『世界カワイイ革命』 櫻井孝昌 (PHP新書)
なぜ彼女たちは「日本人になりたい」と叫ぶのか
ここのところ、BUMP OF CHICKENやレミオロメンを通じて、日本のロックについて、いや非西洋的音楽について熱く語ってしまいました。これにはいろいろと理由がありまして、実は今日のこの本の内容とも重なってくるんですよね。
どうも戦後教育にどっぷり浸かっていたせいか、自分もどこか西洋礼賛的な発想をしていたことに、案外最近になって気づき始めたのです。遅いよ!と言われてもしかたありませんね。
でも、やっぱり日本人って自分たちの文化を卑下しすぎだと思いますよ。それってなんなんでしょうね。そういう性質の民族なんでしょうか。それとも、やはり教育のせいなんでしょうか。自虐史観とかよく言いますけれど、実はそれ以前に自虐文化観というのもあるような気がするんですよね。
まあ、ワタクシ流に簡単に言ってしまえば、近代以降の日本では「モノ」より「コト」の方が優れていると思われてきたということです。
感覚より論理、混沌より整然、多神教より一神教…。
日本で素直に流行るモノは、全て「サブカルチャー」としてくくられ、どこか低俗で恥ずかしいものだとされてしまう。
ここ10年くらいでしょうかね、そういう常識に、私も何かものすごい違和感を抱くようになったのは。ちょっと待てよと。じゃあなんで「本場」ヨーロッパでこんなにもてはやされてるんだ?と。
この本で取り上げられている女の子のファッション、いわゆる「東京リアル・クローズ」もそうです。それ以前に、マンガやアニメ。もっともっと以前に「浮世絵」。
「浮世絵」などの江戸文化については、どこかにも書きましたね。とにかく、江戸の庶民の文化、今風に言えばそれこそサブカルチャーになるんですけど、それが、たとえばヨーロッパに渡って、あの印象派を、そしてその後の様々なアートシーンを用意したというのは、これはまあ常識です。
考えてみれば、ダ・ヴィンチ以来の「写実」を根底から覆したわけですから、それはもう本当に世界にとっての革命的契機なわけです。そういう事実も、いちおう逆輸入により今では日本でも学問的に評価されていますが、実はもっともっと我々が誇りに思っていいことなのではないかと思いますよ。
ご存知のように、リアル・クローズはとにかく自由です。パリコレ的なモードや作られた流行としてのファッションはそこにありません。着たい服を着たいように着こなすのがその唯一のルールと言っていいかもしれない。
もちろん、値段やブランドなんていうコトにはこだわりません。いかにチープな素材をデフォルメしアレンジするか。そう、まさに「リ・クリエイション」がそこにあるわけです。価値の創造の喜び。
その結果は、西洋的基準からすれば、単なるカオスです。まるで、新宿や秋葉原の混沌とした電飾広告群のようです。そこには、「景観」はありません。しかし、その多様な全体が醸すエネルギーたるや、誰もが圧倒される。
それこそが、私の言う「コト」化されていない「モノ」の生命力なのです。「コト」は、言葉です。つまり言語。全ての人間の枠組みは「言語化」によって構成されます。法律なんかは一番わかりやすい例ですね。
それによって、いわゆる「近代社会」が成り立っているというのは、よくわかります。しかし、その枠組みゆえの限界点というのも見えているのが実情ではないでしょうか。
それをぶち壊していく、つまり、言語(結局は固定化した思考ということですが)を超えた、想像力、そして創造力のエネルギーに期待したいのです。私たちは、いや「私は」なのかな、そろそろ、言葉という人間の開発した道具に飽きてきているのかもしれません。
いずれにせよ、著者の言うように、もっと我々はそうした混沌とした、多様な、そして自由な「日本文化」、あるいは「日本精神」というものを、積極的に海外にアピールし、あるいは売り込んでもいいと思います。
最近、ある国際教養系のAO入試を受けた生徒と一緒に、「禅」と「日本文化」と「言語」について勉強しました。なかなか面白い結論が出たのですが、それを武器に闘っての結果はどうだったか。もし、合格したら、ちょっとその辺についても書こうと思っています。
教外別伝、不立文字…「言語化」しにくいモノ、あるいは「論理」を超えたモノを、結局「言語」というコトでアピールし、売り込まなければならない矛盾…それが、昔は苦痛でしたし、ある種の諦めを生む原因になっていたのですが、どうも最近はそこが面白くなってきたようです。私もちょっとはステージが上がっているんでしょうか。
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コメント
前略 薀恥庵御亭主 様
御亭主様 御早う御座います。
愚僧・・・
御亭主様の「御教え」により・・・
随分と成長したように感じています。
本当に有難う御座います。
えぇぇぇ・・・
「禅」の関連書籍は数多(あまた)
ありますね。
「夢」×「無」の境地を指し示す
ための「言葉」の集積です。
「親」になることは簡単でも・・・
「親」であることは艱苦であります。
「ものの本質」を表現するためには
「無限量の言葉(ことば)」が必要なので
ありましょう。
その為の「言葉」は大切であり・・・
「無駄」ではありません。
愚僧の「駄洒落」こそが牟田悌三×
無駄ですね。笑
あっ・・・そういえば・・・
「川瀬巴水」様の浮世絵を
大切に持っておりました。大好きな
版画家様です。
巴水様の版画等・・・「大切なもの」
を地震で失いました。
まぁぁぁぁぁ・・・
「失ったもの」も多いのですが・・・
「失ったもの」によって得た「こと」
もあります。
愚僧に一番・・・不足している・・・
「感謝する」という「こと」。苦笑
さぁぁぁぁ・・・・
いよいよ・・・「修行」のはじまりです。笑
一段と寒くなります。御亭主様・・・
御法体 御自愛くださいませ。
合唱おじさん 合唱×合掌
投稿: 合唱おじさん | 2009.11.30 09:26
合唱おじさん様、こんばんは。
「コト」を窮めて「モノ」に至る。
人間としてむなしくも果敢に言葉を発し続けるしかないようです。
それがようやく楽しくなってきました。
皆様のおかげです。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2009.11.30 18:47