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2009.11.09

Star Walk for iPhone

20091110_82358 iPhoneを使い始めて1ヶ月ほど経ちました。たしかに便利ですし、使い勝手もよろしい。これは売れますね。もともとMacユーザーである私としては、こういうApple的世界がより広く認知されるということが何よりうれしいことです。単なる物としての価値ではない、人の心を動かし、人をつなぎ、世界の創造力と想像力をかきたてる、本来の「デザイン」がそこにあると思うからです。
 さて、この1ヶ月間、まあいろいろとアプリを使ってみました。基本的に無料のものや、安物しか使っていませんが、まあ使えるのもあれば使えないのもある。おもちゃとしては許せるなというものがほとんどと言えばほとんど。
 そんな中、驚くほど感動したのがこの Star Walk です。いちおう天文ファンである私としては、これはある意味夢のソフトですし、しかしまた、ある意味無用の長物でもあります。
 基本的にパソコン用の天文シミュレーションソフトのライト版という感じですが、なんといってもすごいのは、iPhoneに内蔵されているGPS、電子コンパス、加速度センサーを駆使して、リアルタイム星座早見になるという点です。つまり、星空にiPhoneをかざすと、その方向の星空が画面に表示され、設定によって、星座や星座絵、星の名前などを表示してくれるという機能です。いわば、星空版セカイカメラとでも言いましょうか。
 その精度の高さと追従性の高さは特筆ものというか感動ものです。これは夢だったよなあ。ついにそれが叶ったという感じです。
 無用の長物といったのは、まあ、私くらいの天文ファンなら、いちおう夜空の星を見れば、あれが何座とか、あの星の名前はということはわかる、すなわち昔取った杵柄で、星座早見や全天恒星図が頭の中に入っているということなんですが、それでもまあ、さすがに歳とったし、毎晩6等星まで見える環境にいると、なぜかあんまり星を見なくなってしまうという、妙な逆説的状況(富士山も見ない日があるくらいですから)になっている私としては、そうした記憶を補助するという意味においては有用なのかもしれません。
 またこれは、最近星にちょっと興味を持ち始めた娘たちの勉強の動機付けにはいいかもしれません。今の子どもたちはいいですね。いやいや、恵まれすぎかも。
 この前のデジカメと銀塩カメラの話、デジタルとアナログの話とも重なるかもしれませんね。昔だったら、私のように自分の脳という実は見事にモバイルなディバイスにですね、メモリーさせておくことが最良の手段だったわけですよ。しかし、今こうして、自分を補助する、自分を拡張する、しかし他者と共有するタイプの外部ディバイスを使うようになりますと、脳というディバイスへの負荷が減ってきますね。必要な時にさっと外部ディバイスを取り出せばいいやと。
 それってはたして私たちにとって幸せな状況なのでしょうか。特に子どもたちにとって。このアプリについても、感動しつつ、ちょっと心配というか、複雑な気持ちになるんですよね。難しいところです。
 先ほど、私の記憶を補助するという言い方をしましたけれども、もしかすると、私の記憶をさらに劣化させる、実は悪魔なのかもしれません。そんなこと言ったら、もうケータイとか、パソコンとか、全部が全部「コト化」を助長する悪魔ということになってしまって、我々人間はこうして我が手で我が首をしめているということになりかねませんね。こうして書いている言葉自体が最も古くてタチの悪い悪魔なんですが(笑)。
 ちょっと話を戻しましょう。いつかも書いたと思いますけど、今、私たちの手が届かないモノ、本当にどうしようもないモノ、不随意で手を加えられないモノって、宇宙しかないと言えばそういうことになるんです。
 もちろん、どこまでを宇宙とするかというのは難しい問題です。太陽系内であったら、もうけっこう手を加えてますからね。しかし、たとえば200万光年先にあるアンドロメダ銀河なんか、今こうして望遠鏡で観ることはできますけれど、なにしろ今観ているのは200万年前の光であるし、行こうにも(たぶん)行けません。最新の天文学は、ある意味最古の考古学になっていきます。そういう科学、芸術の分野って、もう宇宙にしか残されていません。つまり、宇宙の前(下・中)では、我々現代人も、星座をつなぎ、神話をつむいでいた古代人と何ら変わらないのです。
 そこが、天文学、星の世界の魅力なんですね。私たちが唯一自分の傲慢さから逃れられるのは、こうして宇宙の前(下・中)に、無重力で、そして無力に漂う刹那だけなのでした。私はこれこそが宗教の根源だと思っています。

Star Walk

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コメント

前略   薀恥庵御亭主   様

「天文全般」無知ではありますが・・・
 ↑
「ワンパターン」ですね。←糞垂坊主

12月14~15日は・・・
「ふたご座流星群」のピークです。
愚僧 楽しみにいたしております。

えぇぇぇぇ・・・
「デジタル」「アナログ」ですね。

わたくし・・・「のこぎり演奏」を
たしなんでおります。笑

これは「アナログ」・・・の
世界なのでしょうか。笑

NHKの「シャキーン」で流れて
おります「るるるの歌」・・・
あれは「超名作」ですね。
天才のこぎり奏者の「サキタ ハジメ」様
の作品です。

「るるるの歌」兎に角・・・「音楽」も「絵」
も最高です。後世に残る「大作」です。
これも多分「アナログ派」だと思います。

愚僧だったら・・・「レレレの歌」を
作ったでしょう。  レトロですね。

愚僧の夢は・・・「素浪人花山大吉」の
制作 監督です。笑 
撮影は・・・  「アナログ白黒撮影」で
歌は北島三郎様の「浪人まかり通る」。

そうですね主人公は・・・うぅぅぅん。
「爆笑問題」の御二人様に御願いしましょう。

自分も「デジタル中心」の暮らしを
いたしておりますが・・・
時々 「アナログ」が無性に恋しくなります。

合唱おじさん           拝


投稿: 合唱おじさん | 2009.11.10 20:19

天文学奥深そうな様子ですね。。。

すごい意外な事に、星を見ることが好きなのですが、見ながら『あの星爆発してるんだよなー』と思いながら見ちゃいます。オリオン座とかずっとオリオン座ですよね。ずっと爆発してるんですか?
謎過ぎますsign03

今までて心に残るステキshineな星空を見たのは、合宿の民宿を抜け出してセブンイレブンに行く途中と、男に連れて行ってもらった富士山行く道のどこかです。
そう思うといいところで育ってますよね。

月の土地が\3000から買えるってニュース見た時は心弾みました、がまだ買ってません。

投稿: カオル | 2009.11.10 21:40

【訂正】
すみません 訂正させて頂きます。 

天才のこぎり奏者の「サキタ ハジメ」様 ×
天才のこぎり奏者の「サキタ ハヂメ」様 ◎

御無礼致しました。

もう夜中でありますが・・・思い出しました。
そういえば「どっこい大作」 もありました。笑

青影の「金子吉延」様が御主演。
志村喬様 笠智衆様 が御出演でした。
いやぁぁぁ・・・懐かしい。

今 撮りなおすとしたら・・・
主演は・・・響(ひびき)の「長友光弘」様
でしょうか。笑

「NHK」様で・・・垣根を越えて
兎にも角にも「善い作品」は是非とも再放送
して欲しいですね。
「時代劇チャンネル」だと一部の御方様しか
見ることができませんから。

あぁぁぁぁ・・・
夢に「花山大吉」様 でてこないかなぁぁ。
ホント 馬鹿ですね。
合唱おじさん            拝

投稿: 合唱おじさん | 2009.11.11 00:51

合唱おじさん様、いつもありがとうございます。
ふたご座流星群はこの世で最も美しいものの一つですね。
明るくて比較的ゆっくりな流星が多いので、
天文ファンにとっては何より楽しみなイベントです。
ただ、寒いのが難点。
特にこの地方では命がけです(笑)。
窓越しでもきれいに見れますが。
ぜひ、制作・監督頑張ってください。
その時は、助監督か音楽担当ででも使ってくださいませ。

カヲル、どうも。
オリオン座が爆発してるわけじゃないけど、オリオンの腰のあたりにある大星雲(M42)のあたりで、超新星の爆発があったんだよね。
これはいわば出産みたいなもので、たくさんの子ども(星)がどんどん外に広がっていっているわけだ。
なんか不思議だよね。
富士山麓は星を観るにはいいところだよ。
カヲルたちのクラスの子連れてどっかに観に行った記憶があるなあ。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2009.11.11 17:38

前略  薀恥庵御亭主    様

御協力 誠に有難う御座います。

愚僧・・・根っから「花山大吉」
好きなんです。

よしっ・・・「星に願いを」。笑

合唱おじさん        拝

投稿: 合唱おじさん | 2009.11.11 18:22

合唱おじさん様、こんにちは。
こちらこそお願いします(笑)。
そう言えば、私、半次と同じ焼津生まれなんですよね。
というわけで、私は半次役ということで。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2009.11.12 14:03

前略   薀恥庵御亭主   様

有難う御座います。

御亭主様の「焼津の半次」役ならば
最強無敵であります。

「焼津の半次」・・・
愚僧の永遠の憧れです。笑
御人柄が善くて・・・おっちょこちょい。
けれども 絶対に人様からは憎まれない。

私  「ディズニー映画全般」を高くは
評価いたしておりません。
まぁぁぁ・・・ 「毒気」が無いのが
その原因かも知れません。
あまりにも・・・「善意」が表面化して
いるのが愚僧とは合わないのです。笑

そんな中でも・・・ 「ピノキオ」だけは
別なのです。高く評価いたしております。

はっきりいって・・・「ピノキオ」が
自分そっくりだからです。笑

「意志」が弱くて「流されやすい」その上
「嘘吐き(うそつき)」。

洟垂れ小僧の時分・・・映画を観てて
「ピノッキオ」が自分そっくりで物凄く
「親近感」を抱きました。笑

親父も・・・愚僧がすこしでもまともな
人間になるよう【星に願いを】かけていた
ことでありましょう。苦笑

ピノッキオおじさん        拝


投稿: 合唱おじさん | 2009.11.12 16:10

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