天才!ニルス・ラングレン
Nils Landgren
ここのところ、私の応援する地元バンド、フジファブリックとレミオロメンが、ともにスウェーデンと縁がありまして、その影響もあってか私も少し北欧づいております。
フジファブリックはアルバム「CHRONICLE」のレコーディングがストックホルムで行われ、音楽的にもかなりスウェーデンの風土や伝統の影響を受けていました。
そして、レミオロメンは新曲「恋の予感から」のプロデューサーとして、あのトーレ・ヨハンソンを起用しました。やはりその影響は大であると感じましたね。
たしかに、山梨はちょっと北欧風なところがあります。基本寒いですしね。特にウチのあたりは針葉樹林の中にログハウスがたくさんあったりして、ちょっとそれ風です。以前、フィンランドの方が遊びに来た時、懐かしい、似てる似てると言ってました。
そんなわけもあってか、ここのところ、クラシックからジャズ、ポップス、そして民謡など、いろいろとスウェーデンものを聴く機会が多いのです。
今日はそんな中、比較的ポピュラーな音楽を紹介します。そして、最終的にはニルス・ラングレンのすごさを感じていただきたい。彼はすごい!
まず導入から。日本で最も有名なスウェーデンのミュージシャンと言ったら、やはりABBAでしょう。もちろん日本のみならず、世界的に成功した「ポップスの完成者」です。
まずは、日本でのライヴから「サマー・ナイト・シティー」をお聴きください。
う〜む、懐かしすぎ。私14歳くらいでしょう。ディスコ・ブームが始まったあたりですね。やはり今聴きますと、ビートはユーロですが、メロディーはかなりエキゾチックというか、民族音楽的ですね。ヨーロッパ・ポップスは全体にそういう傾向があり、ある意味それがアメリカでは嫌われたのですが、ABBAはそれを乗り越えて、アメリカという市場でも大成功をおさめました。
彼らって、まずオーストラリアで人気になったんですよね。日本はどちらかというとそういう民族調好みな市場だったので、ヨーロッパ・ディスコがけっこうヒットチャートに乗ってましたね。
当時の私はビルボードかぶれでしたので、実はそのあたりが嫌いでした。今思うと、本当に若気の至りでした(笑)。
昨日の話じゃありませんが、聞くところによると、ABBAって、その声質や、ちょっとたどたどしい英語がアメリカ人にはあどけなく聞こえたとか。実はアメリカも「萌え」てたってことでしょうか(笑)。
さて、その「サマー・ナイト・シティー」を、現代のスウェーデンを代表する二人が夢の競演で歌い上げているのが、次の映像。これはすごい。
あの文豪トルストイの玄孫(やしゃご)であるヴィクトリア・トルストイと、スウェディッシュ・ジャズを代表する天才トロンボーン奏者ニルス・ラングレンがすごいバトルを繰り広げています。
うわっ!すごい…ですね。トルストイさん、きれいですね。彼女はジャズでデビューしましたが、ポップスや民謡も歌えるオールラウンドなシンガーです。私も好きな歌手の一人です。そして、ニルスおじさん。相変わらずファンキーなおじさんです。かっこいい。歌も演奏も天才的ですね。
ニルス・ラングレンのおじいさんは教会の牧師さんだったそうで、小さい時から賛美歌や民謡に触れてきた、まさにスウェーデン音楽の申し子です。彼もジャンルにこだわらないミュージシャンですね。ちなみに楽器もトランペットやホルンなど、なんでもやっちゃいます。それがまたみんな上手い。
さて、そんな天才おじさんの、それこそ天才的な歌とプレイをぜひ聴いてください。以前こちらで紹介したパット・メセニーやマイケル・ブレッカーとの共演です。私はこの演奏で初めてニルスを知りました。すごい!の一言です。
それぞれのソロがみんなすごすぎですけど、結局最後のニルスのソロ&歌でそれまでの神業が全部消されちゃう。恐ろしい人です。一度生で聴きたいですね。
ご覧になってお分かりのように、彼はヤマハのトロンボーンを吹いています。そのことについて、彼はこんなふうに言っています。
「ヤマハを吹いているわけはね、この楽器がわたしを演奏してくれるから。これは終わりの無い情事さ」
日本人として、なんとなくうれしいですね。
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