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2009.11.15

『しるこサンド』 (松永製菓)

20091116_80911_2 むむ、まだまだ世の中知らないことがあるものですな。こんなにおいしいお菓子を知らないで40年以上生きてきたとは。
 いや、もしかすると一度は食べたことがあるのかもしれません。今日口にしてみて、なんかとっても懐かしい感じがしましたから。
 今日、カミさんが地元のスーパーで見つけて買ってきました。なんだか妙に嬉々として「しるこサンド」について語っているので、よく聞いてみますと、秋田の山奥で育った彼女の唯一のスナック菓子がこれだったということ。
 たしかにああいう山村では、おやつと言えば自家製の漬け物とか餅とか、そういうものが多くなります。大人のおやつを子どもも食すという感じですよね。
 だいいちあの辺りには商店らしい商店もほとんどありませんから。スーパーに行くには車やバスを使って小一時間かけて行かなければなりません。時々、行商(物売り)が来たそうです。いろいろな日用品や食べ物を売りに来たとのこと。
 カミさんは私より十ほど年下なのですが、高度経済成長期の東京の団地で育った私と比べますと、正直半世紀ほど前の生活様式を経験なさっているようです。それでよく話が盛り上がります。
 ちょっと話がそれますが、そんな生活自慢(?)の中で、一番私の心を重くした話はあれですね。
 冬場3メートル近く雪が積もった中で、小さな子どもが熱に冒されて、さあ里のお医者の所へ連れて行かねばということで、馬そりにその子を乗せて、村の男衆数人でいくつかの峠を越えた。でも、最後の峠の頂上付近で、その子は冷たくなっていた…。
 私が東京でぬくぬくと現代文明の恩恵を受けている時に、かたやこんな状況だったのですからね。なんとも切ない話です。いや、私は私で光化学スモッグと必死に闘っていましたよ。あれはあれでひどいものでした。夏休みなんか、野球していると、みんなバッタバッタ倒れちゃうんですから。
 しかし、こういうことを考えますと、カミさんが「何が格差社会だ!」というのも理解できますね。
 えっと、話を戻します。「しるこサンド」です。カミさんの実家がどういう経路でこのお菓子を入手していたかは定かではありませんが、とにかくこれが秋田の山村ではとっても高級なスナック菓子だったそうです。
 あっそうそう、ちなみにそこでは、カップラーメンというのはとても高級な非日常的で文明的な食べ物だったそうで、だから、誕生日とか、何かの御祝の時にだけ食べることができたそうです。なるほど。
 おっとまた話が逸れた。ええと、この「しるこサンド」ですが、調べてみますと、以前は中部地方限定のお菓子だったということですから、あの時代、どのように秋田の山村まで伝来していたのか、ますます不思議に思えますね。
 最近では全国的な人気商品だということで、スーパーやコンビニだけでなく、100円ショップでも売られているということです。
 ところで、考えてみると、ビスケットの間に「おしるこ」が挟まっているという、その状況がすごいですよね。発想からして斬新と言えば斬新。
 たしかに、「コーヒーサンド」とかありますし、液体(しるこが液体かどうかも微妙ですが、いちおう汁なので)をビスケットに挟んで焼いてしまうというのは、それまでもなかったとは言えないと思いますが、「餡サンド」とか「あんこサンド」でも良かったろうに、「しるこ」と言ってしまったところが偉い。
 いや、「しるこ」とは「汁粉」であって、これは「粉」をサンドしているのではないか、とおっしゃる方もいらっしゃるやと思われますが、語源を遡ってみますと、というか、歴史的な用法を見てみますと、どうも「しるこ」の「こ」は「粉」ではないようです。どちらかというと、それこそ秋田弁などにあります、愛情(親しさ)をこめる接尾辞の「こ」に近いのではないでしょうか。
 ですから、やっぱりこれはあくまでも「おしるこ(ぜんざい)」を挟んで焼いたということでしょう。実際、お椀のイラストがあったりしますからね。
 で、お味ですが、ビスケットの塩味と「しるこ」の甘さが絶妙なアンサンブルを醸していますね。「しるこ」もそれほど「餡」らしさ、あるいは「豆」らしさを主張せず、謙虚な甘さであり、それがある意味意外と言えば意外。ネーミングのインパクトからしますと、やや淡泊と言えるほどです。
 また、絶妙な油っ気と、またあの食感、つまり硬さですね、それがなんともクセになります。さすが40年以上のベストセラーですね。
 Wikiで見てびっくりしたのですが、刑務所では「ビスケット」を注文すると、この商品が配給されるのだとか。なんかちょっとした贅沢というか、単なるビスケットより、ちょっとした温情を感じるのは私だけではないでしょう。
 また、公式サイトにもあるように、夏場は塩の分量を増やすのだそうで、なるほどそうした工夫もまた人気の要因の一つなのかなと思います。
 これはたしかにクセになる逸品ですね。
 というわけで、当面の研究テーマは、昭和50年代に、この「しるこサンド」が名古屋からどのように秋田まで伝播したか…これですね。行商っていうのが一番味があっていいんですが…笑。

松永製菓公式
しるこサンドのひみつ
しるこサンドのつくり方

テレビ番組でも話題になりました!松永製菓 おいしさ百景しるこサンド 12入

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コメント

しるこでふと思い出したのですが、懐中しるこというの以前いただいたことがありました。よく憶えていませんが、単に、もなかのようなものだったような気がします。もなかをお椀に入れて、お湯を注ぐといった感じです。
話は変わりますが、夕方のニュースで見ました。19日の学校説明会、がんばってください。

投稿: kobayashi | 2009.11.16 21:56

kobayashiさん、どうもありがとうございます。
懐中しるこってありますね。
歴史的にも懐中食としてあったみたいですよ。
カップラーメンの元祖みたいなものでしょうか。
乾燥納豆とかも重宝したようですね。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2009.11.16 22:02

汁粉サンド、東京オリンピックの頃には秋田の田舎に存在してました。

祖母が田植えバイトの『たばこ(おやつ休憩)』に出たお菓子を持ち帰ったなかに、入ってました。当時田植えバイトを依頼する農家は田んぼが多いお金持ちで、たばこの内容が良かったです。

投稿: の・いそじん | 2012.03.14 04:34

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