいろなことを経て、見事運命の人とゴールインされました。式に出席した家内からの電話によれば、本当に感動的だったとのこと。そんな「幸せ」と、このアルバムは見事にシンクロしているような気がします。
 本当におめでとうございます。そして、ありがとう。これからもよろしくお願いします。幸せになっちゃってください!
 このこと一つ取っても、私たちがいかに他者によって生かされ、また音楽や言葉というのも、情報としては変化がなくとも、常に私たちの気持ちによってその存在価値が変化させられていることが分かりますね。だから、私はいつも言うんです。「コトよりモノ」って。私たちの本質は常に変化する「モノ」なんです。
 さてさて、こんないろいろな感慨の中で聴く「花鳥風月」ですが、彼らもこの10年の中で激動を味わい、自分たちを見失いそうになり、苦しみ、そしてこういう境地に至りました。先ほどの流れでいいますと、一時期の彼らはまさに情報たる「コト」にこだわりすぎていたんですよ。こういう音楽を作らなきゃとか、こういうキャラクターの自分たちでいなくちゃとか。このアルバムで、ようやく自然な、つまり固定化されない「モノ」としての自分に還ってきたという感じがしますね。そして、その回帰のベースにあるのは、あの山梨の、御坂の風景ですね。「花鳥風月」…それです。東京で見失ったものが、やっぱり故郷にはあった(結果としては「東京」にありがとうなわけですが)。古くは「もの」という言葉は「自然(人間以外)」と同義でしたから。
 音楽にもそれが象徴されています。今回はセルフプロデュースということで、あの「仕事(コトを為す)」の鬼、音楽職人小林岳史さんから巣立ったのが大きいでしょうね。彼の才能はケタ違いですが、しかし、心に残る音楽を作れないというのも事実なんですよね。うまいなとは思いますが、ベースになっている「人間」を感じさせないタイプなんですよ。まずは、そんな小林さんから離れて、3人の人間性や人生がストレートに出てきたのが良かった。
 このアルバムでは、久々に彼ら3人の音が一つ一つ全部リアルに聴こえてきました。藤巻くんの唐突な「非和声音」で「えっ?」と思わせるギター、そして、「ether」以来の「四七抜き」メロディーの多用。ある意味それって西洋音楽じゃないんですよ。民謡、民族音楽のあり方ですよ。御坂の音です。
 前田くんのベース、いつもほめてますが、今回はまた特にいいですねえ。彼のベースラインの作曲能力は業界でもトップクラスでしょう。ポール・マッカートニー並みになってきましたぞ。間違いなく彼がレミオロメンの音楽を引っ張っていますね。
 そして、神宮司くんもいい味を出しています。彼のドラミングというのは、適度に脱力している「天然系(?)」でして、そこが、なんというか、レミオロメンをロックから解放する結果を生んでいると思うんですよね。だいたい叩きすぎるドラマーが多い中で貴重な存在とも言えます。前田くんとのリズム隊としての絶妙なバランス(アンバランス?)が、変に洗練されていない「田舎」な懐かしさを生んでいるような気がするのは私だけでしょうか(笑)。
 歌詞の世界については、昨日のBUMP OF CHICKEN 『HAPPY』にも書いたとおりです。我々の生活の中の、日常の中の、リアルな人間関係の中に、「愛」と「幸福」を求める、願う、そういう詩です。いや、最近は「詩」の要素は減ってきているかなあ。初期と比べると、ちょっと全部言いすぎな「散文」という感じもしないでもありませんが、それが我々にとっての「気づき」につながっているから、それはそれでいいでしょう。
 多くの人が感じているように、「おかえりなさい」というべきアルバムですね。特に山梨の人間としては、これは実にうれしい贈り物となりましたね。この前久々に御坂の桃の花を堪能しましたが、また近いうちに再訪しようかと思います。今度はちゃんとこの「花鳥風月」を聴きながら!

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コメント

庵主さま、待ってましたよ(^O^)


以前、エイプリルフールの時に庵主さまが嘘つきを実行された時に初めてコメントさせて頂いたのですが、その後もずっと拝読だけは欠かさずしていました。


レミオロメンの花鳥風月、そろそろ聴いて頂けないかな?と思っていたところでしたので、ただ単に聴いてもらえた事が嬉しいのではなくて、ようやく庵主さまの心の中にも春が訪れたのかな、と思える事も嬉しい要因です。
庵主さまにも『お帰りなさい』を言いたいです(笑)


レミオロメンの花鳥風月、小林武史さんから離れてセルフプロデュースにした事は、彼らにとっては物凄い覚悟が必要だったとは思うのですが、でもその反面心の奥底では、これで神社時代の時のように自分達の意思で心を込めて作れる喜びも感じていたのでは?と思ってしまいます。それだけ解き放たれた感がありました。


それぞれの音へのこだわりも凄く心に響いてきて、最近テレビ(民放FM53局MTM10の放映)で治さんがシンバルを土に埋めたり水をかけたり風雨にさらしたりして錆させて、音に土臭さを出したりしているって錆びたシンバルを披露してくれていましたが、見た目はとても洗練されてきていますが(笑)、音に関してはイタナイ部分を大切にしたいんだなって思います。


私も前田さんのベースラインが大好きで、どうやって弾いているのか、耳を傾けながらも目は前田さんの手に釘付けです(笑)。


藤巻さんの歌詞って、ただ『幸せ』とか『ありがとう』とか『嬉しい』って事ではなくて、その裏側には色んな辛い思いや悲しい思いが垣間見えて、ただの幸せの歌には終わらない影の部分があるので、その部分は昔と変わらないな~っていうところが彼の良い部分だなって私は思うんです。もしかしたら私だけかもですが(笑)。


長くなってしまってすみませんm(_ _)m
嬉しくてついつい…f^_^;


なかなか完全な春らしい気候にはならなくてまだ肌寒い日もありますが、これから益々『花鳥風月』が似合う季節になりそうですねo(^-^)o


私も先日、御坂に桃のお花見に行きましたよ♪
来月はツアー初日に山梨に行きます=33


庵主さま、お忙しそうなのでご自愛下さい!!

投稿: あみん | 2010.04.18 14:07

庵主さん、ありがとうございます。
今朝記事を見つけ、涙いたしました。
幸せになっちゃいます(笑)
セコンド様、悪天候の中をお越しいただき、
感謝でいっぱいです。
四月の雪は私たち夫婦(照)の生まれ年の4月17日にも降ったらしく、
運命を感じました。
まるで滑走路ライブのときのようにドラマティックな天候でした。
挙式中に天窓から射してきた光は忘れられません。
3月9日で退場した瞬間、感謝が溢れました。
レミオに、お二人に出会わなければ、
今日の私はございません。本当にありがとうございます。
これからもよろしくお願いいたします。
また思い出の河口湖&御坂に行きたいです。

投稿: くぅた | 2010.04.19 13:06

あみんさん、「ただいま」!
四月馬鹿の時は失礼いたしました(笑)。
あの頃はまだまだ寒かったんですが、
ここへ来てようやく春到来という感じですね。
そういう自然の営みや流れと、やっぱりレミオはシンクロしているんですよ。
だから、こうして今彼らを受け入れられるようになったのは自然なことです。
藤巻くんの歌詞の深い部分、よくわかります。
それがなかったら、某アイドルグループとかと一緒になっちゃいますよ(笑)。
それにしても、3人とも今とっても幸せなんでしょうね。
音にそれが表れていますよ。
ウチは14日に行きます(1枚のチケットをめぐって家庭内で争いが…笑)。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.04.19 18:14

くぅたさん!本当におめでとうございます!
当日うかがえず、ごめんなさい。
でも、本当に心から祝福していましたし、私自身もうれしく思っていました。
その気持ちが通じて、空から光が降り注いだのでしょう(…なんて、自分の手柄にしてますな…笑)。
ぜひ、また近いうちにご夫婦で(!)いらしてください。
楽しみにしています。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.04.19 18:16

山口先生、こんにちは。

レミオロメンは、「粉雪」以来聴いていなかったのですが、ちょうど一年前に
「レミオベスト」を聴いて好きになりました。

カラオケでも良く歌うようになりました。
どの曲も、最初の低音部分以外はとても歌いやすいです。

出身が山梨であることは、志村さんの訃報のあと先生のブログで知りまして、
フジファブリックが大好きな私にとっては、何か因縁めいたものを感じました。

今年も桜の季節は終わりましたが、
志村さんの「桜」も、レミオロメンの「sakura」も大好きです。

「花鳥風月」もぜひ聴きたいと思っています。
いつか、ライブにも行ってみたいです。


投稿: まこ | 2010.04.20 17:07

今晩わ(^w^)


先生14日なんですね(笑)


ちなみに私も14日(笑)

投稿: ノリ | 2010.04.20 21:51

まこさん、おはようございます。
本当にフジとレミオは両方合わせて「山梨」なんですよ。
山梨の陰と陽というか。
同じ「桜」でも、こんなに捉え方が違うんですからね。
私はどちらの山梨も好きです。
まこさんもぜひ両方聴いて山梨を感じてください。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.04.22 07:36

ノリよ、そうか!
そうだったか。
じゃあ、一緒に行こうか。
って、オレじゃなくてカミさんが行くかもだけど。
結局そっちは余ってないのかな?

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.04.22 07:37

なるほど。陰と陽…納得です。

レミオベストで一番印象的だったのは「笑顔」「笑」という言葉でした。
以来、私にとってはレミオロメン=笑(顔)であり、ポジティブな音楽です。
花鳥風月でも、笑(顔)を探してみます。

これから、彼らの音楽に触れるたびに、志村さんを山梨を感じることができそうです。

投稿: まこ | 2010.04.22 15:22


えっ!?


そんなに行きたくなったのか~?(笑)


チケ余っていませんよ~(ToT)


ごめんなさい。。。


是非ミラクルなこねでGETして下さい(^w^)

投稿: ノリ | 2010.04.23 18:29

まこさん、ぜひ!
実際、レミオの国中地方とフジの郡内地方は、対照的な土地柄なのです。
武田と北条の時代、いや、それ以前から。


ノリよ、まかせなさい!
ウチにとってはミラクルが日常なので(笑)。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.04.25 14:12

庵主さま、ご無沙汰しておりますm(_ _)m

庵主さま、山梨14日は未だにチケットは1枚のみですか!?
2枚あってどうしようかと・・・。

もしお入用でしたらご連絡頂ければ幸いですm(_ _)msweat01

もし不適切な書き込みでしたら削除されて構いませんsweat02


宜しくお願い致しますm(_ _)m

投稿: あみん | 2010.05.11 10:46

あみんさん、どうもです。
すみませんが、こちらにメールいただけませんか?
vef04007@nifty.com
よろしくお願いします。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.05.11 11:46

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