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2009.10.07

Don Menza & SWR Big Band  『Voyage』

20091008_85213 日もとっても忙しいので、音楽の紹介で失礼します。
 今年の冬にも紹介した「SWRビッグバンド」こと「南西ドイツ放送協会ビッグバンド」。あの時は秋吉敏子さんのアレンジによる実に濃厚で理知的な演奏を聴かせてくれましたが、こちらは対照的に軽妙にして哀愁漂う音楽を展開してくれています。
 それもそのはず、今回のソリスト兼アレンジャーは、あのドン・メンザなんです。様々なビッグバンドで名をとどろかせ、ビッグバンドと切っても切り離せないテナー・サックス奏者であるドン・メンザ。彼は本当にビッグバンドが好きなんでしょうねえ。コンボで吹くよりビッグバンドで吹きたいという奏者っていますよね。その気持ちよく分かります。
 ここ数年、我が校富士学苑高校のジャズバンド部「ムーン・インレット・サウンズ・オーケストラ」のおかげで、すっかりビッグバンドファンになってしまった私です。今、引退した3年生の音大進学へ向けて、いろんな指導をしているところですが、ビッグバンドの中で成長した彼ら彼女らを見ていますと、やっぱり音楽っていいなあ、アンサンブルっていいなあって思いますね。素晴らしい教育ですよ。
 私のやっているバロックの世界でも、少人数のアンサンブルの良さと、オーケストラの良さとがありますね。それは全然違うものです。やはり両方体験して分かるそれぞれの良さというのがありますし、学ぶ何かというのもまた違うのです。
 おそらくそれは実社会における人間関係と同じなんでしょうね。
 さて、ドン・メンザに話を戻しましょう。彼の渋すぎるとも言えるテナー・サックスに象徴されるように、彼のビッグバンド・アレンジは、決して派手さはありませんが、なんともいえない芳香が漂っています。特にオリジナルのバラード・ナンバーでの独特の響きは面白いですね。
 SWRも秋吉さんの時とは全然違う音色で演奏しています。リーダーでこれほど音が変るんですね。それがまた音楽の面白さであります。おそらく秋吉さんの時は、けっこう緊張気味、いわば勉強してますという感じがするんですよ。それがまたあの音楽に合っていました。こちらは本当にリラックスして楽しんでいる音です。柔らかい。先生によってガラッと変わる教室の雰囲気ってとこでしょうか(笑)。
 ドン・メンザはアメリカではセミ・リタイアなんだそうです。1936年の生まれですから、もう御年73ですか。もともと若手を育てるのが上手な彼ですから、今はこうして世界の若いミュージシャンと一緒にプレイしながら、自分の学んできた音楽を伝える仕事をしているんでしょうね。かっこいいおじいさんです。
 私、生まれ変わったら、次はジャズをやりたいんですよ。で、ビッグバンドのアレンジとかしてみたいなあ。楽しいだろうなあ。これが来世の夢です。ですから、今生のうちにいろんな音楽を聴いておこうと思っています。
 あっそうそう、いろんな音楽ということで言えば…ここで案外知られていない衝撃的な事実をここで発表します!!
 まず、あの有名な「ピンクパンサーのテーマ」のサックスはドン・メンザが吹いています。たぶん、本当の話です。これです。ヘンリー・マンシーニの名曲。誰でも一度は聴いたことあるでしょう。この冒頭のサックス。 
 もう一つ。私も大好きな日本大好きヘヴィメタ・ロッカーであるマーティー・フリードマンさんが所属していた、伝説のヘヴィメタバンド「メガデス」。あそこにフリードマンさんと同時期に加入したドラマーのニック・メンザは、ななななんと、ドン・メンザの実の息子さんです。
 かたやジャズの王道、かたやスラッシュメタル四天王ですからね。まったく素晴らしいことです。ある意味先生の子が不良になっちゃったみたいなものですが、どうだったんでしょう、自由に音楽をやらせた結果なのか、それとも…。
 まあ、親子ともども、それぞれの世界を(やや地味に)極めたわけでして、やっぱり音楽の才能は遺伝するという証拠なのかもしれませんね。

MNLで聴く(冒頭のギターだけでもカッコいいですよね!)

Amazon Voyage

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コメント

前略 薀恥庵御亭主 様
愚僧 ジャズも「完全素人」です。 笑

時々・・・尺八で「アルト・サックス」の
音マネをします。笑

そうですね。「トム・スコット」の演奏。
映画「タクシードライバー」の中での
アルト・サックスは素晴らしいですね。

最近は・・・
「映画音楽」ぐらいしか聴きませんが
バーナード・ハーマンの音楽は好きです。

この頃では「スラムドッグミリオネア」の
音楽で 呆けた「脳」に刺激を受けました。

合唱できないおじさん       吠

投稿: 合唱おじさん | 2009.10.08 14:59

合唱できないおじさん、こと、合唱おじさん様、どうもです。
なんだか禅問答みたいですね(笑)。
さて、映画音楽、これは非常に不思議な魅力がありますね。
名曲ぞろいです。
やはり音楽には「動機」「モチーフ」が必要なのでしょう。
もちろん、音楽がベースになった映画もありますし、それぞれが助け合っているのが一番ですね。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2009.10.09 08:05

前略 薀恥庵御亭主 様

最近 「呆け」が進んでいます。笑

これを「書こう」としたことを・・・
忘れています。笑

実は・・・「バーナード・ハーマン」の
音楽担当の「地球の静止する日」という
映画で初めて「テルミン」が使用された
ということを書こうとしたことを・・・
「今」思い出しました。笑

この映画は1950年頃の映画です。
このごろ「リメイク」されたようです。

「合唱の思考の停止する日」も・・・
近づいています。笑

合唱おじさん          拝 

投稿: 合唱おじさん | 2009.10.21 10:09

合唱おじさん様、どうもです。
ああ、そうなんですかあ!
たしかにテルミンって今でも未来的というか、
謎というか、未知の世界というか。
でも、なんかノスタルジックでいいですよね。
機会があったら観てみます。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2009.10.22 06:48

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