『13歳からのシンプルな生き方哲学 & 同 part 2』 船井幸雄 (マガジンハウス)
本校独自のテキストの一つがこれです。いわばバイブルのような存在。これを毎週末、1章ずつ手で写します。写経みたいなものでしょうか。心に残った文に線を引き、一言でいいので感想を書きます。
我が中学では、私学の特性を活かしてユニークな教育活動を行っています。公立では考えられないようなことが必修となっています。座禅や茶道や剣道、能も全員が習います。本校は禅宗のお寺が母体となっていますので、こういう「禅」文化を習うのは当然と言えば当然。
しかし、案外難しいのが、「仏教」自体の学習です。私にとっても、お釈迦様は最も尊敬すべき存在であり、お釈迦様の教えは、私が最も影響を受けた「生き方哲学」ですが、これを歴史や文学、あるいは道徳として扱ってしまうと、どうも「抹香臭い」「堅苦しい」「難しい」ものになってしまいます。それはそうですね。人類史上最も頭のいい人の言動ですので、そんなに簡単に私たちは理解できるわけがありません。
そこで、私はこの本に力を借りることにしました。別にこの本は「仏教学」のテキストではありませんし、著者の船井さんもそんなことを意識してお書きになったわけではないと思います。単純に「船井哲学」を子どもたちにという意味で書かれたのでしょう。
しかし、私はこの本を読んだ時、あまりにその内容が「私の言いたいこと」だったので、本当にびっくりしたのです。これを中学生に伝えたいのだ!と心の奥からそう思いました。そして、よくよく分析してみましたところ、ここには私の影響を受けてきた偉人たちの智恵が詰まっているのだということに気づかされました。特に「仏教」「禅」、それから少し「神道」&「キリスト教」。
ご存知のように、船井幸雄さんは、カリスマ経営コンサルタントです。実業界での影響力は実に大きなものがあります。しかし、一方である種の宗教性を持った方、宗教的な「何か」を感得されている方であるのも事実です。
私がよく言うように、「カネ」という悪神に対抗するには、「神仏」を味方につけるしかありません。船井さんはそれを実業界で見事にやってのけている稀有な存在です。だからこそ、その言葉は我々世俗の人、あるいは子どもたちにも分かり易いし、実際生活の中で有効に働くわけです。
そういうある意味包括的な宗教書、アヤシイ意味ではなく、そうした現実の厳しさと恐ろしさに対抗し得る「智恵」を提示してくれる本当の意味での「テキスト」を探していたんです。自分で書こうかと思ったこともありましたが、私のような下卑た人間の言葉では、さすがに子どもとは言え、信用してくれないだろうと思い、あきらめていました。
さあ、どうしようかと思っていた矢先、今年の2月、「王仁魂」講演会に出席した際に船井さんの秘書の方と知り合いました。そこで、ピンと来たんです。あっそうだ、船井さんの本をもう一度読んでみよう。それまで、この本の存在を知りませんでした。子ども向けの御著書があるとは思っていなかったのです。
だから、この本を見つけ、注文して読んだ時、本当に「ありがたや!」と思いました。王仁三郎さんのしゃれた計らいだったのかもしれませんね。あの日はいろいろととんでもない出会いがありましたし、だいいち、あの日自体奇跡的な日でしたから。
そう、先ほど、「仏教」「禅」「神道」「キリスト教」と書きましたが、それこそ出口王仁三郎そのものとも言えますね。私も真剣に彼に少しでも近づきたいと思っていますし、子どもたちにも、ああいうスケールの大きな、人類の平和のために生きるような人間になってもらいたいと思っています。
というわけで、この本、ぜひとも「大人」の方々に読んでいただきたい。いや、大人の方にこそ読んでいただきたい。これからでも遅くありません。人生変りますよ。私たちがどれだけ悪神に洗脳され、大切なことを忘れているか、気づかされることでしょう。そういう「気づき」だけでも、とっても大切だと思います。その「気づき」が過半数を超えた時、世の中も変わるかもしれません。
Amazonの「なか見!検索」で目次を見られますから、ぜひ内容を確かめてください。
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13歳からのシンプルな生き方哲学(part 2)
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13歳からのシンプルな生き方哲学(part 2)
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コメント
なか見!検索 でちょっと読んでみました。なるほど~です。本当に大事なことってきっととてもシンプルなんですよね。なぜか実践するのって結構難しかったりするのですが・・・。この本、とても読みやすそうでいいですね。私が読むと30歳からの・・になっちゃいますが(笑)。いや、きっといくつになっても遅くないですよね。読んでみます!
投稿: 毛糸 | 2010.04.27 22:58
毛糸さん、こんばんは。
ぜひ読んでみてください。
やさしい文を書くのは難しいのに、船井さんは大したものです。
私も久々にすんなり淀まずまどろまずに読書しました(笑)。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.04.28 18:40