BSフジLIVE PRIME NEWS
いよいよ戦後最悪の暴力的施策「地デジ化」完全実施、すなわちアナログ放送停波まで1年あまりとなり、我がアナロ熊も絶滅の危機に瀕しております。温暖化でホッキョクグマが…とかいうくだらないことはいいから、こっちをなんとかしてほしいものです。
そんなわけもあってか、最近ほとんど地上波を見ません。いちいち「アナログ放送は2011年…」とか言われたくないからです。地デジの受信も可能ですが、例によってここ富士山では普通の設備では障害が出まくります。途中で固まるテレビなんか絶対見たくありません。
ニュースは最近このBSフジ「PRIME NEWS」ですませますね。昨年10月から夜8時〜10時の放送になったので、ちょうど帰宅夕食時間とも重なっていまして、ゆっくり観られるようになりました。
ワタクシ的にはこの番組けっこう好みのタイプですね。まず2時間という大きな枠がいい。じっくり一つのテーマを掘り下げ、討論していく番組が少ないですからね。特に民放では。無駄な演出もなく「硬派」な感じなのもいいですね。
キャスターが私と同世代である反町理さんと八木亜希子さんというのもいいのかもしれません。なんとなく共感できる部分があるのでしょう。
ゲストも多彩ですし、BSにしては(失礼)かなりゴージャスなイメージですよね。特に閣僚や議員さんは地上波では言えないようなことにも言及くるような気がします。
今日のテーマも面白かった。『近頃の若者はなぜダメなのか? 新村社会とは』。ゲストは「近頃の若者はなぜダメなのか?」の原田曜平博報堂研究開発室主任研究員、「友だち地獄」の土井隆義筑波大学教授、そして現役大学生の男女二人。
最近の若者の、「空気を読み合う」人間関係、つながりすぎている人間関係、互いを傷つけまいとする人間関係についての討論。40代反町さんは、まったく理解できないという風でしたね。いつも彼のツッコミは鋭いし、ボケは面白い。これもまたこの番組の魅力でしょう。
私は仕事柄、常に「今どきの若者」と付き合っていますので、彼のように全く理解できないということはありませんよ。私の印象で言えば、このネット、ケータイ社会という「新ムラ社会」において、彼らはとんでもなく鍛え上げられていますよ。ものすごくコミュニケーション能力があると思います。
10代、20代の若者は、非常に他律的で安定志向、欲もありません。半径5キロ圏内で生活する。これはまさに仏教的生活とも言えます。私はそれでいいんじゃないかと思うんですよね。上の画像の「新村社会の掟」なんか、まあ人間界修行の掟みたいなもんじゃないですか。これが出来ないより出来た方がいいに決まっている。
大学生二人も言っていたとおり、これだけが彼らの人間関係ではないのです。ある程度の距離のある、他者性のいまだ強い関係においては、こういうリテラシーというかストラテジーというものは、絶対に必要なものです。そして、互いの距離が短くなれば、また違った「何でも言い合える」人間関係が成立します。これはどの時代でも同じことでしょう。
それに比べますと、30代はいけませんね。ちょっと乱暴な言い方になりますが、彼らは自律的、自立的であろうとするあまり、結局孤独になってしまう世代なんですよ。ちょうど、「国際化」とかいうフィクションが横行し、「ノーと言えないのはダメだ」「日本人は曖昧だ!」的雰囲気の中で育った世代です。自分の意見をはっきり言いなさいと教育され、それをあまりに正直に受けとってしまって、実際実践し、そして今とっても疲れているように見えます。ま、一概に言えませんけど。
結局ここニッポンは「ムラ」なんですよ。どこにいようとどんなツールを使おうと、ムラに生きる術を覚えなくてはいけないのです。世界で生きる以前に日本で、ムラで生きなくてはならないのですから。
さてさて、この番組のいいところはですね。たとえば今日のこの楽しい討論をですね、みんなで共有できるというところなんですよ。たとえば、今日のハイライト(必要十分な内容です)は、もうこちらで観ることができます。
10日経ちますと映像では観られませんが、ちゃんとテキストに起こしてくれます。それがどんどん蓄積していきますから、あとで見忘れたものを観たり読んだりしてもいいし、自分に必要なテーマを必要な時に探して利用してもいい。
これって、小論文や面接のネタに使えるんですよ。それらをする生徒や学生にも、そして我々のようなそれを指導する者にとっても。ニュースが垂れ流しにならず、ちゃんと歴史になっていくところがいい。そしてさらに、どんどん一般視聴者の意見も加えられていく。そういう、時代の「知」と「恥(?)」の歴史がテキストになっていくのは面白いですね。
もう一つ、日曜日に「PRIME NEWS Weekend」として総集篇が放送されるのもいいですね。とりあえず高校教師としては、これさえ観ていれば困ることはないようです。
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