卒業式…そして、鹿刺し
今日は卒業式でした。卒業生の皆さん、おめでとうございます!
今年度は3年生の二つの進学クラスの副担任でしたが、中学校開校の仕事に追われ、あまり協力できず申し訳なかった…。しかし、若手の担任の先生方が頑張ってくれまして、無事こうして卒業式を迎えることになりました。お疲れさまでした。
高校の方も、また新たな一歩前進があったと思います。3年前に立ち上げた文武両道を目指すクラスの1期生が今日卒業を迎えたのです。私にとっても、非常に思い入れの深かったこのクラス。ある意味、自分の理想のクラスとしてカリキュラム編成などに携わりました。
そんな私の夢を彼ら彼女らは実現してくれたのです。本当に近くで見ていても、ひたすら感心させられる生徒たちでした。勉強も一生懸命、そしてクラブ活動はみんな全国レベル。クラスとしても活気があり、外部からの学校の評価だけでなく、本当に学校の中の雰囲気を変えてくれました。正直、私の予想以上の結果です。
そんな彼らの頑張りのおかげもあって、この経済状況の中、この春の本校への希望者は大幅に増えました。近隣の公立高校では定員割れが起きています。本当に地道に「人間形成・人づくり」をしてきたことが、ここへ来てようやく地域の皆さんに認められたのだと思うと、なんとも感慨深いものがありますね。正直昔は底辺校でしたので…。
大学進学者なんて数えるほどしかいなかった学校が、ここ10年で医学部の合格者を出すまでになりました(そう、今年はとうとう防衛医大の合格者も出ました)。それもいわゆるスパルタ式、詰め込み式ではなく、楽しく勉強して、です。
本当に教師という仕事は楽しいですね。こうして、自分が高校時代出来なかったこと、受験勉強やスポーツや文化活動を、間接的に(しかし、感覚としては非常に直接的に)実現できてしまうのですから。
さあ、そうしていよいよ4月からは中学校です。来年度からは、私はおそらくそちらでの仕事が中心となるでしょう。ということは、実質上、私も高校卒業だったのですよね、今日。あまり深く考えていなかったのですが…。
いろいろな人たちの力を借りて、時代を作り、歴史を変えていくことができるのは、本当に楽しいですし、幸せなことだと思います。特に私たちを信じて頑張ってくれた生徒諸君には、本当に言葉で表せないほどの感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとう!
みんなが新しい世界へ向けて出発していったように、私も久々に全く違う世界に足を踏み入れるので、心地よい緊張感と期待感に溢れています。お互い頑張ろうではないか。
生徒たちにもよく言いますが、なにごとにおいても、辛いこと、そして迷うこと、困惑することがないと、自分の成長は望めません。そういう気持ちになるということは、つまり想定外のことが起きているということです。想定外の「モノ」がないと、私たちはいつまでも昨日の自分と変わりありません。
うわっ、どうしよう、という時こそチャンスなのです。昨日の自分とは違う自分に生まれかわるチャンスだと思えば、そういう体験は全然不快ではありません。逆に、安穏なルーティンワークの中には、なんの成長の喜びもありませんよね。ただ、楽なだけです。
そういう意味では、人には環境の変化が必要です。私学人ですと、転勤もほとんどありませんし、なかなかそのような変化の機会がないものですが、私は幸運なことに、いろいろな節々でいろいろなチャンスをいただいてきました。それをありがたいことだと思って、どんどん前向きに(異常にポジティヴに)生きて、いや活かさせていただいてきました。
そして、もう一つ、今回卒業生へのメッセージとして、「人間、ひと様の世話になれるようになってなんぼです」という言葉を送りましたが、いろいろな自分のピンチ(=チャンス)に、どんどん人に助けてもらうことです。また、いざという時に助けてもらえる人間になっておくことです。
そして、その恩に報いるべく頑張るのです。しかし、これもいつも言っていることですが、「報恩」というのは、その恩人自身に恩返しをすることではありません。「カネは天下の回りもの」ならぬ「恩は天下の回りもの」でして、誰かの世話になったら、その時の気持ちを思い出して、また違う誰かを世話してあげればいいのです。一番身近な親子関係でもそうじゃないですか。親になってみて親の気持ちがわかり、自分がしてもらったように、自分の子どもを愛するのですから。世話と恩、いわば「義理」と「人情」というものは、どんどん連鎖して拡大する生命体であるべきなのです。
と、まあ偉そうなこと言ってますが、今のところ、私は人の世話になってばかりでして、なかなかそれに報いることができません。いやあ、だいぶ貯蓄が増えましたので、そろそろそれを使わなければ。お金と同様,恩もあの世に持っていってもしかたありませんからね(笑)。
そうそう、今日も想定外のありがたい体験をいただきました。卒業式が終わって、家で軽く呑みながら、テレ東の旅番組などぼんやり観ておりましたら、村の仲間から電話がかかってきました。おいしい日本酒があるから来いとのこと。それは是非ということで馳せ参じましたら、その日本酒はもちろんおいしかったのですが、初めて食べる「鹿刺し」、これがうまいのなんのって!
この富士山麓の村では、山の生活がまだ残っていまして、けっこう鹿や猪を獲ってその肉を食べるんですよ。この鹿肉も昨年秋に獲ったものを冷凍してあったとのこと。ニンニク醤油をつけて、その凍った肉が微妙に溶け始めた時に食べると一番おいしいのだとか。たしかに!これは最高のぜいたくです。
実にありがたい想定外の初体験でありました。この御恩もまた、私の通帳にストックされました(笑)。ごちそうさまでした。
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コメント
グッチーも、卒業おめでとうございます。私も、子どもたちとかかわる仕事をしていて楽しいです。そして、私がこの仕事につけたのは、高校時代、先生方にお世話になり学院に入れたからこそだと思っています(^-^)
今後も、後輩たちの活躍楽しみにしています☆
投稿: ナス | 2010.02.28 20:09
卒業式おめでとうございました。
私もまた、4月から新しい環境で頑張ります。
特Aに入って、そこで先生やみんなと出会いがなければ、きっとこうはなっていなかったかもな。。
ご縁に感謝です!
投稿: 紗耶香 | 2010.02.28 20:39
先生を信じて成果を出した生徒達は素晴らしいと思います。
が、
やっぱり先生が先生だったからだよ!!
アタシも先生の期待に応えられる子だったら良かったなー、なんて思いました。
投稿: カオル | 2010.03.01 01:50
いろんな世代のみんな、ありがとう。
逆にみんなのおかげで今のオレがあるんだよ。
ホントありがたいわ。
みんなの活躍ぶり、人生も、全部自分の一部だからね。
まあ、みんな、近いうちに呑みましょうや。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.03.01 17:46