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2010.01.14

『よくわかる!日本の新宗教』 島田裕巳(監修) (笠倉出版社)

07231446jpg ういう系統の本はたくさん持っていますが、これはちょっと毛色が違っていて面白かった。カミさんも面白い面白いと言っておりました。つまり、ちょっと週刊誌的な感じがあるんです。マニア向けではなくて大衆向け。
 いやもう、「笠倉出版社」というだけで、私は飛びついちゃったんですよね。えっ笠倉が新宗教の本?っていう感じだったんで。
 御存知のように、「笠倉」と言えば、レディースコミック、BLコミック、パチンコに競馬、改造車にPC裏技っていうイメージじゃないですか。私の趣味からはほど遠いけれども、なぜか研究対象としては身近な感じがする分野ばかり(笑)。ある意味日本の裏伝統文化を支えてきた(いる)出版社ですよね。
 正直すごく分かりやすかったんです。今まで、どちらかというと教典などの各教団出版物、学術書や事典、せいぜい『日本の10大新宗教』『平成宗教20年史』のような新書を読むばかりでしたので、まあ知識は豊富な方だったと思いますが、なかなか頭の中で整理されていない感じがあったんです。でも、笠倉さんのおかげでだいぶ整理できましたよ。
 冒頭の「日本の新宗教相関図」という樹型図をはじめとして、2ページに1ページはいわゆる「図解」ですからね。やっぱりこういう大衆への優しさというのは大切ですよ。よくまとまっていました。
 そして、やっぱり根本の視点が他所と違っている。帯には「カネ」「信者数」「勧誘術」etcとあります。ね?面白そうでしょ?
 特に各団体の「集金モデル」は、単純と言えば単純ですが、なるほどと思わせるものがありました。なんとなく宗教団体というと強引な勧誘と多額のお布施みたいなイメージがありますが、たしかにこうやって示されると、全然そういうシステムではないことがわかりますね。
 だいたい、一人当たりの上納金は大したことないんですよ。1ヶ月100円とか、せいぜい3000円とか。しかし、チリも積もれば山となるということで、その数が100万人なら、1000円も1年で12億円とかになるわけですね。あとは出版ビジネスですね。確実に100万部売れるんですから。
 出版やその他のメディアビジネスということでは、この本でも取り上げられている、そして昨日の記事でも登場した出口王仁三郎がそのはしりですよね。昨日も書いたとおり、彼はカミとカネを有機的に結びつけた最初の宗教人だと思います。
 これも昨日書きましたが、その影響は両世界において、とんでもなく大きいものがあります。我々はふだん気づきませんが、宗教、経済、政治、芸術といった分野での、地下水脈としての彼の影響力は多大なものがあります。
 冒頭の「相関図」を見てもわかるとおり、彼の教団「大本」はまさに「大本」で、現在名だたる神道系教団のほとんどが根っこをたどると「大本」に行き着きます。
 ある意味「万教同根」を唱えた王仁三郎の言うとおりであり、また逆に言えば、「万教帰一」のはずが、今はどんどん枝分かれしてしまっているという皮肉なことになっているとも言えます。
 そして、当然のことながら、枝分かれし、袂を分かち、暖簾を分けるうちにどんどんパワーダウンしていくという図が読み取れます。20世紀は分裂の時代でしたね。やはり21世紀は再び融和、融合、合流の時代ではないでしょうか。そして、数がどんどん減っていき、「1」になり、最後は「0」になるというのが、王仁三郎の理想でした。
 今ここにたまたま「祭政一道」と書かれた色紙があります。王仁三郎の書です。この意味もまた、単純に「政教分離」の逆ということではありません。もっと根本的なことを言っているような気がしますね。
 さてさて、この本ですが、先ほど書いたように充分に「笠倉的」であったわけですが、もう一つ思わず苦笑してしまったのは、「誤植」というか「誤変換」の多さです。見開きに一つは見つかります(…は、ちょっとおおげさかな)。いくら初版とはいえ、さすがに多すぎでしょう。小見出しにまでそれがあって、大いに楽しませていただきました。島田裕巳さん、ちゃんと「監修」してくださいよ(笑)。それにしても、最近の島田さんは、異常なほどに精力的に著作を出していますね。どうしたんでしょう。
 最後にこの本で取り上げられた教団の名前を列挙しておきます。全部で20です。出てくる順です。

創価学会・幸福の科学・アーレフ(オウム真理教)・立正佼成会・天理教・パーフェクトリバティ教団(PL教)・真如苑・霊友会・GLA・阿含宗・大本・生長の家・世界救世教・神慈秀明会・崇教真光・善隣会・金光教・霊波之光・世界基督教統一神霊協会・ものみの塔聖書冊子協会

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