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2009.11.22

ホッキョクグマ「ロッシー」は可哀想?

Peace60 い夫婦の日。私は久々に家族みんなで静岡の実家へ。ウチの夫婦や私の父母が「いい夫婦」か、実に微妙でありますが、96歳になる祖母を施設に見舞いに行った時は、さすがに祖父母はなんだかんだ言って「いい夫婦」であったと思いました。祖父は93で亡くなりましたが、本当に大往生。祖母も施設のベッドの上にいるとはいえ、体に痛いところなど一つもなく、久々の孫との会話にもユーモアを忘れず、元気と言えば元気。結局、こうしてお互い健康に長生きして、ケンカしながらでも、とにかく長く連れ添うのが一番「いい夫婦」ですね。
 さて、今日は「いい夫婦」とは全然関係ない話。
 夜は母と嫁の合作料理をいただきながら、父が用意してくれていたおいしい日本酒をいただきました。テレビでニュースを見ながらの食事だったのですが、例によって最後は私と父の大げんかで終わりました(笑)。どうも思想的に敵対するんだよなあ…父子ってそういうものなんでしょうね。ある意味ライバル。
 …って、その話がメインではありません。ホッキョクグマの話です。
 静岡のローカル局でこんなニュースが流れました。
ロッシー誕生日に温暖化考える 静岡・日本平動物園で22日フェスタ
 ロッシーというのは、昨年日本平動物園にやってきた人気者、子どものホッキョクグマ(しろくま)です。
 ニュースでは、来園者の子どもがインタビューを受け、「温暖化でホッキョクグマの住むところがなくなってしまうので、温暖化はいけないことだと思います」とか、なんとも言わされた感のあるコメントをしておりました。いや、彼は彼で純粋にそう思って言っているのですから、それはそれでいいのです。
 しかし、そういう言葉の出てくる背景にある、教育現場での指導やら、こういうメディアでの物言いというのには、ちょっとこわいものがありますね。
 もちろん、ホッキョクグマにとっては、温暖化は多少の問題はあります。長期的に見てある程度の移動をしなければならないからです。
 でも、そんな程度の気候変動は地球の歴史の中ではごく普通のことで、そのたびに我々はいろいろな所へ移動して生き延びてきたのです。そちらの話もしなければ。
 それから、これはいつも言っていることですが、ちょっと考えれば分かる通り、気温が上がって二酸化炭素濃度が上がるということは、ほとんど全ての植物にとって望ましいことです。光合成の勉強をした時、そういうふうに教わっているはずです。晴天時など充分な光がある条件下では、現在の地球上の二酸化炭素濃度は低すぎるくらいです。温度についても同じようなことが言えます。
 植物が元気なら動物も元気になります。食べ物が増えますからね。草食動物が増えれば肉食動物も助かります。
 ですから、温暖化すると困るというのは、人間にとって「困る」ということなのです。人間は国家という檻の中にいますので、簡単に移動もできませんし。
 もちろん、これもまた一面的なものの見方であって、極端な論であるわけですが、しかし、そういう視点も持たねばならないと思います。そういういろいろな視点を提供して、クリティカルでロジカルな思考を促すのが、教育や報道の本来の仕事だと思うのですが。
B47 そんな人間の愚かさをまだ2歳にならないシロクマのロッシーは憂えているのでしょうか。この前、遊具のブイを放り投げて、お客さんの頭に直撃させてしまったそうです。怪我をされた方には同情申し上げますが、これによって大好きな遊び道具であるブイを撤去されてしまったロッシーは、ある意味もっと可哀想なような気がしませんか。
 さらに、今日の「温暖化」の話ですけれど、考えてみると、ホッキョクグマの棲み処が暑くなるとかいう問題ではなく、ずっと昔から「温暖」で、さらに「温暖化」している日本の中の「南国」静岡に、こうして親から引き離されて連れてこられたロッシーって、それこそ「温暖化」以前にとっても可哀想だと思いませんか?ww
 …と、こういうことを言いましたら、また親父とケンカになりました。彼は、徹底した温暖化反対論者なのであります。彼は、人間の、欲望に任せた経済活動に異議を唱えているんです。それもわかります。日本の金融の中枢に長く勤めた父親の、せめてもの償いなのでしょう。
 というわけで、親子でもこれだけ意見がぶつかるんですから、世界中からいろんなケンカが絶えないのは、これはしかたありませんな。みんなわがままですこと。

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