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2010.01.24

高円寺駅南口ロータリー…

Photo 日でちょうど1ヶ月ですね。フジファブリックの志村正彦くんの最初の月命日。
 そんな日にたまたまこの場所に来るとは…。
 全く意図していなかったのです。本当にたまたま別の事情から考えてここになったのです。不思議ですね。
 今日は家族で東京に行きました。私は3月に出演するコンサート(こちら)の練習で北区へ。家族はいつもの浜松町や東京駅、そして浅草見物に行ったようです。
 丸々6時間ベートーヴェンやハイドンを弾きました。さすがにオール初見での練習はきつい…でも、全て初めて弾く、いや聴く曲(全く知らない曲だったのです)に感動。当時のオケのメンバーもこんな感じで楽譜を配られて、初演の曲に臨んだりしたんだろうな、なんて感慨にふけっていました。
 練習を終えた私は、5時近くに北区を出発して、富士山のシルエットに沈む異様に美しい「茜色の夕日」を眺めながら、「環状7号線」を飛ばして高円寺に向かいました。
 最終的に新宿にいた家族と、環状7号線の近くで練習していた私が落ち合うのは、やはりどう考えても「高円寺」になりますよね。自然な流れだと思います。
 家族は北口にいたのですが、停車場所がなかったので、私はガードをくぐって南口のロータリー横に車を停めました。そこら中に車が停めてあったのに、そこだけポカンと空いていたのです。その時はただ単にラッキーと思っただけでした。そこに買い物袋をかかえた家族がやってきました。
 車を停めた時は、気づかなかったのですが、家族が車に乗り込む時、車の窓から外をのぞき込むようにした瞬間、私はとても不思議な気持ちになりました。あれ?この風景…。
 そうです。私は上の写真をふと思い出したのです。たしかここだった…志村くんが立っていたのは!
20100125_62723 確信がなかったので、車の窓越しにiPhoneで写真を撮りまして、ウチに帰って確認しましたら、やっぱりそうでした。まさにその場所にレンズを向けていたのです。
 ただご覧のように、今南口ロータリーは工事中です。リニューアル工事が行われています。
 富士吉田の市民会館(富士五湖文化センター)も今改修中でして、こうして志村くんを偲ぶ風景が変っていってしまうのも、なんとなく悲しい気がしますね。
 この前、「中原中也 『我が生活』」という記事に書いたとおり、志村くんと中原中也は同じ19歳でこの場所に立ってたのですね。感慨深いものがあります。
 高円寺は、ねじめ正一さんの「高円寺純情商店街」や、大槻ケンヂさんの「高円寺心中」を挙げるまでもなく、さまざまな現代の文学や音楽の原点になっています。志村くんも「原点中の原点」と言っていますね。
 古くは、中原中也だけでなく、川端康成も高円寺で貧乏生活をしています。島崎藤村もですね。まあ、とにかく高円寺、阿佐ケ谷、荻窪、三鷹あたりは、そういう空気のある所です。
 志村くんは、ピザ屋のバイトの先輩から高円寺をすすめられたそうですが、「音楽やるなら高円寺に住め」という流れは、たしかに世間にあるようですね。
 考えてみると、役者を目指していたウチの姉も高円寺に住んでいたんだっけ。そういうサブカル的というか、アングラ的な雰囲気もあります。
 私は個人的には本当に最近になって高円寺と縁ができたんです。ここ1年のことです。発端は、プロレスの勉強会で定期的に高円寺に通うようになったということ。そう、スネークピット・ジャパンがあり、ビル・ロビンソン先生が住んでいたというのがきっかけです。
 その後、何人かの教え子がこの近辺に住んでいるのもわかり、年に何度かは通うようになり、高円寺で朝まで飲み明かすなんてこともあるようになりました。それも考えてみれば不思議な流れでした。
 さて、高円寺南口ロータリーで落ち合った私たち家族は、中央高速で富士山に帰ってきました。途中、車は罔象女命の上を通ります。そこから富士吉田市の夜景(含む富士急ハイランド)を眺めました。そして、スバルラインで富士山に駆け上がり、志村くんが天に昇った聖苑のすぐ横を通って、我が家に帰ってきた次第です。
 こうして期せずして、私なりの月命日のお祈りをすることができました。なんとなくですが、やっぱり「ありがとう」と言いたい気持ちです。志村くんの、いろいろな土地土地での、いろいろな思いを感じることができたような気がします。
 おやすみなさい。

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コメント

高円寺のガード下に、有名ラーメン店の集合体(でいいのか)ができたんだってね。ご存知?

今度は俺と朝まで飲みますか?!
『ごっち』、久々に行ってみたい。

投稿: 那嵯涼介 | 2010.01.25 08:08

那嵯さん、おはようございます。
ぜひ朝まで呑みましょう。
と言っても私は途中から必ず寝ますが(笑)。
たしか「ごっち」閉店しちゃいましたよ。
去年だったかな。けっこう最近。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.01.25 08:13

シンクロシニティな流れですね~


blogを見て、心地よい流れを感じました。

iPhone、私は仕事がソフトバンクモバイルなので(笑)iPhone使って下さってるのが嬉しかったです(笑)

au理念の方が好きですけどね(苦笑)

投稿: 里沙 | 2010.01.25 08:54

こんにちは。

先日は、途中尻切れコメントで申し訳ありませんでした(涙)再度こちらにコメントさせていただきます。

さっき、こちらにお邪魔した瞬間、いつもつけていても音楽チャンネルから流れないフジファブリックが流れてきました…不思議です。

早いもので一ヶ月。早いようなそうでないような、ふわふわ感がします。
彼のいた高円寺南口。
庵主さんがそこにたどりついたのも何かの力だったのでしょうか。
きのうの夕日、きれいでしたね!これからも夕日を見るたびに志村くんのことを思い出します。
本当に日々の生活の中で思い出さざるを得ません。星空だったり、白い息だったり、はたまたイチゴだったり、これからずっとこんなことが続くと思います。

富士吉田という思い入れの強い場所も、これからはまた志村くんという特別な存在でまたさらに私の中で特別な場所になります。
志村くん、ありがとう。

近いうちに行きたいなあ…吉田うどん…

投稿: タラ | 2010.01.25 10:30

月命日、一か月、あっと言う間でしたね。。
高円寺にいらしたんですねー。
私は、久しぶりに家でひとりになれたので、
両国国技館のDVD見てました。
7月のイベントには行く予定でいます。
(友達親子とムスメを連れて)

投稿: ikuko | 2010.01.25 15:41

こんにちは。

24日・・・一ヶ月たったんだなぁ。
現実を受け入れてそうで、
ときどき「いないんだ」という思いが
強く湧き上がってきます。
忘れることはないけれど、
志村くん、絶対忘れられない日に
天に召されたね。
クリスマスイブなんてさ・・・

投稿: kirari | 2010.01.25 21:23

みなさん、コメントありがとうございます。
本当にこの1ヶ月、今まで体験したことのないような時間の感覚でした。
一日一日、聞くもの見るものが全て大切に思えます。
ある意味こんなに敏感な自分は初めてです。
そんな自分に少しびっくりしたりして。
こうして日常の大切なモノに気づかせてもらっていることに感謝です。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.01.26 07:46

21日北海道から日帰りで、志村會に参加しました
高円寺に行くつもりでしたが、気持ち的にまだ無理でした
5月には、高円寺と富士吉田に行こうと思っております
月命日はお花とコーラを手向け、自分の部屋で月に1度のライブが開催しました
1日1日を大切に生きていこうと思います・・・

投稿: パッチ | 2010.01.26 12:47

二度目のコメントお邪魔します。

私は今年はエネルギーの変わる年だよ。と親族に言われて、年末から…というか、去年の10月くらいから研ぎ澄まされてきた、第3の目を信じて、今日まで生かされてきました。
日々、驚きと、不思議なことで、飲み込めないことも多々ありますが、受け入れたら、有りがたいことなんだなぁって実感しています。

宇宙の力に感謝です☆

太陽様が、さんさんと降り注がれている宮崎の空です☆

投稿: 里沙 | 2010.01.26 14:14

そうだったんですかぁ・・。

高円寺南口のロータリーで唄っていた青年を見たことがありますが、もしかしたらね。

19才の中原中也と志村さんは同じ所に立っていたのですか。

guccyさんって、ほんとなんか凄いですね。

私の高校時代は、高円寺南3丁目にあった「かぶと虫」というBeatl's専門スナックで、常連の財津さんやチューリップのメンバーなんかと、Don't Let Me Dounなんかを朝まで大合唱していたんですよぉ。
自宅から5分くらいのところにありましたね。

在学中の子供には発見されませんように。

なんか泣けてきてしまいましたよ。

お姉様はどちらの劇団でしたか?

む い

投稿: むい | 2010.01.27 01:23

パッチさん、北海道から日帰りで!
きっと志村くんや関係者の皆さんにも気持ちが伝わったことでしょう。
落ち着いたらゆっくり富士吉田へお越しください。

里沙さん、そうですね。
志村くんはまさに第三の目や耳を持っていた人だと思います。
私も彼によってそれらを開かされた気持ちです。

むいさん、こりゃまたすごいお話で…。
とりあえず、近いうちにお会いしましょう。
う〜む、自分でもいろいろ不思議すぎます。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.01.27 08:30

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