桑田佳祐 『声に出して歌いたい日本文学』
「立場が変るというのはこういうことか」というくらい、今までと違う仕事の連続。役職上ナンバー3ですが、上のお二人は高校の方にいらっしゃいますので実質上…ということになります。
こうなりますと、今までほとんど「子どもたち」相手だったのが、「大人たち」相手になります。先生方、保護者、業者、県、お上…なるほど、これはある程度想定していたけれども、正直「想定以上」です。ここまで違うと今さらながら「フレッシュマン」の気分を味わえちゃいますね。
ま、こういう想定外こそ(のみ)進化のチャンスだ!と言って憚らなかったワタクシですから、実はウキウキワクワクやってます。
しかし、忙しいのは事実なので、こういう時のブログの記事は「音楽の紹介」になりがちです。それを待っている方も多いみたいですけど。
しかし!これは手抜きではなく、まじで衝撃だったので紹介します。まさに「想定外」「想定以上」。天才だわ、みんな。
ニコ動入っている人は、こちらで全編連続&歌詞(日本文学テクスト)付きでどうぞ。下はYouTubeです。なにしろ、20分近い力作なので、前編と後編に分かれています。
こちらにも書きましたが、桑田佳祐さんは「日本語をぶち壊した」人です。その人が「日本文学」を声に出して歌っているわけですよ。これはもうそれだけですごい状況なのであります。
これって反則じゃないですか。反則というか、我々凡人には「やってみたいな」とは思えても、絶対できないですよ。そんな勇気ありません。私もちょっとだけやってみたことはありますが、とても他人に聞かせられません。なにしろ、それは「名作」の「名文」ですから、その向こうにものすごい思い入れを持ったたくさんの「読者」がいるのです。音楽のカバーでさえ躊躇されるのに…。
そのプレッシャーを桑田さんはどう乗り越えたか。いや、プレッシャーなんか感じてないところが天才なんでしょう。結果として、本当にとんでもないことになっています。全ての曲が想定外でした。かっこよすぎますよ。今度は「日本文学」をぶち壊しやがった。これぞロックなのかもしれません。
圧巻は…全部すごいんですけどね…やっぱり短歌を歌ったところでしょうか。これなんか、まさに日本の「うた」の伝統、歴史を、いとも簡単に破壊し、そして再創造してしまったいい例でしょう。やはり、彼にとって日本語は、言葉は、音楽にひざまずくモノに過ぎないのです。これは文化革命ですよ。日本の文化史上初めて「モノの音(ね)」が「コトの葉」に勝ったのです。
五七調をメロディーに乗せる時の暗黙の「律」を完全に破っています。そして、そこに新しい命が…。なんじゃ、こりゃ!?晶子も啄木も絶対ぶっ飛んでますよ。想定外でしょう。
これには、「言葉」の天才たちも脱帽ですな。だって、彼らには、こんな「音楽」の才能はなかったのですから。いやはや、ホントやられた。
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コメント
前略 薀恥庵御亭主 様
天才の条件に・・・
「周りを気にしない」ことが
挙げられますね。笑
このことが「毒創製×
「独創性」を生み出すので
ありましょう。
愚僧は「渥美清」様を希代の
天才だと感じています。
それは・・・何といっても
「フーテンの寅」さんの・・・
独創性ですね。
「男はつらいよ」は私の中の
「世界文化遺産」であります。
合唱おじさん 合掌
投稿: 合唱おじさん | 2010.04.07 09:32
!!!!!!!!........
魂消ました
大発見です 脱帽です
丁度 ブログネタが枯渇状態でした
どういう風に拝借するか まだショックが醒めず考えられませんが 私のブログで紹介させて頂きます
(それにしても 教頭先生って 凄くお忙しいんでしょうね)
投稿: 森生 | 2010.04.07 13:58
合唱おじさん様、こんにちは。
そうそう、桑田さんも「寅さん」大好きなんですよね。
たしかに似た雰囲気があるように思います。
私も「周りを気にしない」境地になりたいものです。
森生さん、お久しぶりです。
ご紹介ありがとうございました!
まったく、天才というのは、すごいですねえ。
私なんてまあ凡才の毛が抜けたようなものですよ。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.04.10 11:21