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2009.10.16

『SONGS 美輪明宏スペシャル』&『SONGSプレミアム 美輪明宏』 (NHK)

20091017_91301 ととい録画しておいた「スペシャル」を観たあと、すぐにBShiの「プレミアム」が始まりました。狙ったわけではありません。本当に偶然でした。
 「スペシャル」の録画の最後に「プレミアム」の告知があり、時計を見たらちょうどそれが始まる時間だったということです。おかげで、たっぷりどっぷり美輪明宏ワールドを体験してしまいました。
 まあ、さすがにお腹いっぱいになりましたね。美輪さんの歌、いや歌だけではありません、その存在のオーラを全て受け入れるには、いかにテレビを通じてとは言え、こちらにもそれなりの覚悟が必要ですからね。
 美輪さんの歌に関する感想は、昨年書いた通りです。魂を揺さぶられますね。音程とか、リズムとか、そんな些末な(!)ことはどうでもいいのです。まずは言葉なのです。私たちの生きた言葉には、本来音程もリズムもありません。いや、そうではないか。全ての音程もリズムも内包されているのか。
 その全ての可能性から、どういう基準でどうやってそれらを抽出するかというのが、いわゆる音楽のジャンルを分ける要因になります。
 いや、ことは音楽に限りません。今日も美輪さんのSONGSを聴いて、そして観て思いましたが、やはり歌と言葉と身振りというのは切っても切り離せない関係がありますね。つまり、分かりやすくこれまたジャンルというフィクションでお話すれば、歌と演劇との境界線というのも実はとってもあいまいなものなのです。
 いちおうウチのバンドでなんちゃって歌手をやっているカミさんにもよく言い聞かせました。ただ歌詞を覚えて、メロディーを覚えて上手に歌っても、人の心は動かせません。言葉を理解して、自分とその言葉とが対等の立場になって、簡単に言えば「なりきって」歌わなければ、それはどこか空々しい歌にてってしまうものです。
 もちろん、それは私がやっているバロックというジャンルでもそうです。私はキリスト者ではありませんし、ヨーロッパの言語にも疎いので、正直その点になるとかなり心もとないのです。なんとなく空々しい気分で演奏しているのです。まあ、私は器楽奏者ですので、多少のその罪は軽くなるとは思いますけどね(苦笑)。
 ところで、今日思ったんですけど、こうやってフランスのシャンソンを日本語で歌うという文化ですね、これって結構古くからありますよね。もちろん他の国の歌を日本語で歌うというのもありますが、フランスの文化は特に日本人好みです。
 これは逆のことも言えるのであって、日本の浮世絵をフランス流に解釈し再現した印象派の画家たちを挙げるまでもなく、いわゆるジャポニスムという潮流は、この日本流フランス文化受容術の裏返しと言えますね。
 この日仏の芸術分野での「噛みあい」はなんなんでしょうね。私の少ない経験から言うと、決して日本人とフランス人の心性って似通っていないように感じるんですけど。たしかに、多少情緒的で夢想家で、しかし「語りたい」気質でもある点は似ていると思います…って、それだけ共通してれば充分か(笑)。昨今のオタク文化交流を見れば分かります。そう、両者とも実は大人ぶってる子どもなんですよね。
 しかし、美輪さんなんかもそうですけれど、そういう例えば大人と子どもとかいう境界を超えるというか、これはマイケル・ジャクソンのところで散々語りましたけれど、境界自体がすでに社会的なフィクションであって、それを超えるどころか、全部内包してしまう。そう男女の区別なんかもそうですね。そういうしなやかさというのが必要ですね、これからの時代は。
 私たちはそういう自分たちが作ったフィクションに縛られすぎです。もっと自由に自信を持って生きていきたいですね。美輪さんは今年74歳だそうです。ある意味そうしたフィクション(語られた「コト」)だけでなく、リアルな「時」という「モノ」すらも呑み込んでしまっているように思えます。
 あと、美輪さんからにじみ出る「教養」ですね。「教養」って、やっぱり「コト」だけじゃないんですよ。つまり知識とか常識とかだけではない。妄想も夢も霊界も全部含んだ、つまり言語化不可能な「モノ」も必要なんです。最近の芸能人や宗教家、その他庶民にも足りないのは、実はそこんとこなんですよねえ…。
 「プレミアム」が終わって、そのあと「BS日本のうた」が始まりました。そこにもたくさんの「歌」がありましたが、何かモノ足りない。島津亜矢さんなんか、ホントにうまいんですけど、やっぱり何かが足りない。これから彼女が身につけるべきモノの世界は深淵だと思いました。その点、タイムファイブの「夜空ノムコウ」は良かったな。やっぱり人にも年輪が必要なのでしょうか。
 またいつか生美輪明宏さんにお会いしたいと思います。そして、あのオーラを全身に浴びたいですね。

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コメント

前略  薀恥庵御亭主  様

「美輪明宏」様や「シャンソン」
については「無知」です。

何年か前・・・
「講演」と「コンサート」を
拝聴致しました。

まぁぁぁ・・・
御高齢なのですね。
驚きました。
愚僧など・・・
現時点で「老いぼれ」です。笑

その「コンサート」の時・・・
愚僧の隣の若い女性の方が
「もう・・・広島に帰らないと・・・」
と泣いておられました。
多分 新幹線等の都合だと思います。
「美輪明宏」様の大々ファンであられる
のでしょう。愚僧が代われるのであれば・・・
代わってあげたいほどでした。
いやぁぁぁ「美輪」様は本当に素晴らしい
御方様ですね。

人間の「魅力」というのは・・・
本当に不思議ですね。

愚僧も少しは「人間」を磨いて・・・
妻に見放されないようにします。笑

合唱おじさん      拝

投稿: 合唱おじさん | 2009.10.17 16:16

合唱おじさん様、こんにちは。
人間を磨くというのは本当に難しいですね。
最近では、やはり自分で自分を磨くのは難しいと観念して、人様に磨いていただくという方針に切り替えました。
神様や仏様に接していれば、きっといつか磨いてくださるのではないかと密かに期待しております。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2009.10.19 14:45

前略 薀恥庵御亭主 様

愚僧も人間として・・・
「磨き」が全く足りません。笑

自分自身としては・・・
「落語」や「歌舞伎」が
大切な「先生」です。

来月の熊本山鹿での
「玉三郎」様の歌舞伎
公演 とても楽しみに致して
おりました。

しかし予定は未定。
「御縁」がありませんでした。
チケット二枚は知り合いの
御方様に差し上げました。

昨日は「海老蔵」様の
雷神不動北山櫻を
拝見致しました。
とても善い御縁を頂戴しました。

「声」よし・・・「顔」よし・・
「姿」よし 最高の舞台でした。

愚僧と「月とすっぽん」です。笑

頭は似てても中身が違います。笑

愚僧もいつか・・・いい「出し」
がでるといいのですが・・・。

合唱おじさん        這 


投稿: 合唱おじさん | 2009.10.20 11:52

合唱おじさん様、どうもです。
一流の芸、人に接することが一番でしょう。
すなわち、神様仏様に磨いていただく機会だと思います。
素晴らしい芸をお持ちの方は、私たちとあちらの世界をつなぐ方です。
最近はとにかくそういう方々の息吹に直に触れようと思っています。
お金がかかりますけどね(笑)。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2009.10.20 17:32

前略 薀恥庵御亭主 様

そうですね。御金(おかね)は大変ですね。
しかし「御金は天下の回りもの」。
動かないと・・・「無価値」ですし。笑
使ってあげないと御金も嫌でしょう。


愚僧「落語」・「歌舞伎」・「ミュージカル」
は出来るだけ「子供同伴」でした。
ですから・・・
時々 学校は「ズル休み」させました。苦笑
そのかわり・・・愚僧「塾」は大嫌いです。
結局 行かせませんでした。
その為に大切な「御金」は使いません。


子供に「芸術」は何よりも大切です。
これは絶対に間違いありません。
愚僧が保証します。
うぅぅぅぅん。いつもながら・・・
愚僧の保証は「当て」になりませんけど。笑

「伝統芸能」は日本の「宝」ですね。

古来の「文章」も「宝」です。

愚僧は法然様の「一枚起請文」が
世界最高の名文だと感じています。

偉そうな事 書いてますが・・・
まぁぁぁぁ・・・「落語」の
「三枚起請」じゃありませんが・・・
本音は「朝寝」が大大大好きの・・・
「大馬鹿愚僧」です。大笑
   合唱おじさん          拝


投稿: 合唱おじさん | 2009.10.20 19:21

合唱おじさん様、おはようございます。
お金は使ってあげなきゃ可哀想ですよね。
自分がお金だったらと思うと、ホントそうです。

法然様の「一枚起請文」、ぜひ拝読させていただきます。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2009.10.22 06:44

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