« 『霊の発見』 五木寛之・鎌田東二 (角川文庫) | トップページ | 『西洋音楽史 「クラシック」の黄昏』 岡田暁生 (中公新書) »

2010.02.08

レニーニ(山梨とブラジルの音楽の不思議な関係?)

Lenine 梨を代表するミュージシャンは…、ええと、やっぱり森進一と田原俊彦でしょう。ま、それは冗談として、いや全然冗談ではありませんね。
 しかし、一般的には、宮沢和史さん(THE BOOM)、レミオロメン、フジファブリックの志村正彦くんでしょう。彼らがそれぞれ音楽史に残した、「島唄」「3月9日」「茜色の夕日」の3曲の名バラードだけでも、山梨県民としてはもうホントに誇りに思っていいですよね。
 そんな彼らと意外に関係が深いのが、地球の裏側ブラジルの音楽です。宮沢さんのブラジル音楽への入れ込みようは今さら説明する必要もないでしょう。
 レミオロメンの3人はサッカーが好きですから、自然にブラジルの音楽に触れる機会が多いことでしょう。やっぱりサンバかな。
 そして、ちょっと意外かもしれませんが…いや、インタビューでも語ってましたかね、フジファブリックの志村正彦くんの膨大なCDコレクションの中には、ブラジルの音楽がたくさんありました。
 山梨とブラジルが特別何かで結ばれているわけではありません。実は、日本の音楽とブラジルの音楽には根本的に似た部分があるのです。
 それはまず、西洋音楽(ヨーロッパの白人音楽)とアフリカの黒人音楽との距離感です。適度に遠距離だった。そして、そのため独立して発達していた民族音楽の伝統。それらの見事な混合が両国の現在の音楽に共通した独特な魅力を醸し出しているのです。
 そのへんについて語り出すと、とんでもなく長くなってしまうので、あえて、特異な視点(聴点?)から一つだけはっきり言っておきます。
 「日本もブラジルもドミソの持つ不快感に対抗した」
 えっ?と思われることでしょう。しかし、ここのところ繰り返し書いているとおり、「ドミソ」は世界のほとんどの人々にとって、根源的に「不協和音」です。いや、「協和」していますが、「不快」だと言った方が正確でしょうか。「不快和音」。
 だから、ヤマハ音楽教室の「ドミソ、シファソ」なんてのを幼い頃から聞かされていると、本当にダメダメなことになってしまいます。私もその呪縛から解き放たれるのに40年近くかかりました(笑)。
 日本では、その不快感を軽減するために、伝統的な「ヨナ(四七)抜き」に「フム(二六)抜き」を加えたメロディーで対抗しました。演歌の例を挙げるまでもなく、上記山梨の3バンドの音楽を聴けばわかりますね。
 ブラジルでは、和音自体に手を加えて「ドミソ」を駆逐しました。すなわち、「1・3・5」の和音に「2」やら「7」やら「9」やら「13」やら、その他もろもろの「非和声音」を加え、あえて柔らかく美しい「不協和音」を作っていきました。ボサ・ノヴァのギターをちょこっと習うだけで、その複雑な響きに驚くことでしょう。
 ある意味、そうした「西洋音楽(クラシック音楽)」への違和感に抵抗しつつ、それらを呑み込んでしまった音楽が両国にはあるのです。
 ええと、あんまり長くなってもしょうがないので、今日はMPB(ブラジリアン・ポップス)の奇才、マラカトゥーのリズムを世界に知らしめたレニーニの音楽をちょっとだけ聴いていただきましょう。
 宮沢和史さんが共演したことで、私は彼を知りました。適当に何曲か貼っておきますので、ぜひお聴きください。あっ?と思うところがたくさんあると思います。フジのあの曲っぽい、レミオのあの曲っぽい、ブームのあの曲っぽい…そんなところ満載ですよ。そして、これを機に地球の裏側の音楽にも興味を持っていただければと思います。なんて、私も全然勉強不足なんですが。

Amazon Labiata

不二草紙に戻る

|

« 『霊の発見』 五木寛之・鎌田東二 (角川文庫) | トップページ | 『西洋音楽史 「クラシック」の黄昏』 岡田暁生 (中公新書) »

音楽」カテゴリの記事

コメント

ブラジルといえば、やっぱりTHE BOOMのMIYAが思い浮かびます。
レミオロメンも志村くんも・・・となると、なんだかブラジルと山梨の縁を感じますね。

高校生の頃、THE BOOMが大好きでした。
武道館ライブの帰り、特急の車両が偶然メンバーのご家族と一緒になり、深夜の甲府駅で『今日はありがとう。気をつけて帰るんだよー。』と皆さんに見送っていただいた事がありました。
懐かしいです・・・
『星のラブレター』(これも名曲!)に出てくる〝朝日通り〟は甲府にあります。そういうのもなんだか嬉しいですよね。
きっとあの頃の私のように、フジファブリックやレミオロメンが大好きで、そして『山梨の誇り』と思っている若い子は
たくさん居ると思います。志村くん達を通して、地元をもっと好きになれるんでしょうね。

なんだかブラジルから話が逸れてしまいましたが・・・すいません。
私もレニーニ、聴いてみようかな。

そうそう。今朝通勤途中に虹を見ました。とてもキレイでした。
虹に気付いた時、ちょうど車内に流れていたのがフジファブリックの『虹』でした。
ステキな偶然☆すごく幸せな気分になりました。
こういう小さな幸せがすごく嬉しかったりします。
志村くん、ありがとう。

投稿: yuki | 2010.02.09 17:46

yukiさん、どうもです。
ウチのカミさんも武道館ライヴ行くほどのファンだったそうです。
ご家族の方と触れ合えるのも地元ならではですね。
やっぱり山梨の風土と人の輪が生んだ音楽を、もっともっと世界に広めていきたいと思います。
レニーニ、けっこういいでしょ。
まだまだ知らないミュージシャンがたくさんいますよ。
そういう音楽に出会えるのも、彼らのおかげです。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.02.10 17:52

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/55913/47519344

この記事へのトラックバック一覧です: レニーニ(山梨とブラジルの音楽の不思議な関係?):

« 『霊の発見』 五木寛之・鎌田東二 (角川文庫) | トップページ | 『西洋音楽史 「クラシック」の黄昏』 岡田暁生 (中公新書) »