『効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法』 勝間和代 (ダイヤモンド社)
遅ればせながら読んでみました。1年遅れ。
もちろん、私の仕事にも応用できる点はありますが、教員という基本アナクロでアナログな仕事をしていますから、その根本の部分というか、この本の目的とする「効率」というのがあんまり私にとっては実利的ではないのですね。
しかし、こうしてブログという媒体でアウトプットすることを修行の一つとしている者といたしましては、こうした up to date なデジタルな技術というにも当然興味があるわけです。まあある意味彼岸の出来事として観察している部分もありますが。
ちょっと話がそれますけれど、今日「Google 音声検索」のリリースがニュースになっておりました。その前には、無料の日本語IME「Google日本語入力」が出ましたよね。
この「Google日本語入力」、さっそく導入してみました。なるほど面白い。それこそ up to date な単語や2ちゃん風なネット文の変換に関しては最強でしょう。
しかし、私はすぐに使用をやめてしまいました。自分の文章というか言葉世界にGoogleが土足で踏み込んでくるような気がしたからです(些末な不便としては、まっくがMacと変換されなかったり、ぐーぐるがGoogleと変換されなかったりする点が挙げられますが)。
この土足感覚こそが、私のGoogleに対する嫌悪感や恐怖感の原因なんですよね。それは今までも何回か書きましたでしょうか。世界を全てインデックス化しようとするGoogleは敵だと。「コト」化の権化だと。
もちろん、技術的なこと、それからそのクリエイティビティー、会社の気風やモットーなんかには、ちょっとした憧れさえ抱きますよ。私もGoogleの社員だったら(絶対入れませんが…笑)、なにか面白いことできるという気がします。
しかし、こうした彼らが差し出してくれる様々な「無料」の贈り物たちには、どうしても生活感覚として「悪意」の存在を感じてしまうのです。タダより高いものはない、ということでしょうか。
Google的には、最終兵器であるクラウド・コンピューティングのための独自OSへの布石を打っているということなのでしょうかね。雲の上からの世界征服に「悪意」がないと、いったい誰が純粋にそんなこと言えるのでしょう。世界の「みコト」になろうとしている。目に見えない「モノ」を使って。
いつかも書いたとおり、私にとってのネット世界は「自然」そのものです。多様性があって、玉石混交、善意も悪意も混在していて、しかしどこかで自然淘汰(今では自然選択というのか)の法則も稼働している。そんな、自然状態を、まさに「言語」という「コト」によってインデックス化(社会化、都市化)しようとしているGoogleは、はたして、神なのか悪魔なのか…。
というわけで、この本で語られる、「自分をグーグル化する」というのは、ある一面においては、自分の神化になるでしょうし、私のような世界観を持っている者にとっては、単に自己の「悪魔化」を表しているとも言えます。
そこまでして、我々は「効率」を求めるべきなのか。はなはだ疑問です。
しかし、一方で、この本では案外アナクロでアナログな話も多々出てきます。特に人脈作りに関する部分は非常に古典的というか保守的というか、結局は人間関係が円滑でないと「効率」も下がるということなんでしょうかね。ここんとこだけは、さすがにグーグル化するだけでは、どうにもならないのか。ちょっと安心したりして(笑)。
あと、妙に勝間さんに親近感を覚えたのは、「親指シフト」のことです。これもいつか書きましたね。「ローマ字入力」によって、いったいどれほどの経済的損失が生じているか(笑…いや、笑えない)。単純計算して、「親指シフト入力」に比べて、「ローマ字入力」は1.7倍の時間と労力がかかっているのです(!)。それをほとんど全ての日本人がやってるわけですからねえ。Google的な発想からすれば、最初に見直すべき「非効率」でしょう。
まあ、そんなムダこそが、Googleという悪魔の侵攻を防いでいるのかもしれませんが。
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